現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 各メーカーの性能が拮抗し過ぎたから? 開幕戦で追い抜きの少なかったGT500にHRCも訝しげ「かつてのスーパーフォーミュラのよう」

ここから本文です

各メーカーの性能が拮抗し過ぎたから? 開幕戦で追い抜きの少なかったGT500にHRCも訝しげ「かつてのスーパーフォーミュラのよう」

掲載 更新
各メーカーの性能が拮抗し過ぎたから? 開幕戦で追い抜きの少なかったGT500にHRCも訝しげ「かつてのスーパーフォーミュラのよう」

 岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT開幕戦では、ホンダ陣営のGT500車両、シビック・タイプR-GTがデビューを果たした。開幕前から“発展途上”との声が聞かれたが、蓋を開けてみれば100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが2位争いを繰り広げた末に3位と、既に上位を争うポテンシャルの高さを見せた。

「100号車のレースペースを見ると、優勝した36号車(au TOM'S GR Supra)は見えなかったと思いますが、それなりに戦えるポジションでシーズンをスタートできたのかなと思います。レース後半で単独走行だった8号車(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT)や16号車(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT)も結構良いペースで走れていました」

■目指すべきは3社均等な供給台数。ブリヂストン圧倒的マジョリティのGT500タイヤ戦争にスーパーGT坂東代表が見解「自動車メーカーとも話をしながら」

「レースペースは周りと遜色ないところで走れているので、この先はなるべく予選で前の方を取ること、(レースペースを)もう一段上げられるセットアップも含め、開発を進めたいです。もう少し苦しい戦いになると思っていましたが、まずは良いスタートが切れたのではないかと思います」

 そのように開幕戦を総括したのは、HRC(ホンダ・レーシング)の佐伯昌浩ラージ・プロジェクトリーダー(LPL)。デビュー戦からまずまずの結果が出たとはいえ、セットアップやタイヤ選択に関して各チームが試行錯誤している状況であることは否めないとして、今後さらなる熟成を進めていきたいとした。

 その一方で、HRCの首脳陣が指摘したのは、レース中のオーバーテイクが少なかったという点。確かに岡山国際サーキットは狭くタイトなコースレイアウトであるため追い抜きが容易ではないサーキットなのだが、それでもこれまでは、レースペースの良い車両が後方から順位を大きく上げてくるシーンも見られた。

 しかし今回に関しては上位陣の順位変動はほとんどなく、アクシデントがあった車両を除けば軒並み予選と同じ順位でフィニッシュした。3位となった100号車STANLEYも、前を行く39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraを終始追い回していたが、オーバーテイクには至らなかった。

 これに関してはHRC側も訝しげ。2024年シーズンに向けてはホンダ陣営がNSXからシビックへのスイッチ、それに伴いトヨタ陣営と日産陣営は空力とエンジンのアップデートと、パッケージ面ではそれぞれ変化があったのだが、その仕上がりがかなり似通ったものになっているのか。それとも、戦略のバリエーションも乏しい300kmレースにおいて、各車のタイヤ選択等が似通っていたからなのか……この辺りは第2戦富士で確かめる必要がありそうだ。

 HRCの車体開発責任者、徃西友宏氏は次のように語る。

「ホンダ勢で最上位となった100号車は39号車(DENSO)を抜き切るところまではいけなかったですし、その他にも、『早くこのクルマの前に出ればもっとペース良く走れただろう』というクルマが多く見られました」

「それは我々のクルマの仕上がりという面もあるかもしれませんが、他社さんの中でも抜けそうなペースなのに抜けないというシーンは見られました。各社のクルマの仕様がかなり近いレベルにあって、接戦で、頭ひとつ抜けるのは難しいと感じました」

 これについて佐伯LPLも次のように述べる。

「去年まではレース中のオーバーテイクも見られましたが、今回は路面の影響もあったのか、こうやってタイヤ(の性能)が落ちていかないような状況になってくると、少し前のスーパーフォーミュラのようにオーバーテイクまでなかなかいけない、というのが今までになかった要素だと感じました」

「ただその辺りは路面とタイヤ次第でもあるので、この状況がずっとは続かないとは思いますが、少し気になりましたね。このままの状況だと、予選やピットのタイミング、作業時間で前に出るしかありません。それを突き詰めていくのもこのカテゴリーなのですが……」

 GT500各社の車両性能がかなり近い領域に収束していることもあってか、ワンメイクカテゴリーのスーパーフォーミュラのようなレースだったと関係者が評したスーパーGT開幕戦。次戦は岡山とサーキット特性の異なる富士スピードウェイを舞台に、初の3時間レースというフォーマットで行なわれるが、どのようなレース展開となるだろうか。

こんな記事も読まれています

深夜バス相次ぎ廃止 一般系統も“整理”へ 京成バスダイヤ改正
深夜バス相次ぎ廃止 一般系統も“整理”へ 京成バスダイヤ改正
乗りものニュース
1200馬力超え“V12”搭載! 「クワッド“バイク”」世界初公開! バイクとクルマ混ぜちゃった! パワーウエイトレシオ1kg/hpの“絶叫マシン”「エングラー V12」英で発表
1200馬力超え“V12”搭載! 「クワッド“バイク”」世界初公開! バイクとクルマ混ぜちゃった! パワーウエイトレシオ1kg/hpの“絶叫マシン”「エングラー V12」英で発表
くるまのニュース
ストロール、優れたタイヤ管理と戦略で入賞「ニコや裕毅をパスできて楽しかった」アストンマーティン/F1第7戦
ストロール、優れたタイヤ管理と戦略で入賞「ニコや裕毅をパスできて楽しかった」アストンマーティン/F1第7戦
AUTOSPORT web
日本限定の『コンチネンタルGTアズール』がベントレー&マリナーから登場。世界10台のみ、4165万円
日本限定の『コンチネンタルGTアズール』がベントレー&マリナーから登場。世界10台のみ、4165万円
AUTOSPORT web
世界に1台 超高級車ブランド「オーダーメイド」に注力 ロールス・ロイス本社工場拡張へ
世界に1台 超高級車ブランド「オーダーメイド」に注力 ロールス・ロイス本社工場拡張へ
AUTOCAR JAPAN
なつかしの「Auto Roman」といえばアルピナ!「ウルフカウンタック」1号車を日本に持ち込んだ名ショップのいまを紹介
なつかしの「Auto Roman」といえばアルピナ!「ウルフカウンタック」1号車を日本に持ち込んだ名ショップのいまを紹介
Auto Messe Web
ベッテルがセナのマクラーレンMP4/8でイモラを走行「国旗を掲げた瞬間に感情が爆発した」
ベッテルがセナのマクラーレンMP4/8でイモラを走行「国旗を掲げた瞬間に感情が爆発した」
AUTOSPORT web
6年ぶりビッグネーム復活!? 新開発のV12エンジンが搭載されるフラッグシップGTとは
6年ぶりビッグネーム復活!? 新開発のV12エンジンが搭載されるフラッグシップGTとは
レスポンス
『コンチネンタルGT』が新開発V8採用の第4世代に進化。ベントレー、2024年6月の発表を予告
『コンチネンタルGT』が新開発V8採用の第4世代に進化。ベントレー、2024年6月の発表を予告
AUTOSPORT web
ルクレール「レッドブルとマクラーレンは、直線スピードを上げる“奇妙な方法”を知っている」フェラーリ/F1第7戦
ルクレール「レッドブルとマクラーレンは、直線スピードを上げる“奇妙な方法”を知っている」フェラーリ/F1第7戦
AUTOSPORT web
メルセデス、6位&7位にとどまるも「マクラーレンやフェラーリほど目立たないが、僕らも改善している」とハミルトン
メルセデス、6位&7位にとどまるも「マクラーレンやフェラーリほど目立たないが、僕らも改善している」とハミルトン
AUTOSPORT web
BTCCが“記録的早さ”で2025年カレンダーを発表。来季もドニントン開幕の全10戦30レースを予定
BTCCが“記録的早さ”で2025年カレンダーを発表。来季もドニントン開幕の全10戦30レースを予定
AUTOSPORT web
【宮田莉朋F2密着】フリー走行でマシントラブル多発。経験を積むことに注力したスプリント/第4戦イモラ
【宮田莉朋F2密着】フリー走行でマシントラブル多発。経験を積むことに注力したスプリント/第4戦イモラ
AUTOSPORT web
コンチネンタルGTが4代目へと進化しPHEVに──6月に世界初披露へ|BENTLEY
コンチネンタルGTが4代目へと進化しPHEVに──6月に世界初披露へ|BENTLEY
OPENERS
日産「新型コンパクトSUV」発表! 斬新“デザイン”が超スタイリッシュ! 6速MTアリ&鮮烈イエロー復活の「ジューク」豪に登場
日産「新型コンパクトSUV」発表! 斬新“デザイン”が超スタイリッシュ! 6速MTアリ&鮮烈イエロー復活の「ジューク」豪に登場
くるまのニュース
アライ、MotoGPトップライダーのペドロサの最新レプリカ『RX-7X ペドロサ将軍』を2024年7月上旬に発売
アライ、MotoGPトップライダーのペドロサの最新レプリカ『RX-7X ペドロサ将軍』を2024年7月上旬に発売
AUTOSPORT web
シエンタで楽しむ車中泊!構造変更ナシで使えるフローリングキット発売
シエンタで楽しむ車中泊!構造変更ナシで使えるフローリングキット発売
グーネット
広島発、超小型モビリティの名前「ミボット」に決定!2025年量産販売スタート予定
広島発、超小型モビリティの名前「ミボット」に決定!2025年量産販売スタート予定
グーネット

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村