FIA世界耐久選手権(WEC)の最終戦、バーレーン8時間レースで優勝し、2年連続でチャンピオンに輝いたトヨタ8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)だが、クラッチの問題に見舞われており、薄氷を踏むような勝利だったようだ。
今回、トヨタは予選を重視。タイトル争いを繰り広げる2台がフロントロウを独占することに成功した。ポールシッターの8号車が7号車との差を16ポイントに広げ、3位までに入れば他車の順位に関係なくチャンピオンに輝くという状況で決勝レースが幕を開けた。
■ブエミ&ハートレー&平川亮のトヨタ8号が完勝し、2023年WEC王者に輝く|WEC最終戦バーレーン8時間レース
しかしスタート直後の1コーナーへのブレーキングで、タイヤをロックさせたキャデラック2号車が7号車に追突。8号車が首位を独走する一方で、7号車が後方から追い上げる戦いを強いられたことで、タイトル争いはほぼ決したように見えた。
結局、7号車は2位まで追い上げたものの、47秒先にチェッカーを受けた8号車が昨年に続いてWECチャンピオンに輝いた。
しかしトヨタ8号車のレースも順風満帆だったわけではない。クラッチに問題が生じ、ピットストップのたびに数秒をロスしていたのだ。
TOYOTA GAZOO Racingヨーロッパのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、この問題が”致命的”に悪化し、「ピットストップの間に、危うくクルマを再始動できないところだった」と述べた。
8号車のドライバーは従来の方法でエンジンを始動させることができず、フロントアクスルに搭載されたハイブリッドパワーを使ってピットボックスを離れ、事実上”押しがけ”のような形でエンジンを動かす必要があったようだ。
「クラッチが開かなかったので、スターター(モーター)を使うことができなかった」
そうバセロンは説明した。
「フロントでクルマを引っ張るしかなかったんだ。だが問題は、タイヤが冷えていてフロントがスピンし、リヤが回らないことだった」
「クランキングできなくて、エンジンがかからなかった。それが走り出すのに時間がかかっていた理由だ」
その対策として、1速ではなく2速ギヤで発進を試みることで、なんとか問題を軽減させることができたのだという。
「結局、2速でスタートすることになった。その方が良かったんだ」
バセロンは、この問題によって8号車にどれだけのタイムロスが生じたかを正確には明かさなかった。ただ、「最後の3回のピットストップがクリティカルだった」としながらも、レース序盤からこの問題が頭をもたげてきたと説明している。
バーレーンで今季4度目のワンツーフィニッシュを果たしたトヨタだが、トラブルは7号車にも発生しており、「2台ともトラブルがあったので、かなりタフだった」とバセロンは語った。マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組のトヨタ7号車には、ドライブシャフト・トルクセンサーのひとつに問題があったのだ。
7号車は4月のポルティマオでもトルクセンサーのトラブルに見舞われた。ピットインを強いられ約11分のタイムロスを喫し、総合9位に終わっている。ポルティマオでは内部の電子部品が故障したが、今回はドライブシャフトのセンサー自体が破損してしまったようだ。
このトルクセンサーは、性能調整(BoP)に定められている出力と各スティントで使用するエネルギーを測定・監視するものであるため、データが得られない状態での走行継続は許されない。ただポルティマオでの7号車のトラブルを受けて、WEC側は新しいプロトコルを採用。デフォルトまたはバックアップモードで走行するための手順が定められたため、今回7号車は走行継続することができた。
「バックアップの面で我々はより正確に作業をしているが、それでも通常のようにはいかない。ゲインしないように、マシンをデチューンする必要があるからだ」
バセロンによると、7号車の問題はレース中盤に顕在化したという。
トラブルを抱えながらも、レースを走りきったトヨタ。今季は新たなライバルがWECに参入し、実際にル・マンではフェラーリに敗北したものの、最終戦でもその”強さ”を改めて見せつけ、チャンピオンの座を守った結果となった。
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