MotoGP第2戦スペインGPの決勝レースで、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がついにMotoGPクラスで初優勝した。2019年よりMotoGPクラスに参戦しているクアルタラロは、MotoGPクラス通算20戦目で最高峰クラス初勝利を達成した。21歳90日での初優勝は、最高峰クラス歴代8位の記録となる。
クアルタラロは、2013年、2014年と2年連続でCEV(スペイン選手権)のMoto3クラス(現在のMoto3ジュニア世界選手権)で連覇を果たし、当時、16歳だった世界グランプリのMoto3クラスの最低年齢が、クアルタラロが翌年世界グランプリに参戦するためために、CEVのMoto3クラスチャンピオン経験者は15歳から参戦できる特例条項が設けられたほど、次世代のライダーとして活躍が期待されていた一人だった。
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そして、2015年より世界グランプリのMoto3クラスに参戦したクアルタラロだったが、2戦目のアメリカズGPで2位表彰台に立ったものの、Moto3クラスの2年間は思うような結果を残せず、2017年にはMoto2クラスにステップアップ。2018年も引き続きMoto2クラスに参戦すると、第7戦カタルニアGPでようやくグランプリ初優勝を達成した。
しかし、2018年はランキング10位に止まるなど、Moto3、Moto2時代は他のライダーと比べて飛びぬけた成績を残していた訳ではなかったが、その才能を認める関係者は多く、2019年にはペトロナス・ヤマハSRTよりMotoGPクラスにステップアップを果たす。
MotoGPクラス1年目の2019年は才能が結果につながり、スペインGPではMotoGPルーキーでありながら、4戦目でクアルタラロは初ポールポジションを獲得。20歳と14日でのポール獲得は、それまでマルク・マルケスが持っていた20歳と63日の記録を更新。最高峰クラスの史上最年少ポールポジション獲得記録を塗り替えるものだった。
そして、2019年シーズンは2位に5回、3位に2回と通算7回表彰台を獲得するなど大活躍を見せ、ルーキートップとなるランキング5位を獲得した。残念ながら、1年目で初優勝獲得とはならなかったものの、MotoGPクラスのトップライダーの仲間入りを果たし、2年目の今年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、MotoGPクラスは初戦となったスペインGPでポールポジションを獲得。念願の初優勝を達成した。
スペインGP決勝ではマルク・マルケスのコースオフによるトップ争いからの後退、そして追い上げ途中での転倒リタイアという側面があったとは言え、ヤマハファクトリーのふたりを引き離して、サテライトチームのクアルタラロが優勝した。
ちなみにヤマハのサテライトチームの最高峰クラスでの優勝は、2000年(第13戦バレンシアGP 500ccクラス/レッドブル・ヤマハ・WCMのギャリー・マッコイ)以来、フランス人最高峰ライダーの優勝は1999年(第12戦バレンシアGP 500ccクラス/レジス・ラコーニ)以来となる。
「信じられない。家族、友人、ファンがここにいないことが残念だけど、ようやく、表彰台の頂点に立てて、すごくいい気分だ。これは、家族、弟、最高の友人、マネージャー、ここに来られなかった全てのファン、そして、4カ月間とても苦しんだ人たちのための勝利だ」
表彰台の頂点で初優勝の喜びをかみしめたクアルタラロ。2020年にはヤマハファクトリー入りも決まっている。連戦が続く短期決戦の今シーズン、クアルタラロの快進撃が続くのか。
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