優れた実用性と乗り心地にトヨタの信頼性
新しいトヨタ・カローラは、実にソツなくまとまっている。ハッチバックもそうだし、ステーションワゴンのツーリングでもそうだ。
<span>【画像】トヨタ・カローラ・ツーリング 欧州でライバルとなるステーションワゴンと比べる 全136枚</span>
英国ではカローラ・ツーリングスポーツと呼ばれるカローラ・ツーリングだが、荷室は広々としていて乗り心地は快適。トヨタに準じた高い信頼性も備わっている。シンプルにカーライフを楽しめる。
既に英国編集部では、12世代目となる新しいカローラ・ツーリングへ試乗済み。前回のクルマには2.0Lエンジンが載っていたが、今回は1.8Lエンジンのハイブリッドを試してみたい。トランスミッションは、共通してCVTとなる。
排気量が減るぶん、ガソリンエンジンの最高出力が小さくなり、それに合わせるように駆動用電気モーターの出力も落とされている。英国仕様の場合、2.0Lはシステム総合で179psを得られたが、1.8Lの方は121psだ。
CO2の排出量もそのぶん少なくなり、英国では税率区分も1つ下に該当する。社用車としての利用を検討している場合は、1.8Lを有力に考えた方がお得になる。
燃費も若干伸び、今回試乗したデザインというグレードは、WLTP値で19.6km/Lから20.4km/Lがうたわれる。実際に筆者が試乗した条件では、長めに高速道路を走った時間も交えて、19.5km/Lという数値が得られた。カタログ値に近い。
ゆったり運転した方が幸せなクルマ
インテリアは、トヨタらしく機能的。荷室容量は581Lあり充分広いといえるが、フォルクスワーゲン・ゴルフ・ヴァリアントは611Lと更に広い。40:60の分割式となるリアシートを折りたたむと、1606Lの空間を得られる。
トヨタの場合は荷室フロアを完全にフラットにもでき、大きな荷物の積み込みも容易。スペアタイヤを省けば、フロア下に隠れた広大な空間を利用することも可能だ。
フランス流のオシャレで決めた最新のプジョー308 SWの荷室容量は、この2台に及ばない。もし実用性を重視して選ぶなら、カローラ・ツーリングかゴルフ・ヴァリアントということになるだろう。
現代のモデルとして、ダッシュボード中央にはインフォテインメント用のタッチモニターが据えられ、実際に押せるハードボタンも残っている。操作性は良いが、グラフィックやメニュー・レイアウトなどは、ライバルほどの洗練度を得ていない。
英国郊外の道を走らせてみたが、1.8Lハイブリッドは、ドライバーの心に火を付けるタイプではない。トヨタが開発したグローバル・アーキテクチャ、GA-Cプラットフォームを基礎としていても。
欧州仕様のカローラ・ツーリングは、フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式を採用し、操縦性も強く意識されている。それでも、ゆったりと運転した方が幸せなクルマだといえる。
静かな環境で運転できる高い遮音性
ホイールベースはハッチバックのカローラより長く、路面のうねりや波打ちを通過しても、安定性は良好。17インチの225/45というサイズのタイヤと独立懸架のサスペンションが、細かな入力なども上手に吸収してくれる。
カーブを曲がる際、ボディが外側へ傾くボディロールも、適度に抑え込まれている様子。ステアリングホイールの操舵感は終始軽く、ドライバーとの一体感より、安楽な運転を優先した味付けといえる。全体的な操縦性も、重視されているのは安全性だ。
システム総合で121psという最高出力は、ゴルフや308などの競合グレードと互角。0-100km/h加速は11.1秒でこなす。普通に運転する限り、不足は感じられない。
従来的なCVTのように、加速時には速度と一致せずにエンジンの回転数が高まるものの、車内とエンジンとの隔離性が高く存在感は小さい。目一杯アクセルペダルを倒した時を除いて、不快なノイズが車内に届くことはない。
サスペンションなど、足まわりから侵入するノイズも小さい。遮音処理は高いといえ、とても静かな環境で運転できる。
利便性に優れた道具のようなクルマ
欧州仕様のカローラが、英国中部のダービーで生産されているという点も、英国人の筆者としては推したい理由の1つになる。2.0Lエンジンと異なり、1.8Lエンジンはノースウェールズの工場で作られているという違いはあるけれど。
選択肢が増えるなかにあって、中サイズのステーションワゴンは、改めて訴求力が高いと思わせる。10年ほど前なら、ハイブリッドは複雑なシステムだと考えられていたが、昨今はすっかり一般化してもいる。
トヨタ・カローラ・ツーリングが、オーナーの日常を輝かせることはないかもしれない。しかし利便性に優れた道具のようなクルマとして、ピッタリ日常にフィットするはず。スイス製のアーミーナイフのように。
トヨタ・カローラ 1.8ハイブリッド・デザイン・ツーリングスポーツ(カローラ・ツーリング/英国仕様)のスペック
英国価格:2万7890ポンド(約423万円)
全長:4653mm
全幅:1790mm
全高:1445mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:11.1秒
燃費:19.6-20.4km/L
CO2排出量:111-112g/km
車両重量:1300-1430kg
パワートレイン:直列4気筒1798cc自然吸気+永久磁石同期モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:−
最高出力:121ps/5200rpm(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:CVT
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みんなのコメント
カローラスポーツはかっこいいけど後席狭すぎて、たまに後ろに人乗せるにはつらかったから、ヨーロッパで発表されたツーリングを心待ちにしてた
そしたら日本で出たのは似てるけど小さいガラパゴス仕様
後席の狭さはカローラスポーツとおんなじ
ガッカリして他の車に買い替えました
日本では大きいのは売れないって判断なのかな