この記事をまとめると
■中古車市場で「ボルボV70」が破格の値段で取引されている
社員のクルマもモニタリング! 独自に事故を再現! ボルボの安全への意識が圧巻だった
■故障のリスクを懸念しているユーザーが多いが故に安価な設定になっている
■国産車より費用が嵩むが、メンテナンスさえ定期的に行えば長く乗れる設計になっている
北欧のプレミアムワゴンが中古の軽自動車以下で買える!?
自動車への需要が高まっているのに加え、新車の納期遅延や円安によって海外輸出を目論むバイヤーなどの影響もあり、軒並み価格が上昇している中古車市場。なかでも趣味性の高いモデルや実用性の高いモデルは人気の中心となっており、ひと昔前まではそこまで値段の付かなかった年式のモデルでさえもそこそこの価格で取引されるようになってきている。
そんななかでも比較的安価な価格帯で店頭に並べられていることが多いのが、ボルボのステーションワゴン、V70である。
V70は1996年に850のマイナーチェンジ版として登場し、1999年には2代目へとフルモデルチェンジを果たし、2007年に3代目モデルになったのち、2017年に実質的な後継車種である復活を果たしたV90にバトンタッチをして生産終了となったモデル。
ボルボらしいスリークなデザインや当時のモデルとしては高い安全性を併せ持つとともに、使い勝手に優れるステーションワゴンボディということもあり、人気になっても不思議ではないモデルであるのだが、なぜか中古車市場では安値安定となっているのだ。
とくに1999年から2007年にかけて販売されていた2世代目モデルなどは、現在の中古車市場に流通している車両を見てみても、車両本体価格10万円を切るのものもある、という状況となっている。
高いものでは100万円台を超え200万円に迫るものも存在しているが、これはV70最強のスペックを誇る300馬力/40.8kgmの2.5リッターターボエンジンを搭載した「V70R」の低走行物件であり、それ以外のものは程度が良いものでも軒並み100万円以下といった状況なのだ。
メンテナンスをちゃんとすれば堅牢な設計なので快適に長く乗れる
ではなぜV70がここまで安価で売られているのかというと、決してV70が悪いクルマであるということではなく、故障が多くメンテナンス費用が掛かるクルマというイメージが付いてしまっているからと考えられる。
といってもV70が粗悪な作りのクルマということではなく、もともと北欧生まれのボルボは、定期的なメンテナンスで消耗部品を交換しながら長く乗り続けるという考え方の上でクルマ作りがなされている。そのため、しっかりメンテナンスを実施し、予防整備を含む部品交換を行っていれば長く乗り続けることができるクルマに仕上がっているのだ。
しかし、日本車のように車検のときしかメンテナンスをしない、というような乗りっぱなし状態ではてき面に不調に陥り、結果的にさまざまな部品交換が必要となってしまって「壊れて修理に費用が掛かる」というイメージが付いてしまっているというワケなのだ。
そのため、そもそもクルマに対する考え方が違うユーザーが乗るようになったことでネガティブなイメージが付いてしまったという不遇の1台がV70と言える。
逆に言えば、しっかりメンテナンスを実施しながら長く乗りたいと考える人にとっては、安価なV70は購入直後にリセットをするためのメンテナンス費用は掛かるものの、長く愛せる1台とも言えるかもしれないのだ。
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みんなのコメント
もともと整備費をかけながら長く乗る人は新車を購入してメンテナンスしながら乗り続ける。安い中古車しか買えない人はメンテナンス代は捻出できない。