スバルのクロスオーバーSUV、レガシィアウトバックの受注が2021年1月24日に終了することが明らかになった。
この情報は、すでに東京地区の販売会社、東京スバルの公式ホームページにも掲載されている。
現行モデルでレガシィアウトバックは生産終了となってしまうのか? それとも次期モデルが用意されているのか?
そこで、次期レガシィアウトバックはどうなるのか? モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/スバル
【画像ギャラリー】新型レガシィアウトバックはこうなる! 現行モデルとの違いを写真でチェック!
2021年1月24日をもってアウトバックの注文受付を終了!
東京スバルの公式ホームページに掲載されたレガシィアウトバックの受注終了のお知らせ
レガシィアウトバックの現行モデル(2018年8月の改良モデル)。ボディサイズは全長4820×全幅1840×全高1605mm。搭載されるエンジンは175ps/24.0kgmのFB25型2.5L水平対向4気筒エンジン
「レガシィアウトバックは、2021年1月24日をもって、現行モデルの受注生産の受け付けを終了」という告知が、スバルの販売会社のホームページに掲載された。
次期型はどうなるのか。スバルの販売会社の営業マンに尋ねた。
「セダンのレガシィB4は、すでに販売を終了した。2020年1月には、アウトバックの販売も終わる。現行型の受注台数が想定以上に多い場合は、終了する日程が早まることも考えられる。
次期型の投入時期や車両の概要は、メーカーから聞いていない。少なくとも2020年度中(2021年3月まで)に登場することはない。
早くても2021年の後半だと思う。北米では次期レガシィがすでに発売され、エンジンは水平対向4気筒の2.5Lと、2.4Lターボを搭載している。次期レガシィアウトバックの日本仕様には、新型レヴォーグと同じ1.8Lターボを採用する可能性もあるかもしれません」とコメント。
北米では2019年7月からアウトバックの新型が登場している
2019年7月に発売されている北米仕様の新型アウトバック。ボディサイズは全長4860×全幅1855×全高1680mmと、現行モデルとほぼ同じ車格をキープ
北米仕様のアウトバックに搭載されるのは260hp/38.4kgmを発生するFA24型2.4L、水平対向4気筒ターボ
先進運転支援システム、アイサイトの最新版を全グレードに標準装備。フロントガラスにLEDの光を投影し、アイサイト作動状態を直感的に知らせるアイサイトアシストモニターも採用
北米では、2019年7月から新型レガシィアウトバックとレガシィB4を生産している。
判断が難しいのは、次期型のボディ構成だ。現行型はアウトバックとB4を用意したが、次期型では廃止されてアウトバックのみになる可能性もある。
B4を廃止する可能性の根拠は登録台数だ。2019年1~12月の平均を見ると、アウトバックは323台だが、B4は96台に留まった。
ちなみに先代レヴォーグは、2019年の1ヵ月平均で、1060台が登録されている。これに比べるとレガシィアウトバックも低調で、B4はさらに下まわる。セダンの売れ行きが下がった状況も考えると、国内でB4を廃止する可能性は高い。
北米で先行発売された新型レガシィは、現行インプレッサから採用を開始した新しいプラットフォームを使う。新型レヴォーグと同様、フルインナーフレーム構造によってボディ剛性も高く、走行安定性や乗り心地を向上させている。
新型レガシィアウトバックのボディサイズは、北米仕様の場合、全長4860×全幅1855×全高1680mmだ。
プラットフォームは刷新されるが、ボディの大きさは若干拡大される程度で、ホイールベースは2745mmだから同じ数値を踏襲する。
つまり外観デザイン、ボディサイズ、クルマの性格はあまり変えず、走行性能、乗り心地、衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備、運転支援機能、衝突安全性などを向上させている。
機能の進化に重点を置いたフルモデルチェンジだ。レヴォーグを含めて、今のスバル車に多く見られる技術指向の刷新になる。
それにしても、北米では新型レガシィを2019年後半から販売しているのに、国内では、2020年の終盤でも旧型を販売している。
この状況で、いまだに新型の国内発売時期が示されていない。スバルの国内市場に対する姿勢は、日本のメーカーとしてどうなのか。
特に今は衝突被害軽減ブレーキ、走行安定性、衝突安全ボディなど、クルマの安全性能が急速に向上している。海外で新型、日本で旧型を売ると、安全性の劣った商品を売ることになってしまう。
現行アコードも同様だ。北米では2017年7月に現行型を発表しながら、日本のデビューはその2年半後だ。国内発売は2020年2月であった。
レガシィやアコードは、かつて国内市場を支える基幹車種だったが、今は海外向けの商品に変わった。
複数の国や地域で売る場合、販売台数の多い順番で発売するのは理解できる。レガシィやアコードは、日本の売れ行きが乏しいから後まわしにされたが、海外に比べて1年以上も遅れるのは行き過ぎだ。
主力車種がフルモデルチェンジを行う周期は、海外では約5年に収まる。アコードのように2年半も遅れると、日本ではフルモデルチェンジ周期の約半分を旧型で過ごす。
日本で販売する次期レガシィはどうなる?
日本で販売されているレガシィアウトバックの現行モデル
北米仕様のアウトバック2020年モデル
日本で販売される次期アウトバックは基本的に今の北米仕様と同様だろうが、エンジンは販売店の指摘通り、新型レヴォーグと同じ1.8Lターボを搭載する可能性がある。
日本の現行アウトバックは175ps/24.0kgmを発生するFB25型2.5L、水平対向4気筒ターボで、北米仕様のアウトバックは260hp/38.4kgmを発生するFA24型2.4L、水平対向4気筒ターボ。新型レヴォーグの1.8Lターボは177ps/30.6kgmに達する。
しかも新型レヴォーグから採用を開始した新しいエンジンだから、先代型の1.6Lターボに比べると、パワーアップに加えて燃料消費量は少ない。
日本のニーズを考えると、1.8Lターボを搭載するメリットは大きい。ボディタイプは、先に述べた通りアウトバックのみに絞られる可能性が高い。
将来の希望的な話をすれば、レヴォーグをベースに、日本仕様のアウトバックが開発されると嬉しい。
レヴォーグは日本向けに開発されたワゴンで、先代型は一時的に欧州でも販売したが、好調な売れ行きには至らなかった。
新型レヴォーグの開発者は「今のところ新型レヴォーグを海外で売る予定はない。そこで全幅を先代型と同様、1.8m以下に抑えるなど、取りまわし性に配慮した。国内市場のためのワゴンを作り上げた」という。
レヴォーグに見られる日本のユーザーに向けた心意気がスバルの本質なら、海外で新型、日本で旧型を売る今のレガシィは矛盾を抱える。
大柄になったレガシィは海外向けにして、レヴォーグをベースにしたミドルサイズのアウトバックを開発すべきだ。そうなればレヴォーグの量産効果も向上する。
もともとレヴォーグは、レガシィが海外向けに変わり、かつてのレガシィツーリングワゴンの後継車種として開発された。
以前のアウトバックは、レガシィツーリングワゴンをベースにしたSUV仕様だった。それなら今の日本のアウトバックは、レヴォーグをベースに作るのが本来のあり方だ。
1994年、北米で発売された初代アウトバック。日本では1995年8月にレガシィグランドワゴンとして発売された
日本で2代目レガシィが発売された後の1994年、北米で当時のレガシィツーリングワゴンをベースにしたSUVの初代アウトバックが発売された。
日本では1995年から、これをレガシィグランドワゴン、レガシィランカスターと車名を変えながら売っている。
1990年代の中盤から後半のSUVは、パジェロ、ハイラックスサーフ、テラノといった後輪駆動ベースの悪路向けが主力だった。
今に通じる前輪駆動ベースのシティ派SUVは、RAV4、CR-V、ハリアーなどの初代モデルがようやく登場した時代だ。
この時にレガシィグランドワゴンやランカスターは、ワゴンの走行安定性とSUVの悪路走破力を両立した先進的な車種として、既に多くのユーザーに愛用されていた。
最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に200mmの余裕を持たせて悪路のデコボコを乗り越えやすく、運転感覚はワゴンと同様だから、高重心による不安定を意識させない。スバルの安全思想を明確に表現するクルマでもあった。
さらに1999年には、レガシィランカスターADAが発売されている。ステレオカメラを使った運転支援機能が装着され、この機能が進化して今のアイサイトに至る。
このように以前のレガシィツーリングワゴンやレガシィグランドワゴン/ランカスター/アウトバックは、日本のユーザーに愛されるスバルの進歩的な主力商品だった。
そのレガシィが海外向けになり、日本のレヴォーグが登場したなら、アウトバックの日本仕様も是非これをベースに作ってほしい。
現実は北米に遅れて大柄なアウトバックを国内導入すると思うが、期待したいのはさらにその先の開発だ。
レヴォーグをベースにアイサイトXなども搭載する、日本ファーストのアウトバックが熱望されているのだ。
2020年10月15日に正式発表となった新型レヴォーグ
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