ハミルトンの到着に盛り上がるフェラーリファン。早くもフィオラノに集まり走行を待ち望む

　ルイス・ハミルトンが、フェラーリのドライバーとしての初仕事の日にマラネロに公式に姿を現した翌日、フェラーリのテストコースであるフィオラノ・サーキットで彼の走行が見られることへの期待は高まり続けており、サーキットの北側を区切る有名な道路橋には少なくとも5000人の人々が集まると予想されている。この橋を渡る狭い自転車専用レーンも、フェラーリに乗ったハミルトンを遠くから一目見ようと集まるティフォシでいっぱいになるだろう。地元当局はすでに、その地域で交通規制を敷くことを発表しており、週末まで予想される混乱を緩和するために、モデナの交通警察の出動を要請している。

　フェラーリは、キミ・ライコネンが在籍した2007年以降ドライバーズタイトルを獲得しておらず、その後の15年間でF1に対するイタリアのファンやメディアの関心は大幅に低下した。しかし、フレデリック・バスールがチーム代表に就任し、シャルル・ルクレールが特に予選でその速さを発揮し始めてからは、状況はゆっくりと以前の状態に戻りつつあった。

　ハミルトンが起用され、今やマラネロに彼が存在していることは、イタリアにおけるF1とフェラーリ関連のあらゆるものへの支持を大いに高めた。フィオラノでの彼の初テストは非公開で行われるものの、多数のジャーナリストとカメラマンがファンの群れに加わり、彼の走りを見ようとするだろう。コース周辺では私的にタイムを計測する人々に事欠かないので、ハミルトンのラップタイムはリアルタイムでソーシャルメディアに溢れるはずだが、彼の影響はファクトリー内でも感じられている。彼がマラネロのファクトリーにいた全従業員に個人的に挨拶することを主張した事実は、スクーデリアに40年間勤務しているベテランたちにも強い印象を与え、7度の世界チャンピオンの彼は従業員たちからさらに愛される存在となった。

　ハミルトンはファクトリーの門から出て、その日の朝に彼が到着したときにすでにそこにいた何百人ものファンに挨拶をし、サインをしたり、彼らと一緒にセルフィーを撮ったりすることにしたが、このことはベテランのハミルトンがティフォシの心を掴み取るためにさらに努力する覚悟があることを示している。彼は今、フェラーリの精神を完全に受け入れるという使命に取り組んでいる。

　当然ながらこの新たなハミルトンフィーバーが、イタリアをどのくらい長く、どの程度までつなぎ止めるかはコースでの結果次第だろうが、少なくとも今から8週間後にメルボルンでチャンピオンシップが開幕するまでは、イタリアのF1はルイス・ハミルトンとスクーデリア一色になるだろう。