モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは、1995年の全日本GT選手権 GT1クラスを戦ったJZA80型の『トヨタ・スープラ』です。
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『トヨタ・スープラ(1999年編)』大変貌で年間最多ポールの最速マシンに【忘れがたき銘車たち】
全日本GT選手権(JGTC)のシリーズ本格発足初年度である1994年。この年、スポーツランドSUGOで開催された第4戦でデビューを果たし、いきなり速さを見せたのがTRDとサードのタッグで生まれたJZA80型のトヨタ・スープラだった。
このスープラ、サスペンションやブレーキなどはグループCカーであるトヨタTS010のパーツを流用。エンジンもIMSAで使われていた「503E」と呼ばれる2140ccの3S-G改型を持ち出して搭載するなど、コストを抑えるために過去のトヨタのレーシングカーから有用な部品をピックアップして作られたGTマシンだった。
その流用部品で多くを構成する作りは翌1995年も変わらずに継続。インタークーラーを水平にマウントしたことや、エンジンフードに設けられたエアアウトレット形状の変更、さらにシーズン中に限られた車両にのみだが、WRCで使われていたミスファイアリングを投入するなどのモディファイは加えられたが、基本的な作りは変わらなかった。
ただ、このフル参戦初年度となる1995年はサードに加え、FET、トムス、1994年モデルをベースにモディファイしたセルモが新たにスープラ陣営となり、計4台へと参戦台数が増加。各チームは独自に改造を加えて、スープラをシーズン中にも進化させた。
特にトムスは規定違反との判定はされてしまうものの、大型のカナードを装着したバンパーを採用するなど、オリジナルのエアロパーツを生み出して試していた。
トムスは富士スピードウェイで開催された第2戦で、サスペンションを大幅に改良してジオメトリーを変更。この効果もあってか、仙台ハイランドで行われた第3戦ではスープラ勢に初勝利をもたらした。
またサードも“エラ”が設けられた大型のバンパーを装着したり、ラウンドによってはリヤウイングに小型のウイングレットを採用するなど、空力面を進化させていた。
このようにユーザーたちの努力もあって、毎戦ポテンシャルを上げていっていたスープラだったが、コクピット内、エンジンルーム内の熱対策に問題を抱えるなど、課題も多く、1995年はトムスが記録した仙台での1勝のみでシーズンを終える。
そして1996年に向けては、JGTC専用のパーツが投入されるなどしてスープラは、さらに進化を遂げていくことになる。
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みんなのコメント
今のGTの進化は認めるけど熱さに欠けるというか泥臭さに欠けるというか求めているものとは違う