2024年FIA F2選手権の第6戦バルセロナの舞台、カタロニア・サーキットは宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)にとって、走行経験がある数少ないサーキットだ。
しかも、宮田は4月下旬に行われたFIA F2選手権のインシーズンテスト2日目の午後のセッションで、トップタイムを記録していた。
【宮田莉朋F2密着】前日の好走から一転。スピードを失った車両で苦戦した日曜日/第6戦レビュー後編
「4月にテストして、コースを知っているというのが大きかったですね。コースを知っているので、週末はこういうふうに取り組むという部分がしっかり見えて、クルマのセットアップとドライビングに集中することができました」
「また、コースを知っていると、無線で喋るタイミングや、予選やフリー走行で後ろから迫ってきたクルマに進路を譲る場所もわかっているので、自分のドライビングに集中できるので、今回はとても楽でした」と、宮田は振り返った。
予選で6番手を獲得し、リバースグリッドと前方のドライバーのグリッドペナルティにより、4番手からスタートした土曜日のスプリントレース。抜群のスタートを決めて、2番手までジャンプアップした宮田は、その後もしっかりとタイヤをマネージメントして2番手をキープ。FIA F2初表彰台は確実かと思われた。
ところが、レース後半に宮田はトラックリミット違反を問われ、5秒のタイム加算ペナルティを2度、計10秒を科されてしまった。
「もちろん、トラックリミットには気をつけていましたが、違反を伝えられたタイミングがペナルティを受けた後だったので、どうすることもできなかったです。FIA(国際自動車連盟)が伝えるタイミングも遅かったし、チームもそれに反応するのが遅れてしまったようです」と、宮田。
「1回目のウォーニング(黒白旗)も2回目のときも、無線でまったく知らされていなかったんです。それで突然、1回目のペナルティを伝えられたのですけど、それがチェッカーまで残り2、3周のときだったので、プッシュすれば表彰台には残れると思って全開で走っていました」
「2回目のペナルティを受けたことを知ったのはチェッカーフラッグの後でした。だから、チェッカーフラッグの後はとても落胆しました。ただ、そもそもコースをはみ出したのは自分の責任です。FIA F2はタイヤの径が大きく、白線が見えにくいので、今後は気をつけます」
宮田は2番手でチェッカーを受けたが、2回のタイムペナルティを受けて8位に降格。しかし、表彰式の後に暫定3位で表彰式に登壇したファン・マヌエル・コレア(ダムス・ルーカスオイル)が、トラックリミット違反を5回犯していたため、正式結果にて10秒のタイム加算ペナルティが科され、8位に後退。宮田は7位に繰り上がった。さらに、宮田はファステストラップも記録しており、スプリントレースでの獲得ポイントは3点となった。
表彰台は逃したものの、宮田がこのレースで得たものは決して小さくはなかった。
「ファステストラップも獲れたし、コースを知っているサーキットでは表彰台争いができることがわかったことはポジティブです。この調子で日曜日のフィーチャーレースも頑張ります」
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