つくづく日本人、特にドイツ車を愛するクルマ好きはディーゼル好きだということが判明した。それは夏の終わりに試乗会が行われ、10月からいよいよ本格発売するニッポンにおけるドイツ車代表とも言えるVWゴルフの新世代ディーゼルモデルTDIだ。
まさに待望中の待望のディーゼルである。それは今から21年前までゴルフに当たり前のようにディーゼル仕様があったからだけじゃない。実は2012年あたりから日本のプレミアムセグメントではディーゼル革命が始まっていたのだ。
日本の道路、駐車場環境からいえば、最も理想的なカテゴリーであるハッチバック。そこに実用性の高いディーゼルエンジンを組み合わせたのだから、日本で受け入れられる素養は大いに整っている。きっかけを作ったのは日本のマツダとドイツのBMW。マツダが特徴的な低圧縮クリーンディーゼルを引っさげSUVのCX-5でいきなり搭載率7~8割を達成。さらにBMWもコンパクト系に加え、中核の3&5シリーズに新世代ディーゼルモデルを設定。そしたらこちらも搭載率は楽勝で5割を越え、中でも重量の嵩むSUVモデルではなんと8割以上がディーゼルを占めるようになってしまったのだ。
となればVWも黙って見ているわけにはいかない。準備ができ次第、日本にもディーゼルを入れる予定だったが、2015年に自らのディーゼルスキャンダル発覚。入れたくても入れられなくなっていた。
しかしあれから4年、エンジンそのものが根本から改善された上、新世代の尿素SCRシステムや高圧&低圧のダブルEGRシステムも加わり、排ガスのクリーン度が格段に向上。再び上陸できるようになったというわけ。
フォルクスワーゲンのディーゼルモデルを表すグレード名の「TDI」。搭載モデルは拡大中で、日本人ユーザーとしてはありがたい傾向にある。その結果、自動車マスコミを中心に、大評判の嵐というわけなのである。
確かにパワフルで燃費もわるくない実はVWが再びディーゼルを入れたのは去年の春。2月にパサート&パサートヴァリアントに2LディーゼルのTDIが初登場し、パサート・オールトラック、ミニバンのゴルフトゥーラン、SUVのティグアンと順次入っているが、既に全体搭載率は約5割、ボディが重いティグワンは客の8割もディーゼルを選んでいるという。なかなかビックリな人気っぷりだ。
そしていよいよ10月から日本最量販モデルのゴルフ&ゴルフ・ヴァリアントと大型ミニバンのシャランにディーゼルが追加されるわけだが、まずはいきなり真打ちのゴルフTDIに乗ってみた。
当たり前な話、外観的にはさしたる違いはない。全長×全幅×全高は4265×1800×1480mmとまるで変わらず、大きな違いは車重でガソリンモデルが1.3トンレベルなのに対し、ディーゼルモデルは1.4tレベル。100kg前後は重い。
一方、ピークパワー&トルクはなかなかの違いでガソリンのメインたる1.4L直4が140ps&250Nmなのに対し、ディーゼルの2L直4は150ps&340Nm。パワーはさして変わらないが、トルクは1.4倍ほどある。
搭載するエンジンは、2リッター直4ディーゼルエンジン。最高出力150PS、最大トルク340Nmと同グレードのガソリンエンジンよりも高性能。これが走るとやはりいい。かつての荒々しいまでのディーゼル加速こそ高度な浄化システムと共に減っていたが、それでもトルク約1.4倍はさすが。発進直後からボディがグイっと推進。特にアクセルペダルを軽く踏んだ時の加速感は倍増と言ってもいい。ボディが軽くなったように感じ、気楽に走れるのだ。
同時に全体の質感だ。現行7代目ゴルフはそもそも国産車レベルを越えたインテリア質感、ボディ剛性感、静粛性が自慢だったが、それはデビューから6年たった今でも健在。
ボディのパッケージング性能もいまだに高く、身長176cmの小沢が前後に余裕で座れ、その状態でのラゲッジ容量も380L。スタイルこそ見慣れた感は拭えないが、古くささは感じない。未だにCセグメントハッチバックでピカイチの総合力なのだ。
コックピット周りはガソリン車と同様。12.3インチのフルデジタルメーターや、9.2インチタッチスクリーンを装備する。特別仕様車の「Meister」シリーズではレザーシートやプレミアムサウンドシステム「DYANUDIO」なども装備。バッドニュースが無ければ大人気にただその一方、厳密には多少重いディーゼルエンジンもあってか、低速でのゴツゴツ感はそれなりに感じたし、ディーゼル特有のノイズも全く消えたわけではない。
停車時はもちろん、街中でも耳を澄ますと「ブーン」という唸り音は聞こえる。確かに少し走れば気にならなくなるが、欠点はゼロじゃない。個人的には価格差を考えるとまだまだガソリン版の方が魅力的な部分は残っている。
しかし、小沢の勝手なる予想だが新型ゴルフTDIもアッという間に売れるはずだ。それはゴルフ7がモデル末期で、今やっと出たTDIだけに待望感と希少性があるのと、やはり日本のクルマ好きが持つ根っこのディーゼル好きの血である。
フルデジタルメーターでは、好みに合わせてグラフィックを数種類のパターンから選ぶことができる。ナビゲーションモードでは、画面中央にマップを大きく表示することも可能。今回のゴルフTDIの価格を見るとガソリンモデルに比べて1.2Lエンジン車に対し約40万円、1.4Lエンジンに対し約20万円アップぐらい。スタートプライスは323万円台と決して安くない。
だがWLTCモード燃費が18.9kmとかなり良好なこと、軽油がガソリンより安いこと、なによりもパワー感が圧倒的。日本人は特にドイツ車に、ああいう厚みのあるトルクを期待するはずなのだ。
走行モードは通常のノーマルに加え、エコ・スポーツ・カスタムの3つが使える。カスタムでは、アダプティブクルーズコントロールやコーナリングライトなど、各機能の作動条件まで細かに設定できる。要するにドイツ車のティピカルなイメージにはディーゼルモデルのがより合っていると小沢は考える。それを今のVWのディーゼル・ラインナップ全体に感じるのだ。
今回のゴルフTDIもアッという間に売れて、占拠率は50%を超えるに違いない。もっともよほどネガティブな政治的ニュースがなければだが。
文・小沢コージ 写真・柳田由人 編集・iconic
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