2020年8月29、30日に宮城県のスポーツランドSUGO・インターナショナルモトクロスコースで開催された全日本モトクロスの開幕戦。オートバイ女子部の梅本まどかが、現場から観戦レポートをお届けします!
「凄い!!かっこいい!!!」が止まりませんでした。
8月29.30日に開幕した「全日本モトクロス選手権2020 in SUGO」に行ってきたのですが、走行が始まると何度同じ場所で観ても感動するし、遠くから観ても伝わるあの迫力あるジャンプ。加速。
人生で2度目のモトクロス観戦でしたが、今回も現場の雰囲気に一気に虜にされてしまいました。
私はロードレースだと音とか速さとか、あのピリッとしたサーキットの雰囲気が好きなのですが、モトクロスはもう大ジャンプにコーナーの砂埃。そして、1つのコーナー、走行ラインで一気に流れが変わるあの雰囲気がたまらなく痺れるのです!
それに加えて、今回はコロナの影響で開幕が大幅に遅れたこともあり、表彰台で言葉を一生懸命伝えようと、涙を流しながらも想いを語る選手などもいたり、その一言一言から「ホントに開幕できて良かったなぁ」と感じると同時に、『大会にかける想い』『モトクロス愛』をとても感じました。
その中でも特に印象的だったのが、LMXというレディースクラス。
優勝したのは、#3 T.E.SPORTの川井麻央(かわいまなか)選手ですが、涙を流しながら喜びを噛み締め、また一生懸命お話しされている姿がホントに印象に残っています。
実は、昨年名阪スポーツランドに初めてモトクロス観戦に行った時、川井選手に転んだ時のメンタル克服方法や、オフロードの走り方を少し教えて頂いたのです。
その時、とてもアスリート魂を感じる真面目な選手だなぁ。でも教え方は丁寧で優しいし、なんてかっこいいんだろう。と感じました。
今回、予選が終わった後に少しお話しを聞きに行くと「今回はやってやるぞ!」という雰囲気と笑顔が輝いていて、翌日の決勝の走りが楽しみだなとワクワクしていました。
川井選手、予選はトップ。
このSUGOのコースは得意ですか?と聞くと「苦手ではないし、好き」と答えてくれました。あと、初めての観戦だと、どこで観るのがオススメかも聞いてみると「大坂スタンドやヨーロピアンらへんはオススメ!」と教えて頂いたので、LMXの決勝は大坂スタンドで観ることに!!!!
大坂スタンドはスタート地点が少し遠いのですが、大坂を登ってくる所も観られるし、そのあとのテクニカルセクションも観られます。
梅ちゃんオススメの観戦場所は、コチラの記事で!
スタート前は凄くドキドキしながら注目して観ていると、スタートで前に出たのは#1 本田七海選手。
大坂からテクニカルセクションは2位を走行していた川井選手ですが、私は思わず「いけいけー!」と心の中で叫びながらも、冷静に走っているように見える川井選手の走りがとてもかっこよく、輝いて見えました。
ヨーロピアンセクションは見えなかったのですが、KYBジャンプでは川井選手が前に出てトップで戻ってきたときは鳥肌が立ち、そこからも後ろを振り返って確かめる余裕があるくらい、安定した走りで逃げ切りフィニッシュ。
走り終わった後のガッツポーズもかなり印象的でした!
また表彰台では「初優勝から全然勝てなくて...毎年今年こそって思っていて...」と、ようやく勝てたという想いと、「今年はコロナウイルスの影響で4戦しか出来ないけど、とりあえず1勝できて嬉しい。でも自分はここで終わりじゃないんで、年間チャンピオン狙って頑張るので応援宜しくお願いします!」と嬉しさ以上にひたむきさとまだまだ上を目指していくというスポーツ魂のような想いが、とても伝わってきてジーンとくるものがありました!!!
ホント凄いなぁ、、、と刺激とパワーを沢山もらいました。
また、その後の、2019年チャンピオンである本田選手の悔し涙もあるスピーチ。
それぞれの選手のこの大会にかける強い想いがひしひしと伝わる空気感でした。
また3位になった小野彩葉(おのいろ))選手も「表彰台に上がれて嬉しいけど、シーズンオフに優勝目指して練習してきたから悔しいけど、次は勝ちます!」と話していて、今年はシーズンオフが長くなってしまい、全4戦になったからこその1戦1戦の重みみたいなものを、話す雰囲気や言葉から感じました。
また、今回はコロナウイルスの影響で表彰式はマスクをつけて行なわれたのですが、あんな激しい走りをした後に、息苦しいであろうマスクをつけて話す選手のみなさんに感動しました。
小野選手と川井選手は同じチームなので小野選手にも予選後にお話しを聞いたのですが「私は、ジャンプを見てもらいたいかな」と見所を教えてくださったり「SUGOは好きなコース。久しぶりにレースができて嬉しい」と素敵な笑顔で答えてくれました。
実はこの日は天候も怪しくどうなるかな?!と3人でいろいろお話ししていたのですが、選手のみなさんはしっかり雨雲レーダーをチェックしていてさすがだな。とも感じました!
あと、今回はコロナウイルス対策として、会場入口で検温や質問事項のチェックがあるのですが、それにクリアすると手首に紙テープを巻かれるんです。
選手のお二人もしていたので、話を聞いてみると「観客も選手もチームもみんな同じで、入る前につけてもらい、出るまではずしちゃいけないんです。競技中もこのままですよ!その日によって色は違うみたいです。」と教えてくれました!
今回から導入されたコロナ対策みたいですが、選手の方もずっとつけているとは知らずびっくり。運営の方もいろいろ状況に合わせて対策して下さっているんだなと感じました。
少し話しがそれてしまいましたが、LMXだけでなく他にも「みんなに伝えたい!」という想いを感じるスピーチをされる選手が多く、中でもA1クラスで優勝した山本鯨選手は、レース1の表彰式が終わる間際にもう一言言いたいと、「今世界的に厳しい中でも、これだけの方が観に来てくれて、沢山の協力の中で走れたので、すごい...また次のステップにモトクロス界が進めれるように、僕自身全力で走っていきますし、みなさんの力が必要な時だと思いますので、これからもモトクロス界全体の応援もお願いします!」と今回の開催への感謝とモトクロス界を盛り上げていきたい気持ちを伝えられていました。
IA1は2レース制で山本選手は2レースとも優勝したのですが、走りだけではなく、この気持ちの熱さもかっこいいなと感じました。
あと私は2レース目の表彰式で話していた山本選手のこの言葉が印象に残っています。
「今年IA2から1に上がった選手やアメリカから帰ってきた選手もいて、また戦力が、層が、厚くなってると思うけど、僕のやる事は変わらない、目指すところも変わらない」と。
IA1クラスの特に2レース目は、熱いバトルも多く、ホントにどうなるのかな?!とわくわくした場面があったのですが、この若手選手が今育ってきている状況と、でも譲れない王者。という漫画に出てきそうなキャラクターが揃った感じ。
やっぱりその年、その年で楽しみ方が違うと思うんですけど、ホントに今季の戦いがとても楽しみになりました♪
4戦ということで少なくはなってしまいましたが、その1戦1戦でどう変わるか、どんな走りが見られるのか、とても興味深くなりました。
おちゃめな選手たちに注目!
私は1日目のタイムスケジュール終わりに、決勝に向けてコースを歩いている選手や、スタート地点でチームで話している選手を見かけて写真を撮っていたのですが、写真をよく見ると、、、
みなさんカメラ目線でポーズしてるΣ(・□・)
ホントはこういう真面目に話しているのを撮る予定でしたが、何枚か撮っている間にバレていたようです。笑
でも、こんな風におちゃめにポーズしてくれて、なんて優しい選手たちなんだろうって思ったんですけど、遠くて顔がはっきり見えなかったし、今回で2戦目のモトクロス観戦、そして2020開幕戦という事でモトクロス界の事を詳しく知らない私にとって、どうやって選手を調べたらいいのかわからず悩んでいました。
実はパンフレットには名前とゼッケンは載っているけど顔がわからなかったり、走行写真は沢山SNSにUPされているけど、ヘルメットをかぶっているので名前と顔を一致させるのって難しいんです。
どうしたらわかるかな!?と思い、モトクロスにとっても詳しいカメラマンさん方に聞いてみると「この子たちだよ!」と教えて頂きました。また「顔と名前を知りたいなら、モトクロ男子はレースの格好でヘルメットを持って写真を撮ってるからわかりやすいよ!」と教えて頂きました。
見てみるとホントにわかりやすくて、HPは選手の顔をタップするとプロフィールを見ることができ、またそこからカメラマークを押すと選手のInstagramにとべるようになっていて、凄く驚きました!!
初めて全日本モトクロスを観る方には、ぜひ活用して欲しいサイトでした。
走りがかっこいいな、と思って調べても、名前しかわからない事があったので、このサイトを知れてホントに良かったです。
教えて頂いたモトクロ男子から情報を得て「Team SRM」の
IA1クラスの#12 小林秀真 選手
IA2クラスの#60 池田凌 選手、#63真野凌輔 選手、#39内田篤基 選手の4選手という事がわかりました!
せっかくなのでTeam SRMの選手達にも注目して決勝レースを観ていると、とても熱いバトルをしていたり、中でもIA2の内田選手はレース1ではスタートからトップに立ち、そのまま優勝!!
レース2でも、1LAPでは2位、そこから抜かれたり、抜き返したりして3位、2位と熱い走りで頑張っていたのですが、13LAP最後のコーナーで少し止まってしまい結果7位でゴールでした。
この最終コーナー手前は結構な穴場。
1レースに2、3選手がハマってしまい、ここでかなり順位が入れ替わる事もあったのです。
コーナーでどう回るか、スピードをどれだけ乗せられるかでだいぶ順位も変わり、これが面白いポイントでもあるのですが、注目して見ているといつの間にか「いけいけ!頑張れ!」と心の中で叫びながら応援していたので、この止まってしまった時は思わず「あー!!!」と声が漏れてしまいました。
こうやって1人の選手に感情移入してみたり、チームで応援するのは私は好きだし、とても面白いのでオススメです☆
特にTeam SRMは黄色のマシンなので目立ち、わかりやすかったです!
モトクロスのいい所は番号が見やすく、マシンや選手も派手な色づかいが多いので、その色や模様で応援したいライダーを探しやすいところ。
見所がありすぎるので、いろいろ観ていると迷子になりがちですが、ライダーやマシンを見つけやすいので、そこで確認できるのでとても助かります。
ひょんな事から今回注目してみた、おちゃめなTeam SRMの選手達でしたが、みなさんとても熱い走りで面白く、次戦の活躍にも期待です✩︎⡱
だから楽しくレース観戦できる! レースを支えるスタッフの皆さんも大活躍!
今回行われたSUGO大会、2020開幕戦ですが、表彰式のスピーチで沢山の選手がお話しされていた「沢山の協力があって今回行う事ができた」という言葉。
選手の走りも熱く、スピーチでも気持ちがとても伝わる内容だったのですが、選手だけでなく、スタッフの皆さんからも同じような想いをとても感じた2日間でした。
私はSUGOのモトクロスコースに初めて行ったので、いつものことなのかもしれませんが、凄くトイレがキレイだったのです!
トイレかよ、と思うかもしれませんが、モトクロスは巻き上げられる砂埃も凄く魅力的ですが、反対に砂埃が沢山あるので観戦場所でなくても砂や泥は飛んできてしまいますし、観戦客の靴も砂まみれです。
勝手なイメージかもしれませんが、トイレも砂だらけなのかな、とか少し汚いイメージがあったのですが、このSUGOではこまめに清掃員さんが掃除をして下さっていて、ホントにキレイだったのです。
これはホントに驚きました!
こういった場所への配慮って、なかなかしていない所もあると思うのですが、一生懸命綺麗にして下さっている方のおかげで、利用しやすく、観戦を楽しめているなと感じました。もちろん使っている観客のマナーが良いのもキレイな理由のひとつだと思います。
また、レースでは暑い中、一生懸命フラッグなどでコース状況を示すオフィシャルさんや、転倒した時に助けに行く人、連絡する人など、レースを安全かつスムーズに進めるためのスタッフさんがいます。
メディカルスタッフさんと、コースサイドにいるスタッフさんとの連携も、今回は近くで見る事ができ、その素早い対応、チームプレイに感動しました。
このSUGOのコースは昔は世界選手権も行なわれていたという歴史もある事が関係しているのかもしれませんが、コースの素晴らしさと共に、スタッフの方の動き、取り組みも凄いなと感じる2日でした。
あと、このSUGOには「2元実況」と呼ばれている特別な実況があり、2つの離れたエリアにある実況席からそれぞれのエリアの状況を伝え、掛け合い実況をしているそうなんです。
「日本では唯一の実況だよ!」と実際に実況されていたアナウンサーさんが教えて下さいました。
実況席はスタート地点や表彰台の近くにある建物と、ブラボースタンドの後ろの建物の2カ所に設置されているのですが、ブラボースタンドからはヨーロピアンセクションの内容を伝えているそうです。
でもスタート直後はいいのですが、だんだん周回遅れも出てきて、いろんな場面でバトルが起きたりすると2人で実況って凄く難しそうだなと思ったのですが、「ここで俺たちしかやっていないからね!」と誇らしげに、またそれだけ熱意を持ってお客さんに届けている実況アナウンサーさん達の言葉は素敵でした。
ホントにいろんな方が一生懸命取り組まれて、走り、熱い熱いバトル、レースが行われたモトクロスですが、大人だけでなく、子供達のレースCXクラスの戦いもとても白熱したバトルが繰り広げられていました。
転んでマシンが動かず悔しがっている子や、立て直して抜き返し優勝した子、頑張って逃げ切ろうとコーナーと直線でしっかり体重移動などしながら走る姿には感動して、胸が熱くなりました。
走りはかっこいいのに表彰式では、恥ずかしがって「うん」しか話さない可愛い選手達でしたが、そんな温かい雰囲気と熱い雰囲気。
改めて、振り返ってみると「モトクロス愛に溢れた大会だったな」と感じます。
イベントブースや走りの写真も沢山撮ったのでそちらでもお楽しみ下さい♡
[ アルバム : 会場の雰囲気です☆ はオリジナルサイトでご覧ください ]
次戦もこのSUGOで、10月3、4日に行われるそうです! しかも、全日本選手権シリーズでは初めての試みとなる「トリプルヒート(決勝3ヒート制)」が採用されるとのこと。
前売りなら2日間通しで3300円(※人数が増えると割引あり、レディースは2300円!)で観戦出来ちゃうので、気になった皆さんも是非観に行ってみて下さい♪ バイクだと駐車券も無料ですよ!
プロの写真で見る全日本モトクロス開幕戦(撮影:後藤 純)
[ アルバム : 全日本モトクロス開幕戦 SUGO大会 はオリジナルサイトでご覧ください ]
観戦に関する詳細は、公式サイトでご確認ください!
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