現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 第1回:日下部保雄と初代シビック、2代目シビック

ここから本文です

第1回:日下部保雄と初代シビック、2代目シビック

掲載 更新
第1回:日下部保雄と初代シビック、2代目シビック

ホンダの礎を築いたのは2輪がスーパーカブなら、4輪は間違いなく1972年に登場した初代SB1型シビックだ。小型車の常識を覆したシビックは自動車が憧れの対象だった時代、既存のメーカーにない新しい発想を世に問い、これまでとは異なる価値観を持った層に強く支持された。

とくに若い世代に人気があり、“大学生のシビック”と一部では言われたほど。一見、ハッチバックのようなデザインは、独立したトランクを持つショートファストバックの2ドアセダンだった。

登場から40年! 今はなきホンダ プレリュードを振り返る

エンジンはコンパクトな1.2リッターSOHCエンジン(60PS)のみ。トランスミッションも4速MTのみだった。それまでのホンダ=ハイパワーのイメージを完全に覆した。

ホンダ創世記のクルマ作りは、レーシングエンジンのような精緻さでホンダの技術力を誇示するものだった。二重空冷1.3リッターSOHCエンジンで100ps以上を発揮したホンダ 1300や、高回転ハイパワースポーツカーのS600/800などにくらべると、シビックのエンジンは驚くほど控えめな性能だった。ライバルのカローラやサニーに比べてもはるかにおとなしい。

この低中速トルクに徹した軽量なエンジンは、従来のホンダファンが期待するものとは異なったが、フラットなトルク特性は600kgの軽量ボディと相性がよく、想像以上によく走ったのを記憶する。

発表から約1カ月後、69psにパワーアップしたモデル「GL」が登場。そして1974年にはツインキャブ搭載(76ps)のスポーティ・モデル、「1200RS」もくわわった。

ちなみに、RSは“レーシングスポーツ”の略称ではなく、運輸省など関係官庁を慮ってか“ロードセーリング”と、あいまいなサブタイトルの略とされた。排ガス問題やオイルショックの影響で、スポーツモデルが認可されにくかったからだ。

乗ってみると確かにそれまでのシビックよりスポーティだったが、パンチがあるというほどのパワーではなく、市街地でも扱いやすかった。「なるほどロードセーリングだなぁ」と、妙に納得したのであった。

とはいえ、初代シビックといえば、やはり1973年12月に追加された1.5リッター CVCCエンジンだ。当時、“規制をパスするのは不可能”と言われたアメリカの排ガス規制法「マスキー法」を最初にクリアした低公害エンジンであり、世界中から大きな注目を集めた。

ただし、パワーやレスポンスはイマイチだった。濃いガスをボンボン燃やしていたほかのエンジンに比べてパンチがない。薄い混合気を無理に燃やしているのだから当然だ。

CVCCエンジンをはじめて積んだ初代シビックは、グローバルで大ヒットした。1300の失敗から、一時は乗用車製造から撤退するとまで噂されたホンダが、再浮上&飛躍するきっかけを作ったのである。

2代目は初代のキープコンセプト

大成功した初代シビックは1979年、2代目の通称“スーパーシビック”にフルモデルチェンジ。ボディはひとまわり大きくなって、乗り心地もドタバタしたものから改善した。エンジンは初代からブラッシュアップしたCVCCエンジンを搭載。初代同様パンチはなかったが、この頃になると排ガス規制がより厳しくなったため、他メーカーのエンジンはもっとパンチがなかった。

2代目からはスポーティモデルもCVCCエンジンを搭載した(1.5リッター)。標準仕様の80psから85psにパワーアップし、名称も先代のRSから「CX」に変わった。

当時、友人でもあったレーシングドライバーの志村 久氏が、シビック CXを使ってラリーで活躍していた。氷上のスペシャルステージでは青空の下、白いボディがさわやかに舞っていたのが心に残る。FR全盛時代、FFは滑りやすい路面ではとくに速かったのだ。もっとも、シビックに限らずこの頃のホンダ車はサスペンションストロークが限られていたため、ラリー向きではなかったかもしれないが。

その後、志村氏の世話で親戚がスーパーシビックを購入した。エントリーグレードの「SE」だった。納車直後に運転したが、街中を滑らかにそしてスマートに走り、初代とは明らかに違う。大人のクルマに成長していたのだ。これならファミリーユースの親戚にも納得してもらえる、と思った。

ただ、オレンジ照明のメーターは、タコメーターとスピードメーターが同軸上にあるユニークな配置だったものの、視認性はよくなかったと記憶する。

2代目は、大ヒットした初代のキープコンセプトで、あらゆる箇所を成熟させたのが売りだったが、ユーザーには響かなかったようで、初代ほど話題にならなかった。

個人的には、この代より「シビックワンメイクレース」がスタートしたことが印象深い。当時、排ガス規制やオイルショックの影響もあって、ホンダもモータースポーツ活動を大幅に縮小していたからだ。ホンダのレース魂は健在だったのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索
シビックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193.7235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.0234.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村