全車に安全支援機能を標準化 乗り味と静粛性はクラス随一
ホンダの5ナンバーサイズのコンパクトミニバンがフリード。モビリオの後継車として2008年に登場し、現行モデルは 16年に発売された二代目。今ではフィット、ヴェゼルと並ぶ、ホンダ登録車の売れ筋モデルとなっている。パワーユニットは 1.5lエンジンを基本にガソリン車(CVT)と、WLTCモードで最高20.8km の燃費性能(FF/ 6人乗り)となるHV(7速DCT) を揃え、3列シートの乗用定員は2列目席のキャプテン/ベンチシートの選択によって6/7名。 19年のMCでは主にインテリアの上質感を高めるとともに、クロスオーバーモデル「クロスター」を追加設定。先進運転支援機能のホンダセンシングを全車に標準装備したほか、ガソリン車には下り坂でのスムーズな減速が行なえ、安心して下れるステップダウンシフトを採用している。
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エクステリア
デザインのテーマは親しみやすさ。撮影車両は2タイプあるうちの標準仕立てだが、SUVテイストでよりアクティブな「クロスター」 も選べる。運転しやすいわずか約4.3mの全長ながら、無理なく座れる3列シートを備えたパッケージングは見事。“小さなミニバン”というよりはスライドドアを組み合わせた3列シートのコンパクトカーだ。真横から見ると、寝かされたフロントウインドウにより「単なる箱」ではなく躍動感もしっかり感じさせるのが良い。内外装ともにクリーンなデザインで、特に両側スライドドアからスムーズに乗降できる、キャプテン&ベンチシートが選べる2列目席の足元の広さではライバルを圧倒。身長172cmの筆者のドラポジを基準にその背後に座ると、頭上に最大230mm、膝まわりに最大380mm(キャプテンシート/シートスライド最後端位置)もの、格上ボックス型ミニ バンのステップワゴンの同240mmを凌ぐゆとりがあるほどだ。
乗降性
1列目2列目3列目ミニバンの中でも床が低くて乗り降りが楽。 大型ミニバンに比べるとスライドドアの開口幅665mmは狭いが、2列目アクセス時には気にならない。3列目は通路の狭さを感じるものの、7人乗りならウォークスルーも可能。ただし3列目席はシートサイズこそ不足はないものの、筆者が座ると頭上の120mmはともかく、膝まわり空間は2列目席スライド最後端位置だと0mm。2列目席膝まわり空間を十分な200mmにセットしても 95mmしかないから、大人なら近距離、あるいは子どもや愛犬専用席と考えるべき3列目席である。さらに3列目席はかなり低めにセット(フロアからシート座面先端までの高さ280mm/ライバル350mm)されているため、座れても体育座り的になり、着座、立ち上がり性は褒められない。
インストルメントパネル
水平基調のダッシュボードと、その上へ重ねるように置いた横長のデジタルメーターが特徴的。このメーターは、ハンドルに遮られることなく表示を確認できるのがメリットだ。とはいえ、ドライバー目線で走り出せば、良路でのしっとりしなやかで上質な乗り心地と、全域での車内の静かさでライバルを上回る。HVモデルの場合1モーターの出力こそ29.5ps、16.3kgmと控えめだが、1.5lエンジンは110ps、13.7kgmと出来が良く、アクセルを深く踏むシーンや高速走行でエンジンが主役になる場面であってもスムーズでノイズも小さく、動力性能もこのクラスとしては余裕たっぷり。出足のHVならではの滑らかな走り出し感においても洗練されている。そして背の高いコンパクトミニバンながら、カーブや山道での前後左右の姿勢変化の少なさもまた特筆モノと言っていい。結果、あらゆるシーンで視界の良さを含め、実にリラック スした運転が楽しめる。
居住性
3列目2列目1列目床面に対しての着座位置は高め。大きな三角窓により斜め前方視界も良好だ。変わった位置にあるメーターは、前方との視線移動や焦点移動が少なく済むのも狙いのひとつ。短い全長とは思えないほど2列目も3列目も普通に座れる。ベストは3列目を使わずに2列目を最後部にスライドした状態。3列目に座る際は、2列目を10cmほど前に出す。ちなみにクロスオーバーテイストあふれるエクステリアデザインが今っぽい「クロスター」だが、アクティブなスタイリングを纏ってはいても、最低地上高は標準車と同じFF車135mm、4WD車150mm。4WDといっても生活四駆的で悪路にめっぽう強いわけではないから、誤解のないように。
うれしい装備
「B 」を除き、スライドドアは左右とも電動式を標準装備。 さらに、ディーラーオプションでは足の動きをきっかけにドアの開閉をできるハンズフ リー機能も追加可能だ。両手がふさがっていてもOK。強い日差しを和らげるだけでなく、外から車内を見えにくくする 2 列目窓のロールサンシェード。「Modulo X 」系と4WD 車に標準装備。それ以外の主要グレードは「Cパッ ケージ」として設定。折り畳み式のシートバックテーブルを純正アクセサリーとして用意。走行中は安全のため使えないが停車中の軽食時でも重宝。ルームミラーの上にある曲率の強い鏡は、振り返らずに後部座席を確認できる装備。 子どもの様子をそっと見守ることができる。車内の収納スペースが多いのもフリードの特徴だ。ダッシュボードの運転席正面(ハンドルの奥)にまで大容量収納がある。ダッシュボード中央(シフトレバーの下あたり)にある引き出し式のトレーは、スマホなど身の回りの物を置くのにも便利。月間登録台数 5619台(21年6月~11月平均値)現行型発表 16年9月(「Modulo X」マイナーチェンジ20年5月)WLTCモード燃費 20.8km/l ※「ハイブリッド系のFF車
ラゲッジルーム
2+3列目格納時3列目格納時通常時荷室空間は“車体なり”。通常時でも機内持ち込みサイズのスーツケース2個程度は積めるが、過度な期待は禁物だ。3列目シートの格納は左右跳ね上げで、アシスト機構などはないのでちょっと重くて煩わしいと感じるかもしれない。また、格納しても意外に張り出しを感じる。2列目格納は、6人乗りの場合は小さく畳めない。一方の7人乗りは小さく畳むことができる。アウトドアに似合う「クロスター」であれば、3列シートではなく、2列シート+2段の大空間ラゲッジルームを備えるフリード+「クロスター」を選ぶのが正解だ。車中泊での使い勝手もバツグンだ。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.139「最新ミニバンのすべて」の再録です。掲載データは作成時点での参考情報です。
「2022年 最新ミニバンのすべて」モーターファン別冊 統括シリーズVol.139|最強のクルマバイヤーズガイド【モーターファン別冊 ニューモデル速報】公式サイトモーターファン別冊 統括シリーズ Vol.139「2022年 最新ミニバンのすべて」/2022年1月19日発売。motorfan-newmodel.com
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