現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 空気抵抗減らすならトガッたノーズでしょ! シャープなノーズのスポーツカー3選

ここから本文です

空気抵抗減らすならトガッたノーズでしょ! シャープなノーズのスポーツカー3選

掲載 12
空気抵抗減らすならトガッたノーズでしょ! シャープなノーズのスポーツカー3選

■トガッたノーズのオールドスポーツカーを振り返る

 クルマは常に空気の影響を受けながら走っていて、速度や燃費、操縦安定性、音など、さまざまな要素に空気の流れが関係します。

マツダ「コスモスポーツ」が45年ぶりに復活!? ワイド過ぎる「COSMO VISION」の正体とは

 そのため、空力性能を向上させることは、どんなクルマでも良好な結果が出せるといえるでしょう。

 とくに速く走ることを追求したスポーツカーでは、空気抵抗の低減とともに、空気の流れを利用してダウンフォースを得られるボディ形状を模索してきた歴史があります。

 今では風洞試験やコンピューターによるシミュレーション技術が飛躍的に向上していることから、優れた空力性能のクルマが数多く存在しますが、そうした技術が未熟だった時代でも空力を強く意識したスポーツカーがありました。

 そこで、シャープなフロントノーズのオールドスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「フェアレディ 240ZG」

 日産は1969年に、初代「フェアレディZ」を発売しました。2シーターオープンカーだった従来の「フェアレディ」に対し、ボディやシャシ、エンジンに至るまで一新した次世代のスポーツカーでした。

 外観はクローズドボディのロングノーズ・ショートデッキと、古典的なスポーツカーのフォルムを生かした美しいファストバックスタイルを採用。

 そして、1971年には新たなバリエーションとして、輸出用の2.4リッターエンジンを搭載した「240Z」シリーズが加わりました。

 なかでも「240ZG」は、通称「Gノーズ」と呼ばれる空気抵抗を意識した専用形状のフロントノーズに、前後フェンダーに装着されたリベット留めのオーバーフェンダー、ダックテール状の小型リアスポイラーが装着され、空力性能の向上を強く意識したボディとなっていました。

 搭載されたエンジンは前述のとおり2.4リッター直列6気筒SOHCの「L24型」で、SU型ツインキャブレターを装着して最高出力150馬力(グロス)を発揮。

 240ZGはレースでも活躍したことから初代フェアレディZのイメージリーダー的な存在でしたが、1973年に排出ガス規制の強化などを理由に生産を終了しました。

 なお、フェアレディZの主戦場はアメリカでしたが、240ZGは日本のみで販売されたモデルだったことから、アメリカの愛好家にとって今も垂涎の的です。

●マツダ「コスモスポーツ」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車である「コスモスポーツ」を発売。

 外観は、コンパクトで高性能なロータリーエンジンの特徴を生かした未来的なデザインで、まさに空気を切り裂くようなシャープなフロントノーズに、低く流れるようなフォルムが斬新でした。

 エンジンは491cc×2ローター・ロータリーの「10A型」を搭載し、最高出力110馬力(グロス)を発揮。

 このエンジンによる動力性能は最高速度185km/h、 0-400m加速16.3秒に到達し、発売翌年の1968年には最高出力128馬力(グロス)にパワーアップされ、最高速度は200km/h、0-400m加速は15.8秒まで向上するなど、ロータリーエンジンの性能の高さを世に知らしめました。

 コスモスポーツは当時としては高額なスポーツカーながら、異例ともいえる月間30台前後の販売台数を記録する人気を獲得。

 その後コスモスポーツの成功を皮切りに、マツダはあらゆる車種にロータリーエンジンを搭載する「ロータリーエンジン・フルラインナップ化」を進めました。

●ロータス「エラン」

 イギリスを代表するスポーツカーメーカーのロータスは、レーシングカー・コンストラクターとして技術力を磨き、それを市販車にフィードバックすることで数多くの名車を世に送り出してきました。

 日本でもっとも有名なロータスのモデルといえばミッドシップカーの「ヨーロッパ」ですが、このヨーロッパ誕生の礎になったFRスポーツカーが「エラン」です。

 1962年に誕生したエランは、鋼板を組み合わせたバックボーンフレームにFRP製のオープン2シーターボディを架装した構造で、後に脱着式のハードトップやクローズドボディも追加されました。

 なお、この構造はヨーロッパにも採用され、さらに2代目「エリート」や「エスプリ」などにも受け継がれました。

 外観の特徴はリトラクタブルヘッドライトを採用したシャープなフロントノーズで、当時のFRスポーツカーでは定番だった極端なロングノーズ・ショートデッキではなく、前後のバランスがちょうど良いスタイリッシュなフォルムです。

 初期のシリーズ1の車重はわずか640kgで、エンジンは欧州フォード製直列4気筒OHVブロックにロータス製DOHCヘッドを組み合わせた、いわゆる「ロータスツインカム」を搭載。1.6リッターの排気量から最高出力105馬力を発揮し、優れた走行性能を実現。

 また、足まわりはフロントがダブルウイッシュボーン、リアはストラットの4輪独立懸架で、ハンドリングも高く評価されました。

 エランはその後も改良が続けられ、1973年にシリーズ4をもって生産を終了しました。

※ ※ ※

 今回、紹介した初代フェアレディZはアメリカで大ヒットしました。またエランは欧州とアメリカでヒットし、そのため今もこの2車は部品が潤沢に販売されています。

 古いクルマを維持する上で重要なのが部品の入手性で、グローバルでヒットしたクルマは部品が豊富に流通しているケースが多く、クラシックカーのなかでも比較的維持が容易といえるでしょう。

 また、欧米ではクラシックカーの愛好家が多く、修理や部品の製造がビジネスとして成り立っており、完全に文化のひとつとなっています。

こんな記事も読まれています

マクラーレン代表、フェルスタッペン&ノリス接触の原因は“3年前”にあると指摘「マックスを厳しく罰して来なかったから」
マクラーレン代表、フェルスタッペン&ノリス接触の原因は“3年前”にあると指摘「マックスを厳しく罰して来なかったから」
motorsport.com 日本版
ポーランド過去最大のポルシェ・パーティー! 200台超の空冷ポルシェと3,500人のファンがルフトカルトに集結
ポーランド過去最大のポルシェ・パーティー! 200台超の空冷ポルシェと3,500人のファンがルフトカルトに集結
LE VOLANT CARSMEET WEB
型式指定認証不正で新車販売現場は混乱する……と思ったらそうでもない! コロナ禍以降の「長納期慣れ」で消費者は意外にも冷静だった
型式指定認証不正で新車販売現場は混乱する……と思ったらそうでもない! コロナ禍以降の「長納期慣れ」で消費者は意外にも冷静だった
WEB CARTOP
なんならクルマを買ってから1度も見てないなんて人も! 使ってなくてもスペアタイヤは「交換」する必要あり
なんならクルマを買ってから1度も見てないなんて人も! 使ってなくてもスペアタイヤは「交換」する必要あり
WEB CARTOP
フェラーリの新型ハイパーカー出現! モコモコ膨らむ偽装の下にあるのは「なめらかボディ」?
フェラーリの新型ハイパーカー出現! モコモコ膨らむ偽装の下にあるのは「なめらかボディ」?
レスポンス
ポルシェ、80歳を迎えた伝説の元ワークスドライバー、ルディ・リンスを祝福!
ポルシェ、80歳を迎えた伝説の元ワークスドライバー、ルディ・リンスを祝福!
LE VOLANT CARSMEET WEB
小松礼雄代表率いるハースF1、レッドブルのペレスを抑えるなど大量12ポイント獲得「抑え込める自信はなかったけど、戦う価値はあった」
小松礼雄代表率いるハースF1、レッドブルのペレスを抑えるなど大量12ポイント獲得「抑え込める自信はなかったけど、戦う価値はあった」
motorsport.com 日本版
【ロングセラーモデルが新型に】 ホンダ・フリード 「エアー」/「クロスター」 福祉車両も同時発表
【ロングセラーモデルが新型に】 ホンダ・フリード 「エアー」/「クロスター」 福祉車両も同時発表
AUTOCAR JAPAN
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
motorsport.com 日本版
ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
ランド・ノリス、フェルスタッペンとの接触に憤慨「今日の彼は”やりすぎな日”だった……必死になりすぎているように見えたよ」
motorsport.com 日本版
現代における「世界一価値の高いファミリーカー」を追求した新型ホンダ・フリードが発売
現代における「世界一価値の高いファミリーカー」を追求した新型ホンダ・フリードが発売
カー・アンド・ドライバー
レッドブルF1重鎮、フェルスタッペンとノリスのトップ2激突は「完全に不必要」チーム自ら招いたピンチとも示唆
レッドブルF1重鎮、フェルスタッペンとノリスのトップ2激突は「完全に不必要」チーム自ら招いたピンチとも示唆
motorsport.com 日本版
“昼の高速バス”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
“昼の高速バス”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
Merkmal
”接触エンド”は回避できたかも? レッドブルF1、ノリスへのペナルティ付与の可能性をフェルスタッペンに伝えず「我々にも落ち度がある」
”接触エンド”は回避できたかも? レッドブルF1、ノリスへのペナルティ付与の可能性をフェルスタッペンに伝えず「我々にも落ち度がある」
motorsport.com 日本版
新東名の開通遅れの原因「最難関トンネル」どこまで進んだ? 「見るからにヤバイ山」 準備中の巻き返し策とは?
新東名の開通遅れの原因「最難関トンネル」どこまで進んだ? 「見るからにヤバイ山」 準備中の巻き返し策とは?
乗りものニュース
ライドシェア「雨降ったら臨時でOK」に規制緩和へ! “5mm以上の雨予報”で思わぬ臨時収入も!? "時間規制ガチガチ問題"を一部脱却
ライドシェア「雨降ったら臨時でOK」に規制緩和へ! “5mm以上の雨予報”で思わぬ臨時収入も!? "時間規制ガチガチ問題"を一部脱却
くるまのニュース
注目の「マツダスピリットレーシング」を甲信地方のマツダディーラーで発見! “最強”のND型「ロードスター」は2リッターで200馬力を発生か
注目の「マツダスピリットレーシング」を甲信地方のマツダディーラーで発見! “最強”のND型「ロードスター」は2リッターで200馬力を発生か
VAGUE
【MotoGP現場ぶら歩き】山に囲まれたムジェロ・サーキットに感じたコントラストと、コース“外”で上がるエキゾーストノート
【MotoGP現場ぶら歩き】山に囲まれたムジェロ・サーキットに感じたコントラストと、コース“外”で上がるエキゾーストノート
バイクのニュース

みんなのコメント

12件
  • Gノーズカッコイイんだけど夏の渋滞にハマると水温計がみるみる上がります。
    オーバーヒート対策は必須でしたね。
  • 自動車の速度域では前方の形状よりも後方の形状のほうが空力的には意味があるんだけど、ヒトの気持ちはトンガってほしいと願うのだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村