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「タイレルP34」と「レイナード93D」に見惚れる!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.10

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「タイレルP34」と「レイナード93D」に見惚れる!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.10

運営元:旧車王
著者 :松村 透

第15回ノスタルジックデイズ2024会場に展示!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.9

製作の初期段階から進化の過程を追い続け、早いもので5年が経った。

茨城県水戸市にある「カスタムビルド&レストア WATAHIKI」にはじめてお邪魔したとき、タイレルP34のカウルはペイントされておらず、アルミ地むき出しのまま。アルミの角材を溶接して組まれたシャーシにエンジンや足まわりが仮組みしているような状態だった。

2022年秋にオートランドテクノでデモ走行の模様を取材し、それから1年後の2023年秋にはエビスサーキット東コースをハイスピードで駆け抜ける模様を現地で目のあたりにした。

その翌月に新潟県妙高市で開催された「妙高ヒルクライムHILL G.P2023」においてクラッシュしたタイレルP34であったが、幸いなことに軽傷で済んだ綿引氏の尽力もあり、1977年仕様のカウルをまとって無事復活を遂げた。

そしてタイレルのクラッシュからおよそ1ヶ月後に無限製MF308エンジンが搭載されたF3000マシン「レイナード93D」を入手。タイレルP34とレイナード93Dという、2台のフォーミュラーカーが綿引氏のガレージに棲むことととなった。

今回、久しぶりに茨城県水戸市にある「カスタムビルド&レストア WATAHIKI」にお邪魔して、タイレルP34およびレイナード93Dの今後の展望について取材した。

■ファンの方も気になっているであろう「ハンドメイドのタイレルP34」の状況を教えていただけますか?昨年(2023年)秋にエントリーした「妙高ヒルクライムHILL G.P2023」のクラッシュ後、1977年仕様のカウルに変更して展示できる状態にしてあります。破損した1976年仕様のノーズはまだ直していない状態です。

ブレーキホースも少し痛んでいるようなので、この点検も含めて1度足まわりをバラしてみようと思っています。

■F3000マシン「レイナード93D」の方はいかがですか?前オーナーさんが10年ほど前にツインリンクもてぎ(現モビリティリゾートもてぎ)でエンジンストールさせてしまい、そこから始動できない状態にある個体を譲ってもらいました。

1993年に開催された全日本F3000選手権に、ロス・チーバーが「プロミス レイナード」として参戦した車両です。第1戦および第7戦(いずれも鈴鹿サーキット)で優勝し、シリーズ3位となった個体です。CBR WATAHIKIのYouTubeチャンネルでも動画を公開していますが、現在は当時をイメージしたカラーにペイントして、デカールを貼った状態です。

■いずれレイナード93Dでもサーキットを走る可能性も・・・?タイレルP34には排気量3リッター、V8フォード コスワース DFVエンジンが搭載されていました。F1の世界において、このエンジンが1980年代に入るとターボ化されたものへと置き換えられるようになっていったんですね。その後、活躍の場を失いつつあったDFVエンジンを活かすため、国際F3000選手権というカテゴリーが誕生したのが1985年のことです。そして、2年後の1987年から全日本F3000選手権が開催されるようになりました。

DFVエンジンが日本にわたってきた頃、ホンダもエンジンを開発していたそうです。その後、無限に全権を託し、誕生したエンジンが「MF308」という排気量3リッターのV型8気筒エンジンなんです。DFVと同等のスペックを持つエンジンを搭載したフォーミュラマシンを走らせてみたいという夢があって、その実現に向けてレイナード93Dを手に入れました。

当時、星野一義選手はDFVとMF308、それぞれのエンジンを試す目的で、ご自身が乗るF3000のマシンに載せ換えていた時期があったそうです。

つまりタイレルP34のフレームにMF308が搭載できれば、自ずとDFVも搭載できることになるわけです。まだ妄想の段階ですが、いずれDFVを手に入れて、載せてみたいと言った、夢のような事を考えています(笑)。

多分クラウドファンディングでもやらないと実現できないかもしれませんが、そのときは皆さんのご協力をお願いいたします!!

F3000に限らず、レーシングカーはミッションがクロス化されているため、スタート時のクラッチミートが難しいみたいなんです。走り出してしまえば、タイヤを充分に温めることに気を使うぐらいで、さほど難しくないと前オーナーもいってました。本気で攻めるような無茶な走りをしなければ、普通に乗れるでしょう。

■CBR WATAHIKIのYouTubeチャンネルにレイナード93Dを紹介したときのファンの反応は・・・?「レイナード93Dを手に入れました」と発表したことで「○○○自動車であればMF308エンジンのオーバーホールができる」など、ファンの皆さんが情報を寄せてくれたんですね。おかげさまで、レイナード93Dの面倒をみてもらえそうなところがいくつか見つかりました。本当にありがたいですね。

■直近で参加予定のイベント情報がありましたら教えてください現在、以下のイベントに参加予定です。CBR WATAHIKIのYouTubeチャンネルでもお知らせします。

●7月14日(日):道の駅おおた(群馬県太田市)で開催される「サンブレフェスタ」に、タイレルP34とレイナード93Dの2台を展示します。
https://www.michinoeki-ota.com

●9月1日(日):フォッサマグナミュージアム(新潟県糸魚川市)で開催される「第33回 日本海クラシックカーレビュー」にタイレルP34を展示する予定です。
http://ccr.ikaduchi.com

●CBR WATAHIKI・YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@cbrwatahiki

■最後に・・・綿引さんが手掛けたタイレルP34のトリビアがありましたら聞かせてくださいイベントなどで展示したときに指摘されたことがあるんですが、タイレルP34って現代のF1マシンと比較すると小さく見えるらしいんですね。

「これって実物大ですか?」って聞かれるんです。

ノスタルジック2デイズの会場で、エブロ(現エムエムピー)代表の木谷真人さんとお会いする機会があり、タミヤ時代にタイレルP34のプラモデルを手掛けていらっしゃったのか伺ったんです。福野礼一朗さんの著書を通じて、タミヤのF1のプラモデルは木谷さんがほぼ手掛けたことは知っていたんです。

木谷さん曰く「タミヤのタイレルP34は設計図面通りにちゃんと作ってあるから、その大きさで間違いない」とおっしゃったんです。私のタイレルもタミヤのプラモデルをベースにサイズを拡大して製作していますから、ほぼ実物大であることが証明されたことになりますね。

なぜ「ほぼ実物大」なのかというと、実車の寸法を測って図面を引いたわけではないことと、私がディフォルメした箇所もあるから、なんです(笑)。そういった目線でぜひタイレルP34をご覧になってみてください。イベント会場でお会いしましょう!

■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2
TEL:TEL/FAX 029-243-0133
URL:http://cbr-watahiki.com
お問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html

●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki"※「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されています

https://www.youtube.com/@cbrwatahiki

※YouTubeで動画を配信している「ぺーさんxyz」さんがイオタの製作過程を詳細にまとめた動画。手作業で造られていったことが分かる構成となっています。

●板金職人の技炸裂!アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【前編】https://www.youtube.com/watch?v=hvAf5PfcSJg&t=8s

●アルミ板叩き出しでランボルギーニ・イオタを製作するまで【後編】https://www.youtube.com/watch?v=WidFHqbp4QA

■「サンブレフェスタ 2024」イベント概要・日時:2024年7月14日(日)9:00~15:00
・場所 道の駅おおた駐車場

●「道の駅おおた」について・所在地:〒370-0421 群馬県太田市粕川町701-1
https://goo.gl/maps/E3vus5Vmbpjn8mz68
・電話:0276-56-9350
・FAX:0276-56-9351
・駐車場;普通車:126台、大型車:40台、身体障害専用:4台
・URL:http://michinoeki-ota.com

●道の駅 おおた <公式> Facebookページ
https://www.facebook.com/michinoeki.ota/

●道の駅おおた広報「おっくん」 Facebookページ
https://www.facebook.com/ekicho.ota/

●道の駅 おおた <公式> X(旧Twitter)
https://twitter.com/michinoekiota

[ライター・カメラ/松村 透]

 

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