現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ロータスの電動化は中国ジーリーのシナリオ通り!「少量スポーツカーメーカー」から「ライフスタイルブランド」へ転換して年産15万台を目指す

ここから本文です

ロータスの電動化は中国ジーリーのシナリオ通り!「少量スポーツカーメーカー」から「ライフスタイルブランド」へ転換して年産15万台を目指す

掲載 11
ロータスの電動化は中国ジーリーのシナリオ通り!「少量スポーツカーメーカー」から「ライフスタイルブランド」へ転換して年産15万台を目指す

進化を続けるロータスの狙いとは

BEVのエメヤやエレトレをはじめ、新型車を次々と発表するロータス。ジーリー社傘下となって以来、攻めの経営再生が急ピッチで進むロータスとそのモデルの“今”をお伝えします。

ロータスから電動4ドアが誕生! ハイパーGT「エメヤ」は見たことない「真にドライバーのためのクルマ」

電動化時代を先取りしつつライフスタイルブランドへ

ロータスの再生が急ピッチだ。急ピッチすぎてわれわれでもキャッチアップが難しいほど。2017年に中国のジーリー社傘下となって以来、攻めの経営で新型車を次々に発表している。スーパーカーの「エヴァイア」を手始めに、SUVスタイルの「エレトレ」、さらにはグラントゥーリズモの「エメヤ」と、すでにフル電動車を3モデルも発表した。その間、内燃機関を搭載する最後のモデルとしてミドシップ2シーターの「エミーラ」をローンチ。さらには豊富なヘリテージを活用すべくトラック専用の限定レーシングカー「66」まで発表している。

もちろん、これでひと段落ではない。エレトレより小さめのSUVも用意されているし、さらにはフル電動の“ロータスらしい”スポーツカーも控えている。何しろジーリーはロータスをここ数年のうちに年産10~15万台規模のEVメーカーに育て上げる腹づもりなのだ。

昔ながらのロータスファンにとっては悲しむべき事態だろうか。悲しむファンの数が問題だ。コーリン・チャプマン時代のクラシックなマニアなどもう市場と呼べるほどの数はいないだろうし、熱狂的なファンのいるエリーゼ以降の第2世代にしても年産2000台規模だったことを考えれば、これから始まる新たな自動車の世紀を生き残っていく縁(よすが)とするには大いに頼りない。少なくとも現経営陣と親会社はそう考えた。そして、歴史ある有名ブランドを活用して大きなビジネスに育てない手はない、と意気込んだ。

選んだ道が電動化時代を先取りしつつライフスタイルブランドへと転換すること、だ。そして、ジーリー社の“友達の輪”戦略に加わったことで、ブランドが生き残る可能性は少なくとも以前より高くなった。生き残ってくれさえすれば歴史や伝統も再び注目される機会が増える。古いファンにとっては、たとえフル電動車メーカーとなってしまったとしても、存在そのものが消滅してしまうよりは益は多いはずだ。

ジーリーは自社ブランドに加えてボルボやスマート、プロトンなど世界中のカーブランドを傘下に収めて“友達の輪”を広げてきた。メルセデス・グループの筆頭株主に躍り出て世間を驚かせたことは記憶に新しい。彼らは自動車ビジネスの質的転換を狙っているのだ。

新しいEVプラットフォーム

電動化はそのための大きな柱の一つ。なかでも2020年に発表したSEA(サスティナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー)と呼ばれる新しいEVプラットフォームに注目してほしい。AセグからEセグまで対応可能な800Vシステム・スケートボードスタイルのアーキテクチャーである。しかもB2B・B2Cのオープンソースハードウェアだ。

この“SEA”には電気モーターやバッテリーシステムといったハードウェアはもちろんのこと、コネクテッドや自動運転など近未来のソフトウェアも含まれている。そう質的変換とは、“造って売る”から“サービスプロバイダー”になることだった。

エレトレやエメヤで初採用したEPA(エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャー)もまた、SEAをベースにロータスが開発したもの。筆者はニューヨークで開催されたエメヤのワールドプレミアに参加したが、同時期にIAAが開かれていたにもかかわらず、ドイツでもなく、ましてや英国でもないビッグアップルで発表したという点に、ロータスと支えるジーリーの意気を感じた。

エメヤはとにかく美しい4ドアクーペで、細かなグレード構成はエレトレ同様となるはず。なかでも前後に2つの高出力電気モーターを持つ高性能グレード「R」は、フロント1速+リア2速のトランスミッションと102kWhの大容量バッテリーを床下に備え、最高出力は最大で905hp、最大トルクも985Nmに達する。最高速こそ256km/hに“とどまる”ものの、0-100km/h加速は2.78秒というからまさしくハイパーGTだ。また1秒間に1000回ものセンシングを行う電子制御エアサスペンションシステムもまたエメヤの走りを支える重要なパートになるだろう。

ロータスは今や英国はもちろん、ドイツ、中国、ドバイなどにも拠点を構えたグローバルブランドとなりつつある。商品ラインアップも、次世代の主力となる電動ラグジュアリーカーから伝統のスーパーカー&スポーツカーあり、ヴィンテージ・リプロダクションありと、世界を見渡してもこれほど充実した商品群展開を見せるブランドは他にない。はたして、この全方位戦略が成功するのかどうか。まずはエレトレやエメヤの日本上陸を待ちたい。

ちなみに、エメヤやエレトレの生産拠点は中国武漢に新設された最新式のファクトリー。一方、エヴァイアやエミーラといったスポーツカーは伝統を重んじて英国にて生産されている。今後もこの生産拠点の区別は変わらないという。

こんな記事も読まれています

マツダ版タイプR? 2LのV6搭載! レースにも出たマツダ・ランティスは超絶スポーツセダンだった!
マツダ版タイプR? 2LのV6搭載! レースにも出たマツダ・ランティスは超絶スポーツセダンだった!
ベストカーWeb
美女が「カウンタック」で疾走する伝説の映画『キャノンボール』の俳優が当時を振り返る…公開当時のまま維持される姿を全部見せます!
美女が「カウンタック」で疾走する伝説の映画『キャノンボール』の俳優が当時を振り返る…公開当時のまま維持される姿を全部見せます!
Auto Messe Web
130馬力のマツダ ファミリア 3ドアHB・GTとライバルのスポーティ度は? [driver 1989年4-20号より]
130馬力のマツダ ファミリア 3ドアHB・GTとライバルのスポーティ度は? [driver 1989年4-20号より]
driver@web
スタイリッシュな欧風クーペに待望のAMGが登場!メルセデスAMG CLE 53 4MATIC+ クーペが日本上陸
スタイリッシュな欧風クーペに待望のAMGが登場!メルセデスAMG CLE 53 4MATIC+ クーペが日本上陸
Webモーターマガジン
高まるダニエル・リカルドに対するプレッシャー「好結果を出し続けなきゃいけない。移籍は考えてないよ」 重鎮マルコ博士はローソン昇格を示唆
高まるダニエル・リカルドに対するプレッシャー「好結果を出し続けなきゃいけない。移籍は考えてないよ」 重鎮マルコ博士はローソン昇格を示唆
motorsport.com 日本版
日産「“ミニ”ケンメリGT-R」実車展示に大反響! “全長3m級”ボディの「斬新スポーツカー」がスゴい!  幻の「ちびメリ」とは?
日産「“ミニ”ケンメリGT-R」実車展示に大反響! “全長3m級”ボディの「斬新スポーツカー」がスゴい! 幻の「ちびメリ」とは?
くるまのニュース
MIGRATRAIL のマルチハンガー「ADD HANGER LARGE/アドハンガーラージ」が発売!
MIGRATRAIL のマルチハンガー「ADD HANGER LARGE/アドハンガーラージ」が発売!
バイクブロス
5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?
5兆円超えって凄すぎ!! 営業利益5兆3529億円! トヨタが日本企業1位に輝いた理由はハイブリッドだった!?
ベストカーWeb
道路に書かれた「謎の▽」 意味はナニ? 大事な意味だけど…意外と忘れがち? 「白い逆三角」の正体とは
道路に書かれた「謎の▽」 意味はナニ? 大事な意味だけど…意外と忘れがち? 「白い逆三角」の正体とは
くるまのニュース
[旧型アルファード]新車時は450万円前後だったよね? 中古でも450万円超えってマジ!? 今後はどうなるのよ!!!!
[旧型アルファード]新車時は450万円前後だったよね? 中古でも450万円超えってマジ!? 今後はどうなるのよ!!!!
ベストカーWeb
ハチロク乗りもGR86乗りもすれ違ったら敬礼必至! 偉大なるご先祖「TE27」のレビン&トレノが胸熱すぎるクルマだった
ハチロク乗りもGR86乗りもすれ違ったら敬礼必至! 偉大なるご先祖「TE27」のレビン&トレノが胸熱すぎるクルマだった
WEB CARTOP
最強の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」がワールドプレミア! 新型「R」「Rヴァリアント」発売へ
最強の「フォルクスワーゲン・ゴルフ」がワールドプレミア! 新型「R」「Rヴァリアント」発売へ
LE VOLANT CARSMEET WEB
日本最大級のモーターショー「ジャパンモビリティショー」が2024年も開催決定! 10月15日~18日に幕張メッセで「CEATEC」と併催。
日本最大級のモーターショー「ジャパンモビリティショー」が2024年も開催決定! 10月15日~18日に幕張メッセで「CEATEC」と併催。
くるくら
ヤマハ『MT-03 ABS』『MT-25 ABS』2024年モデルを発表。新色ダークグレーを採用
ヤマハ『MT-03 ABS』『MT-25 ABS』2024年モデルを発表。新色ダークグレーを採用
AUTOSPORT web
【ロイヤルエンフィールド】免許取得&新車購入で最大5万5,000円をサポートする「ライセンスサポートキャンペーン2024」を7/1より開催!
【ロイヤルエンフィールド】免許取得&新車購入で最大5万5,000円をサポートする「ライセンスサポートキャンペーン2024」を7/1より開催!
バイクブロス
大気汚染で年間4000人死亡! そんな渋滞ロンドンに登場した「信号システム」の驚きパフォーマンスとは
大気汚染で年間4000人死亡! そんな渋滞ロンドンに登場した「信号システム」の驚きパフォーマンスとは
Merkmal
約250万円! ホンダ 新型「コンパクト”ミニバン”」発表! 8年ぶり全面刷新の「フリード」どんなクルマ?
約250万円! ホンダ 新型「コンパクト”ミニバン”」発表! 8年ぶり全面刷新の「フリード」どんなクルマ?
くるまのニュース
これでF1のトラックリミット問題は解決する? レッドブルリンクで新たな対策が登場
これでF1のトラックリミット問題は解決する? レッドブルリンクで新たな対策が登場
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

11件
  • ken********
    その車にまつわる歴史、文化がスポーツカーを魅力的な物にするのだと思います。中国関係の量産されたEVのロータスに魅力は感じられん。
  • kei********
    サーキットの狼からロータスを好きになった人が多い日本と、なんの予備知識もない国とでは受け入れられかたが違うでしょう。少なくとも私は複雑ですね。軽さで格上をカモるのがロータスの真骨頂であり、大パワーGTや SUVはロータスである必要はないと思っています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1573.01661.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1428.01573.0万円

中古車を検索
エミーラの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1573.01661.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1428.01573.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村