厳しい騒音規制により欧州撤退
現在、最も長く販売されている市販車の1つである日産GT-Rは、今年後半に施行される厳しい騒音規制を考慮して、ついに欧州での販売を終了することになった。
【画像】13年の販売に幕【日産が誇るGT-Rを写真でじっくり見る】 全100枚
欧州での発売から約13年。オーストラリアではすでに側面衝突規制の強化に伴い撤退が発表され、欧州各国でも日産のウェブサイトからGT-Rが消え始めていたが、今回ついに公式発表に至った。
AUTOCARに寄せられた公式声明の中で、欧州日産は次のように述べている。
「身近なハイパフォーマンスカーの象徴として欧州で発売されてから13年、同地域におけるGT-Rの生産は、2021年7月1日からのEUおよび英国の新しい騒音規制(No.540.2014)のため、2022年3月をもって終了することになりました」
この規制は、歩行者や道路周辺に住む人々の騒音によるストレスを軽減する観点から、ロードノイズ低減を目的としたもの。2026年にはエンジン音の法的規制値が68dBに引き下げられ、スポーツカーや高性能エグゾーストシステムなどを製造するメーカーに大きな影響を与える可能性がある。
GT-Rの欧州最終モデルは夏に発売予定だが、後継モデルの計画は明らかにされていない。
後継モデルは「電動化」で実現できる?
現行世代の発表から15年が経過した今月初め、英AUTOCAR編集部が再試乗したGT-Rニスモは最高出力600ps、価格にして18万ポンド(約2800万円)のハイエンドモデルだが、最高出力530psの標準モデルはその半分程度の価格で購入することができる。
日産の内田誠CEOは最近、AUTOCARに対し、GT-Rが次の「R36」世代まで生き残る手段を電動化によって実現できるかもしれないとほのめかした。
「どうすれば電動化できるかを検討しています。妥協のない、本当にプロフェッショナルなスポーツカーだと思います。新型Zはわたしのようにスポーツカーが好きな人のためのものです。GT-Rはプロフェッショナルなマシンなので、将来のために何とかしなければなりません」
GT-Rの撤退により、日産が欧州市場で展開するスポーツカーは1台もなくなった。新型Zは非ハイブリッドのV6エンジンを採用しており、企業平均排出量に悪影響を及ぼすため、欧州では販売されない。
興味深いことに、日産は最近、パフォーマンスモデルに使用される次世代EVプラットフォームの存在を示唆する未来的なオープンカー・コンセプト「マックス・アウト」を公開している。
このコンセプトは、そのスタイリングや技術面では明らかに数年先の未来を見据えたものが、「最上級の安定性と快適性」、タイトなハンドリング、少ないボディロールといった特性が与えられており、少なくともGT-Rから何らかのインスピレーションを受けていることが伺える。
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みんなのコメント
欧州がどこを何を目指しているか疑問のまま、日本が右にならえの姿勢は賛成できません。