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なんと! スポーツスターが生産終了!? 64年の歴史に幕を下ろし水冷エンジンに舵を切るか

掲載 更新 12
なんと! スポーツスターが生産終了!? 64年の歴史に幕を下ろし水冷エンジンに舵を切るか

 ハーレーダビッドソンのスポーツスターがついに生産終了という情報をキャッチした。これは、1957年のXLから始まった64年の歴史に幕を下ろすことを意味しており、二輪業界やハーレーファンにとって非常に大きなニュースとなる。

 スポーツスターはハーレーの中でも価格や排気量が手頃で、国内の交通状況でも使い勝手が良好。今や日本人のためのハーレーと言っていいモデルだ。ファンの多いモデルだけに終了を惜しむ声は大きいだろう。なぜ、スポーツスターはなくなってしまうのか? そしてスポーツスターの後継機はどうなるのか?

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文/市本行平、写真/HARLEY-DAVIDSON

【画像ギャラリー】これが最後の空冷スポーツスター!? 目に焼き付けたいフォーティエイトの勇姿

またひとつ名機が消えていく…、人気のフォーティエイトは中古相場も上昇中

 ヤマハのSR400が生産終了を発表して大きな話題になったが、またひとつ名機が消えてしまうようだ。空冷Vツインの代名詞であるハーレーダビッドソンの人気シリーズ、SPORTSTER(スポーツスター)が生産終了という情報だ。

 スポーツスターシリーズが生産終了になるというウワサは近年絶えずあったもので、今に始まったものではない。しかし、今回はついに確定のようだ。それを裏付けるのが2020年限りでの欧州での販売終了で、日本では2021年がラストイヤーになるという。

 すでに2021年も後半にさしかかっており、スポーツスターは新車で手に入れることもままならない状況に。そして、一番人気のスポーツスター フォーティエイトの中古車は、現在新車を優に上回る価格で取引されているのだ。

現行のスポーツスターは3機種で、最も人気なのはこのXL1200X FORTY- EIGHT(フォーティエイト)。価格は153万7800円~だが、180万円前後のプライスをつける中古車も珍しくない

スポーツスターのエンジンはハーレー伝統の空冷45度Vツインでお決まりのOHV2バルブ。現在のエボリューションエンジンは1986年から採用されている。排気量は883ccと1202cc

空冷エンジンではもう規制に対応できない? エボからレボへ移り変わる

 ホンダの新型グロムのように空冷エンジンで規制に対応するモデルもあり、一方でCB400スーパーフォアのように水冷でも生産終了がウワサされるモデルもあるので、空冷だから規制に対応できないという訳ではない。

 スポーツスターも同様で、ハーレーの上級モデルが採用するミルウォーキーエイトエンジンも基本は空冷。しかし、熱を持つ排気バルブのまわりに冷却のためのオイルやウォーターラインを設置するなど改良を繰り返しているところがスポーツスターと異なる。

2017年型から採用された完全新設計のミルウォーキーエイト。ツアラータイプはシリンダーヘッドが水冷、その他は油冷となり欧州の排ガス規制にも対応した。排気量は1745ccと1868cc

 1985年以来基本設計を大きく変えていないスポーツスターのエボリューションエンジンは、そろそろ大きくメスが入ってもいい頃合い。上級モデルと同じように空冷+油冷で延命する選択肢もあったはずだが、ハーレーは「FROM EVOLUTION TO REVOLUTION」というキャッチフレーズで、7月13日(日本時間24時)に新型モデルの発表を予告したのだ。

 「エボリューション」はスポーツスターのエンジン名、「レボリューション」は新世代エンジンのレボリューションマックスのことであるのは明らかなので、これは、スポーツスターの後継機を水冷エンジンの新型に移行することを示唆しているのだろう。つまり、空冷ツインを改良することはないと言える。

「エボからレボへ」ハーレーの公式サイトで展開されているニューモデルのディザー。レボリューションマックスエンジンを搭載した写真のモデルは、次期スポーツスター!?

新世代のレポリューションマックスエンジン。7月に発売されたハーレー初のアドベンチャーモデル「パンアメリカ1250」に採用された。水冷Vツインは1252ccで152PSを発揮する

水冷レボリューションマックスの次期スポーツスターはどんなお姿?

 ハーレーのスポーツセグメントは、今後は水冷レボリューションマックスエンジンを搭載したモデルに舵を切ると思われるが、果たしてどんなコンセプトのモデルになるのだろうか。ヒントは、2018年に発表されたコンセプトモデルにあるだろう。

 ハーレーは次世代モデルとして、完全電動のライブワイヤーやレボリューションマックスエンジンを搭載したパンアメリカ、ストリートファイター、カスタムの4機種をコンセプトモデルとして発表。そのうち前2者は発売され、ストリートファイターは見送られたという情報だ。

 残るはカスタムのみで、これの外観はディザー写真のモデルとほぼ一致している。前輪が極太のボバースタイルで、イメージはまさに水冷版フォーティエイト。同車は、2011年のデビュー以来スポーツスターシリーズで鉄板の人気を誇るモデルだけに、次世代のスポーツセグメントとして最初に押さえておきたいスタイルだろう。

2018年6月にハーレーが発表した次世代モデルのうちの一台が「カスタム」。ボバースタイルにローハンドル、フォワードステップの装備はフォーティエイトと一致している

 2020年代に入ってEVやアドベンチャーモデルをリリースし、今度はスポーツスターシリーズを刷新すると思われるハーレーダビッドソン。新たな方向に突き進むのは、新規ユーザーの獲得が急務となっているからだ。日本で発売されたパンアメリカは、7月時点で130台の受注を獲得し、そのうち半分は新規ユーザーだという。

 スポーツスターに代わると思われる水冷スポーツセグメントのモデルも狙いは同様で、従来のファンに加え新たなファンもターゲットに新たな一歩を踏み出すだろう。

レポリューションマックスを搭載したパンアメリカ1250は意外なほど完成度が高かった。企業としての生き残りも賭けて新たな市場を切り開いていく覚悟が感じられた

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みんなのコメント

12件
  • ハーレーも環境を考えないといけない時代になったんだろうね。脱炭素?地球温暖化を盾に金稼いでる奴がいる。
  • リジットマウントからラバーマウントになった時やキャブレターからインジェクションになったも同じような感じだった。
    今回はエンジンがまるっきり変わったから反応も今まで以上に大きいんだろうね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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