8月18日、レッドブル・リンクで開催された2024年MotoGP第11戦オーストリアGPの決勝レースで、マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)は、1周目に13番手まで落ちたが4位でフィニッシュ。スプリントでは転倒でノーポイント、決勝はレース前にはトラブルがあり、スタート時にはミスを冒して表彰台を逃したことを語った。
スプリントでは3コーナーの転倒でトップ3フィニッシュを逃したマルケス。「バイクの調子は良く、限界ではなかったため残念」といい、リスクを負い勝利を目指して「アタックを仕掛け始めたときに転んだ。楽観的になりすぎてしまった」とブレーキングでのミスを土曜日は語っていた。
バニャイアが今季7勝目。M.マルケスはスタートで13番手に後退するも4位でゴールを果たす/第11戦オーストリアGP
日曜日の決勝では、まずレース開始の約30分前、マルケスがレーシングスーツを着てピットに向かうタイミングでタイヤトラブルが判明した。メカニックが空気圧をチャックしたときにフロントタイヤのバルブが壊れていたのを見つけ、チームスタッフはミシュランタイヤのブースまで走りフロントタイヤを組み換えてもらった。
「ボックス(ピット)に入ったとき、メカニックがミシュランに駆けつけ始めた。タイヤのバルブに大きな問題があったからだ。それから、タイヤを交換したんだ。でもそのせいで、タイヤを正しい温度にするための時間が足りなかった」と振り返るマルケス。
ウォーマーでタイヤを温める時間はなく、冷えた状態でレース前のウォームアップを走った。マルケスはこの1周でフロントタイヤを温めることに集中していた。
ホームストレートに戻ったタイミングでブレーキをかけてフロントのホールショットデバイスを作動させたが、その後にフロントタイヤの温度のために再度強くブレーキングをしたらそれが解除されてしまった。そのため、ホールショットデバイスを設定できず、車高は高いままでレースをスタートした。
マルケスは「パフォーマンスが少し低い状態でスタートした。1コーナーでは、グループの真ん中にいたから『よし、落ち着こう。最初のコーナーをどのように進むか考えよう』と思った」というが、フランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)と接触。1コーナーでコースアウトをしてしまい3番手スタートから13番手までポジションを落としてしまった。
その後は他車をオーバーテイクしていくパフォーマンスを見せて、13番手から18周目には10人を抜いて4番手まで驚異的なポジション回復を見せた。トップ3はそこから8.5秒ほど前にいたため残りの10周で表彰台に届くことはなかったが、トップから13.836秒差で4位フィニッシュを果たした。
「フィーリング的には今シーズン最高の週末だったと思う。金曜日は良くて、予選も素晴らしく、(スプリントと決勝の)2回とも“楽に”表彰台に届くところにいた」
「スプリントは転倒で表彰台に上れず、今日は特にスタートでちょっとしたトラブルが多すぎた。今日はいい日じゃなかった。いろいろなことが重なった結果だ。でも、一番重要なのは、僕たちのパフォーマンス。今週末は良かったし、とても楽しかった。レッドブル・リンクを元気に出発して、さらに競争力が上がるよう運が味方してくれることを期待しているよ」
ドゥカティでの初優勝の可能性があっただけに残念な週末となったが、このパフォーマンスを維持して後半戦のどこかで勝利を飾ることはできるだろうか。
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