■「うわっ…!」ホントに巨大な戦車が目の前を通過した!
「戦車道」と聞いて、ぱっと某アニメを思いつく人も多いかもしれません。“華道”や“茶道”のように、女子がたしなむ“戦車道”があるという謎設定で人気のアニメです。
しかしその戦車道ではなくて、実際に戦車(パンツァー)が走る道、目の前を巨大な戦車が走り抜けていくのを見ることができる貴重な場所がありました。
【画像】「えっ…!」これが公道を走る「戦車」です! 画像で見る(45枚)
戦車といえば、でっかい砲塔を備えた鉄の塊で、大きな音と、履帯(いわゆるキャタピラ)がキュラキュラ音を立てて、土の上を走り回っているイメージがあり、一般道の上を走り抜けていくイメージは無いと思います。
そんな戦車が実際の道路を走る場所といえば、北海道千歳市にある、東千歳駐屯地から北海道第演習場へ移動する「C経路」と呼ばれる道路が、戦車ファンの間では知られています。
千歳市のウェブサイトには「C経路通行予定のお知らせ」として、通行日や通行時間、通行方向、通行部隊、移動車両何両と細かく公表されており、実際に多くの戦車ファンが見に行くようです。
このように北海道での戦車の移動は比較的有名ですが、九州の大分県玖珠町(くすまち)にも、戦車が一般公道を走る有名な場所があります。
こちらはC経路というような名前ではなく、ずばり“戦車道”と呼ばれています。
千歳市と同様に、玖珠町のウェブサイトには「戦車道における戦車等通行予定について」と、走行の日程も公表されています。
しかし玖珠町の情報は通行時や、戦車などの進行方向である上山・下山がどちらなのか、両数が何両かといった項目自体は千歳市と似ているものの、その記載は「出発時間は午前9時から午後5時まで」と、非常に長くアバウトな時間です。
両数も何両とは書かれていますが、どのような車両が通過するかは書かれていません。
役場では「質問されても役場は移動時間に関しては把握していません」と書かれているので、実際に行ってみないといつ走行するかは分かりません。
ということで、実際に見に行って見ました。
玖珠町には陸上自衛隊玖珠駐屯地があり、ここには「西部方面戦車隊」、「西部方面特科連隊第二大隊」、「西部方面対舟艇対戦車隊」の看板が掲げられており、西部の守りを担う戦車隊が駐屯しているのが分かります。
この玖珠駐屯地から、西日本・九州で最大とも言われる、日出生台演習場へ移動するために公道を走行します。
移動の出発時間は午前9時から午後5時となっています。ですので、8時半に戦車を見学するのに最適なポイントとして有名な、「道の駅童話の里くす」で待機してみます。
戦車が通過する前に、道には散水車によって水が撒かれます。これは道が傷まないようにするためと、ほこりが舞い散らないようにするためです。
自衛隊のトラックが何台も通過すると、いよいよ戦車が来るのかとドキドキします。
ジープ型の車両が来て、「戦車誘導中 この後12両」と書かれたものを車両に掲示しています。つまり12両の戦車が来ることが分かります。
■キャタピラにはゴムの緩衝材を装着し路面に配慮
やがて、轟音と履帯が地面を叩く振動が伝わって来ます。
玖珠駐屯地にいる「10式戦車」が続々と道の駅の前を通過していきました。
なかにはブルドーザーのように、ドーザーと呼ばれる装置を付けた戦車も来ます。
しかし玖珠町の方は見慣れた光景でもあるのでしょう。戦車道を普通にクルマや自転車で通過していきます。
たまたま向かい合わせになった場合は戦車が一旦停止し、クルマを通過させるなど配慮をしています。
10式戦車は全長9.42m、全幅3.24m、全高2.30m、重量約44トンと大迫力の大きさを持ちます。軽自動車と比較すると何倍も大きいのが分かります。
道幅はトラックが行き違えるような、一般的な片側1車線の道幅ですが、戦車とすれ違うには気をつかうため、戦車が一旦停止して一般車などを先にいかせるのも分かります。
水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジンから聞こえるエンジン音も勇ましく、再発進するときには唸りをあげて発進していきます。
意外と戦車同士の前後の間隔もそれほど開いておらず、次から次へと12両の戦車が通過していきます。
最後には「11式装軌車回収車」と呼ばれる、戦車が動かなくなった場合などに引き上げる回収車があり、この車両も一緒に移動していきました。
気がつけば、9時過ぎから15分から20分程度で、12両の戦車は道の駅の前をあっという間に通過していきました。
戦車とはいえ、一般公道を走るためには普通のクルマと同じような装備が必要です。
そのためナンバープレートに相当する表記を行ったうえで、ヘッドライト、ウインカー、そして取り外し可能なミラーを装着しています。
また戦車の運転席は狭く視界も悪いため、操縦手は頭を外に出して周囲を警戒しながら操縦しているのが分かります。
戦車のキャタピラは左右別々に動かせるため、器用に左右差を作り上げてコーナーを曲がっていくのを見ていると、操縦は難しいのだろうと想像できます。
戦車が通る道は、重量44トンに耐えられるようにコンクリート製になっています。
さらに戦車の履帯にはゴム製の緩衝材が装着され、路面を痛めないようにされています。
実際に玖珠駐屯地から日出生台演習場へ向かう戦車道をクルマで走ってみました。
玖珠駐屯地から日出生台演習場への入口方面までは約7kmほど。
コンクリート製かつ戦車が通ったことで多少傷んでいることもあり、かなりガタガタした道になっています。
10式戦車は最高時速70キロまで出ると言われていますが、戦車道ではおよそ時速10キロから20キロ程度の低い速度で走っているようです。
そのほか、自衛隊所属の輸送トラックなども一緒に移動した最後に、スイーパーと呼ばれる道路の掃除車両が路面のゴミを回収しながら通過していきました。
※ ※ ※
戦車道には桜並木のところもあり、桜が咲く頃には戦車と桜のコラボレーションも見られそうです。
一般道を戦車と共に走れる戦車道は、戦車の迫力を感じられる貴重な場所でした。
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みんなのコメント
記事の中では、戦車道と書いてますが実際は自衛隊道路と呼んでいました。
アスファルトの道路ではなくコンクリートの道路です。
途中、アスファルトの道路と交差しているところも通ります。
通った後は自衛隊さんが竹ぼうきでよくはわいていました。
山の上にある日生台(ひじゅうだい)演習場からは砲弾の音がよく響いていました。
地元住民は慣れたものです。