■栃木県内で新たな「半固定式オービス」拠点を3か所確認!
これから春の行楽シーズンになり、首都圏にお住まいの方は北関東や東北方面へ車で行楽に出かける機会も増えてくるかもしれませんが、その際に多くのドライバーが利用する主要道路が東北自動車道や北関東自動車道でしょう。
それらの高速道路で、2024年春以降にも「半固定式オービス」の運用が始まりそうです。どのような仕組みなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」これが新型「半固定式オービス」です! 画像を見る(30枚以上)
2024年春以降に東北自動車道や北関東自動車道に新設されるとみられる半固定式オービスの拠点は3か所で、全て栃木県内(下記)です。
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A:東北自動車道 上り方面(東京方面):黒磯PAと西那須野塩原ICの間[141.4キロポスト付近]
B:東北自動車道 下り方面(福島方面):宇都宮ICから1.2キロメートル先[104.2キロポスト付近]
※2月18日時点では基礎工事前の段階でした
C:北関東自動車道 西行き(東北自動車道方面):真岡ICと宇都宮上三川ICの間[121.8キロポスト付近]
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上記の半固定式オービスの拠点はいずれも現在工事中で、3か所とも稼働するのはもう少し先になりそうです。
筆者(オービスガイド 大須賀克巳)が調査した2月18日時点で、東北道上りと北関東道の拠点はケージまで完成していましたが、電力量計も未設置でケーブル類も接続されていませんでした。
東北道下りのポイントに関しては基礎すら未完成で、高速道路上からは全く見えない状態です。
さて、その“半固定式オービス”とは、どういった仕組みなのでしょう。
半固定式オービスとは、「固定式オービス」と「移動式オービス」のメリットを合わせたような機器の仕組みを指します。
2021年4月に大阪府の阪神高速に登場した後、熊本県、長野県、茨城県、福井県、静岡県、福岡県、そして今回新設された栃木県の8府県に設置されています。
大阪府には6か所、それ以外の県には3か所ずつなので、全国には27か所の拠点が存在します。
半固定式オービスとは、高速道路の路肩に四角く金網で囲まれたケージ内に、電源などを備えた拠点(ベース基地)を複数箇所設置しておき、1台のオービス本体をその拠点間を不規則に移動させて運用するものです。
半固定式オービスの拠点は、ドライバーからは直前まで本体がセットされているのか判別は難しく、全ての拠点の近くで速度に気をつけるようになります。
固定式オービスを3か所新設するよりコストパフォーマンスは高く、メンテナンス作業も効率的に行なえます。
「移動式オービスの方が神出鬼没でさらに効果的では?」と思う方もいるかもしれません、
しかし移動式オービスは警察官が近くで監視する必要があったり、バッテリーの問題もあるので運用時間が数時間に限られます。
その点、半固定式オービスは24時間365日、悪天候でも動き続けます。
さらに高速道路などでの取締りは警察官にとって危険を伴うので、無人にできるメリットは大きいと思われます。
半固定式オービスはイタズラ対策として頑丈な金属製のケージで守られ、さらに天井には監視カメラが備わっています。
■半固定式オービスに予告看板はある? 何キロで撮影するの?
半固定式オービス設置箇所の手前には「速度自動取締機設置路線」などと記載された予告看板が複数枚設置されています。
これは今までの固定式オービスと同様ですが、それらの看板と比べると、とても小さくスリムで気がつかないドライバーもいるかもしれません。
特に夜間は、よほど路肩あたりを注意して見ていないと見落とす可能性があります。
ところで半固定式オービスは、何キロオーバーで撮影するのでしょう。そして撮影の際には何色に光るのでしょうか。
まだ「半固定式オービスに撮影されてしまいました」など経験者からの情報はありませんが、高速道路上なので基本的に固定式オービスと同じく制限速度プラス40キロ以上で撮影されるという説が有力です。
ただし半固定式オービス本体は、移動式オービス機器「LSM-310」がベースとなっているため、簡単に対象速度を変更できます。
よって、警察官が半固定式オービスの近くで監視していれば、青キップレベルでの違反も検挙される時代が今後くるかもしれません。
ちなみにフラッシュの色は白色で、カラー撮影されます。
ところで、半固定式オービスの本体が移動する期間や順番があるのかは気になるところです。
SNSなどでは「今日は○○に本体が入っていた」などの書き込みを見ることがあります。
筆者はそれらの情報を日々チェックしているのですが、早い時は3日、長いと3週間以上同じ場所に設置されています。
場所も3地点を順番に移動するのではなく、A地点からC地点へ行き、次にC地点からA地点へ戻り、たまにB地点へ移動したりすることから推察すると、規則性は全く無さそうです。
そして今現在どこの半固定式オービスの拠点に移動式オービス機器の本体が設置されているかについても、基本的に「わからない」というのが実情です。
上記で述べたとおり、SNSなどの情報をくまなくチェックすればわかる場合もありますが、本体がセットされているかどうかは、通過する瞬間に良く見ないと判別できません。
さらに大阪府の阪神高速に新設された拠点には、2024年に入りダミー機能(カメラレンズを思わせる「枠組み」)が備わるケースも出てきており、本体の有無がさらにわかりにくくなっています。
(なお今回調査した栃木県内の拠点でダミープレートは確認できませんでした)
いすれにせよ、半固定式オービスの拠点には、全て移動式オービス機器の本体が入っていると思って運転するのが「正解」といえます。
■今後「半固定式オービス」は増えるのか
クルマに「レーダー探知器」を搭載したり「オービス通知アプリ」を利用しているドライバーも多いでしょう。
こうした仕組みで半固定式オービスは認識可能なのでしょうか。
半固定式オービスはレーダーではなく、レーザーにより速度を計測しています。
最新のレーザー&レーダー探知器で探知は可能ですが、レーザーは間に植栽や周囲のクルマなどの遮蔽物があると探知できなくなったり、探知機の設置位置などにより探知距離が変わってきます。
またスマートフォンのオービス通知アプリにはレーザーを受信する機能がないので、そもそもアプリにポイントデータが登録されていないと反応しません。
アプリにせよ探知機にせよ、正確で新しい登録情報を内蔵していれば、位置情報によりかなり手前から案内をしますが、過信は禁物です。
道路を跨ぐような立派な支柱に設置されている固定式オービスが次々と撤去されてゆく中、路肩にさりげなく鎮座する半固定式オービスはどんどん数を増やしています。
少し前にも阪神高速に3か所の拠点が追加されたばかりでした。
2024年2月現在、8府県に計27カ所の拠点が存在しますが、これから他の都道府県にも増えて行くと同時に、導入済みの府県でも拠点の数が増えるかもしれません。
例えば実際に運用するオービス機器本体が1台のままでも、もし県内に数十か所の拠点が点在していたとしたら、効率よく広範囲で速度抑止ができそうです。
ただし都心の首都高速などでは非常駐車帯も狭く、多くの路線が高架上や地下にあるため設置作業が難しいという事情があります。
したがってそれらの場所では、従来の固定式オービス機器を新しく更新したり、移動式オービスを活用していくことになりそうです。
※ ※ ※
固定式や移動式、半固定式といった形式に関わらず、オービス機器は速度が出やすい場所や、事故の多い場所に設置されます。
またオービス付近では、急ブレーキなど不自然な挙動をするクルマも多いので、特に車間距離と慎重な運転が求められます。
今回新設された拠点をしばらく観察していると、目新しいケージに気づき慌ててブレーキランプを点灯させるクルマもいました。
筆者もオービスの有無に関係なく、いつでもゆとりある運転を心がけたいと思います。
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みんなのコメント
経費的にも速度抑制という本来の目的に合致している事も