■意外に多い「経年劣化」による内装のトラブル
ルーフライニングが剥がれて落ちてくるトラブルは、欧州車ではよくある。写真はプロショップでリペアしてもらった後のルーフライニング。サンルーフがある場合は、サンルーフも外してルーフライニングを張り直す必要がある
国産車の装着率6割以上 ドアバイザーなぜつける? 輸入車は非装着率高く「かっこ悪い」
まず、内装の経年劣化には、どのようなものがあるのでしょうか。
・ルーフライニング(天井内張り)やドア内張りの剥がれ
・ダッシュボードやセンターコンソールなどの樹脂パーツの割れ、もしくは劣化によるベタつき、白化
・本革のシートや本革を張ったパネルなどの擦れやひび割れ
以前は輸入車に多く見られた症状ですが、近年では国産車でも新車登録後3年程度でもこうしたトラブルに見舞われることがあるといいます。
その理由は、生産国が海外の工場であることや、コストダウンによる各パーツのクオリティの低下などが挙げられます。
都内でクルマの販売メインに、修理や補修まで相談に乗ってくれるショップ代表者(匿名)に聞いてみました。
「やはりVWゴルフやBMWミニなど売れ筋の輸入車でも、そういったトラブルで相談されるケースがありますね。ただこれはドイツ車に限った話ではなく、イタリア車やフランス車など欧州車全体ではよくあるマイナートラブルといえます」
その理由は、日本の気候による部分が大きいそうです。
「欧州で使用されている接着剤やウレタンが、日本の高温多湿な環境下では想定以上に劣化が進みやすいようです。とくに輸入車の場合は、価格が手ごろになってくる10年落ちの中古車などで内装が剥がれてくることがよくあります」
BMWを例に取ると、1980年から1990年代にかけて生産された車両では、ルーフライニングやドアの内張りが剥がれてくるのはよくあるトラブルです。E36型3シリーズのルーフランニングが垂れ下がってくるトラブルや、ドア内張りが剥がれたりたるんでしまう症状は、青空駐車して保管された個体では頻繁に見受けられました。
また、この時代のフェラーリやアルファ ロメオなどでは、センターコンソールやダッシュボードの樹脂表面皮膜が溶け出し、ベタベタする症状がよく見受けられたものです。
こうしたトラブルは、この当時、内装材として使用され始めた樹脂やウレタンに原因があるようです。
また、前述のショップ代表者によれば、欧州と日本でのクルマに対する文化の違いも大きいようです。
「最近の輸入車は製造精度が上がっていますが、メルセデスやBMWといった高級車も内装が剥がれることがあります。これは文化の違いなのかもしれませんが、3年や5年で新車に乗り換える人が多い日本に対し、購入したクルマをリペアしながら長く乗る人が多い欧州とでは、クルマへの接し方の違いがあるかもしれませんね。
海外の販売店の知り合いに聞いてみたところ、内装が剥がれてきたくらいでは気にしないユーザーが多いそうです」
内装パーツが剥がれてくることに対して、欧州の人たちはまったく動じないのかもしれませんが、ことルーフライニングが垂れ下がってくることは、後方確認もしづらく、安全に運転する上でも問題があります。では、どのようにしてリペアすればよいのでしょうか。
■天井の剥がれは自分でやるよりプロにお任せ?
ルーフライニングは、遮熱や遮音性を高めるためのウレタンを挟んで、接着剤でルーフ内側に直接張られているケースが多いようです。そのウレタンが劣化によってボロボロになり、ルーフライニングが剥がれて垂れてくるのです。
また、ルーフライニングが垂れてこなくても、ルーフライニングを指で押すと、劣化したウレタンが潰れて粉々になってしまい、押されたままにもとに戻らないことがあります。
では、ルーフライニングを交換、もしくは張り直すことはできるのでしょうか。前述のショップ代表者によれば、DIYで補修も可能ですが、仕上がりの美しさや手間を考慮すると、プロショップに頼んだほうがいいそうです。
そのわけは、ルーフランニングを剥がすためには、サンバイザーやルームランプ、ルームミラーはもとより、Aピラー/Cピラー内側のパネルやリアトレイなどを取り外さなくてはならず、そうしたパネルを傷つけることなく要領よく外すには、相応の経験が必要となるからです。サンルーフ装着車の場合は、さらに難しい作業となります。
仮にそうしたパーツを上手く取り外せても、劣化してボロボロになったウレタンをきれいにルーフ内側から取り除くのは非常に手間がかかります。新しいルーフライニングに張り直した際の仕上がりに大きく影響するので、下地をいかにキレイにするかが大切なのです。
また、シワがないようにひとりでルーフライニングを張るのは非常に困難です。
こうしたことも鑑みて、ルーフライニングの張替えはプロに任せたほうが無難ですが、プロに任せるからこその利点もあります。
「ディーラーに依頼すると、天井の内張り全体の交換になります。パーツを取り外したりした作業も含めて対応してもらえますが、予算は10万円からとそれなりに高額になります。
また天井の張替えを専門とするショップや整備工場などにお願いしてもよいでしょう。その場合は、約5万円からと少し安価に収まりそうです。
しかも純正とは違う素材やカラーの内張りにすることも可能なので、自分好みにカスタムもできますよ。ただし、アルカンターラや本革など高価な素材だと、それなりに価格も高くなってしまいますけど」と、先述のショップ代表が教えてくれました。
* * *
自分でDIY作業を厭わなければ、費用をぐっと抑えることは可能ですが、張替え作業は非常に難しく、仕上がりがイマイチになってしまう可能性が高い上に、時間もかかります。そういった部分を踏まえると、結果的にはルーフライニングやドアなどの内張りの剥がれ補修は、プロにお任せするのがベストのようです。
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