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トヨタの販売現場がライバル視! 新型MAZDA3の底知れぬ実力

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トヨタの販売現場がライバル視! 新型MAZDA3の底知れぬ実力

 ブランドキャラクターの異なるマツダとトヨタだが……

 5月24日にアクセラの後継車種として、“マツダMAZDA3(マツダ・マツダ3/ファストバック&セダン)”がデビューした。もともと初代アクセラのころから海外名はMAZDA3だったのだが、今回日本国内でもMAZDA3を名乗ることとなった。

マツダが16年間使ってきた「アクセラ」を捨て「MAZDA3」に改名した理由とは

 先代アクセラは魂動デザインや、スカイアクティブテクノロジーを採用し、クルマ好きの間では注目モデルとなっていた。しかし、自販連(日本自動車販売協会連合会)統計によると、直近となる2018暦年締めでの年間販売台数は1万7767台(月販平均約1480台)。MAZDA3への移行を控えての末期モデル状態であったこともあるが、販売台数としては精彩を欠いていた。

 ちなみに3代目アクセラとして、初めて暦年締め年間販売台数がフルカウントされた2014暦年での年間販売台数は4万2541台(月販平均約3545台)。総じていえば、目立って売れてはいなかったが、手堅く売れていたといった状態であった。

 アクセラ時代はクルマの話題性に販売実績がいまひとつ伴わなかったということもあり、今回車名を日本国内でもMAZDA3と改めたのかもしれない。

 MAZDA3は日本国内で正式販売が開始されてから間もないので、販売実績など客観的な数字はリリースされていないが、先日事情通から興味深い話を聞くことができた。現場のセールスマンに話を聞くと、ここのところトヨタ・カローラ スポーツとMAZDA3を比較購入検討しているお客が目立つというのである。

 ミニバンの取扱いをやめ、商用車や軽自動車(どちらもOEM)はあるものの、登録車については“魂動”や“スカイアクティブテクノロジー”をフルラインアップで採用。ブランドとしての共通イメージを与えるマツダは、日系メーカーのなかではクルマ作りに対する強いこだわりを持つメーカーとして有名だ。

 一方のトヨタは、タクシー仕様車や数多くのオリジナル商用車、軽自動車(OEM)からフルサイズミニバンやセダン、マイクロバスもある。また、FFもあればFRもある総合メーカーであり、全体に実用車というイメージを多くのモデルから強く感じる。

 そのようなブランドキャラクターの違いから、トヨタ車とマツダ車が新車購入で比較検討されることはかなりレアケースとされていた。しかし、MAZDA3とカローラ スポーツとを比較検討するお客が目立つというのである。

 奇しくも同時期に改良される両モデル 市場の反応はいかに

 セールスマンいわく、「結果的にMAZDA3を選ぶお客さまが多い」とのこと。そこで事情通が「値引き条件が良いのか?」と聞くと、「あっちのほうが気に入った」という、クルマ自体にほれ込んでMAZDA3を選ぶケースが多いというのだ。

 MAZDA3が気になって新車購入の検討を始めるひとが、カローラ スポーツも見ておこうという動きを見せることについては、カローラ スポーツがトヨタ車のなかでは“こだわりのモデル”として見られているとも受け取ることができ、カローラ スポーツが健闘しているという見方もできる。

 カローラ スポーツだけでなく、最近のトヨタは“ややマツダ的”な趣味性も意識したモデルが増えているので、じわじわとその傾向が消費者にも浸透しているのかもしれない。

 そして、間もなくカローラ セダンとカローラ ツーリング(ワゴン)が日本デビューする。12代目となる次期カローラは日本国内において、セダンとステーションワゴンとして初めて3ナンバーサイズとなるモデル。

 すでに販売現場にはスタッフマニュアルが配布されているそう。ある関係者は「当初はインプレッサG4を意識して販売促進するようにとなっていたそうですが、MAZDA3ファストバックとカローラ スポーツとの比較購入検討が多いことから、販売現場ではMAZDA3セダンを意識したほうがいいのではないかとなってきているようです」と語る。

 また次期カローラ セダンとツーリングは、ハイブリッドは1.8リッターベース、ガソリンの1.2リッターはMTのみとなり、メインは1.8リッターとなるという。現行アクシオ&フィールダーがガソリンとハイブリッド両方とも1.5リッターを残して新旧併売となるが、次期型では1.3リッターはおろか、1.5リッターすら設定されないそうだ。

 一方のMAZDA3にはファストバックのみ1.5リッターエンジンがラインアップされている。MAZDA3セダンのガソリンは2リッターエンジンのみで、スカイアクティブXも設定される。さらにディーゼルも用意されている。カローラとMAZDA3の排気量差は200ccとなるが、2リッターと1.8リッターが販売に影響を与えるかどうかも非常に興味深いところである。

 国内での圧倒的な販売力を背景に次期カローラシリーズが販売面では有利とするのが現状だが、今回は両車3ナンバーサイズとなり同じ土俵に立っているので、その点でも今後の両車の販売動向は実に興味深いところである。

 ここで思い出すのは、“赤いファミリア”として有名な5代目ファミリア。80年6月にまずハッチバックがデビュー。それまでのFRからFFへ変更し、当時VWゴルフなどで注目されていた台形ボディを採用した5代目ファミリアの赤い3ドアハッチバックXGは、当時の若者の間で大人気となり5代目ファミリアを大ヒットに導いた。

 さらに80年9月にはセダンもデビューしている。今以上に販売力でトヨタとマツダの間では差があった当時、断トツでベストセラーカーとして君臨していたカローラを抑えての販売ナンバー1獲得はいまも伝説として語り継がれている。

 日本カー・オブ・ザ・イヤーをはじめ、世界各国で賞を受けるだけでなく、82年に3回、83年には計5回、単月での国内販売台数ナンバーワンとなり、販売面でも輝かしい実績を残している。

 カローラ スポーツも含めて、次世代カローラシリーズはMAZDA3にキャラクターが近くなっている。それもあるのか、カローラの販売現場ではそれまでマツダというメーカー自体も販売面では強く意識してこなかったのに、にわかにMAZDA3をかなり意識するようになっているようにも見える。

 果たしてMAZDA3は第2の赤いファミリアになるのか? それとも新型登場後3カ月ともいわれる、新型車需要期を過ぎればアクセラのようなマイペースになってしまうのか、販売面でも非常に注目すべきモデルだ。

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