すでに昨季終盤から小型クーペSUV『VW Nivus SUV(フォルクスワーゲン・ニーヴァス)』こと“プロトタイプ001”がテストを重ね、次世代SUVによる選手権へと突入するTC2000だが、地元法人の支援を受けホンダ陣営のファクトリーチームとして参戦するYPFホンダRVレーシングが、新たに投入する『ZR-V』のステアリングを握る2024年のドライバーラインアップを発表。
シボレー陣営YPFエライオンオート・プロ・レーシングからフランコ・ヴィヴィアンが移籍加入し、複数年契約が残るベルナルド・ラヴァーやハビエル・スクンチョ-モーロの僚友となり、さらにフォーミュラ出身の新人としてエミリアーノ・スタンの起用も発表。この結果、ルノー時代に連覇を達成した元2冠王者ファクンド・アルドゥソの離脱が確定している。
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アルゼンチン最高峰のツーリングカー選手権として歴史的な過渡期を迎えたTC2000にて、今季も4台体制を予定するYPFホンダRVレーシングは、昨季最終戦を終えた段階でチーム関係者は「2台のシビックと2台のZR-Vで戦う」との構想を明かしていた。
そんな新体制のホンダ陣営に合流したヴィヴィアンだが、昨季はシボレーYPFクルーズをドライブして2勝を挙げ、ランキング6位を記録。キャリアにおけるこの新たな一歩について、次のように意気込みを語った。
「僕にとって、このYPFホンダRVレーシングのチームに加わることは大きな挑戦だ。この世界で僕を育ててくれたプロ・レーシングという自分の快適ゾーンを離れる難しい決断をしたが、もちろん簡単なことではなかったよ」と明かしたヴィヴィアン。
「それについてはよく考えたが、同じくYPFのサポートを得てホンダ・ファミリーに属して挑戦を始めるのは、F1を筆頭に世界中で彼らが示す存在感を考えても大きな刺激になるし、そのブランドを代表してTC2000を戦えるのも誇りだ」
「昨季はシーズン中盤でランキング首位も維持したし、今は優勝を争うだけの準備は整っていると思う。僕は自分に与えられた挑戦にやる気を持っており、何よりも喜んで、非常に興奮している。僕を信頼してくれたYPFやビクトル・プルボスト、そして(チーム代表の)ロベルト・ヴァッレに感謝したい」
■すでに『ZR-V』のホワイトボディがYPFホンダに納入済み
そう名前を挙げられたホンダ・モーター・アルゼンティーナのコマーシャルマネージャーを務めるプルボストも「我々にとって、フランコ・ヴィヴィアンを獲得することは素晴らしいニュースだ」と歓迎の意を示した。
「彼はTC2000のドライバーとして高いレベルにあることを証明しており、我々がこれまでの体制で働き続け、チャンピオンシップを目指して戦えるようサポートしてくれるだろう。今季に向け最高の期待を寄せているし、基本的にベルニ(ラヴァーの愛称)とヴィヴィアンに新型ZR-Vを託し、残る2名にシビックで戦ってもらうつもりだ」
そんなコルドバのファルダ・デル・カルメンを拠点とするチームで最後のシートを獲得したのは、アルゼンチンのフォーミュラ・ナシオナルでランク2位を獲得したスタンで、すでにTC2000シリーズの経験も有している。
「これは僕のキャリアにおいて非常に重要なステップであり、ファクトリーチームで走ることは切望された目標で、レースを始めたときに自分自身に設定した課題のひとつだった」と明かした19歳のスタン。
「アルゼンチンで最も重要なモータースポーツカテゴリーに到達し、マティアス・ロッシのような名選手たちを輩出したレベルで(昨季連覇で3度目のタイトルを獲得した)リオネル・ペーニャらと対峙することを意味する。僕に最大限の要求をしてくるライバルたちと勝負し、学ばなければならないことがたくさんあるけれど、ラヴァーやヴィヴィアンという経験豊富で速いドライバーが同じボックスにいることは、間違いなく物事を容易にするはずだ」
そして2023年はインディペンデント登録対象のチャレンジカップで王座を獲得したスクンチョ-モーロも、シリーズ新時代の幕開けに期待を寄せる。
「この変化は素晴らしいものであり、TC2000の技術革新を続ける正しい方法だと思う。将来的にはパワーとダウンフォースが備わったSUVを運転してみたいと思っているし、ドライバーにとっては大きな挑戦になるだろうね」
すでに各チームは3月3日に開幕を迎える全12戦のシーズンに向け準備を進めており、前出のシボレー陣営YPFエライオンオート・プロ・レーシングは小型SUVのトラッカーを、そして投入車種を正式表明していないTOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナ(TGRA)は、C-HRまたはカローラクロスのいずれか。ルノー陣営の王者アクシオン・エナジー・スポーツTC2000は、アルカナまたはキャプチャーの投入が予想されている。
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