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内燃エンジンを支える石油、ガソリンを考える

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世界の自動車メーカーは、現在、2030年頃を目標に本格的な電動化を進めている。もちろん電動化の中には純電気自動車、燃料電池車、PHEV、ハイブリッド、マイルドハイブリッドが含まれ、多様な手段で電動化が行なわれる。

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調査機関の予測では、2030年時点では約50%のクルマが電動化されると予想され、大容量のバッテリーを搭載する電気自動車や水素で発電しながら走行する燃料電池車の比率は10%程度とされている。それ以外の車両は電動化とはいえ内燃エンジンを搭載し、そのうちの約50%は内燃エンジンだけで走行するクルマであり、内燃エンジン+電動化を組み合わせたクルマの合計は、2030年時点で90%と予測されている。


エネルギー源とエネルギー密度

20世紀は石油の世紀といわれているが、人類とエネルギー源は切っても切れない関係にある。原始人のエネルギー源は食料だけだったが、その後に「火」が発明され、暖房や調理に利用され始めた。この火のエネルギー源は薪である。産業革命以前は風車、水車が経済活動に必要なエネルギー源であったが、産業革命で蒸気機関が登場すると石炭が重要なエネルギー源となった。石炭は現在でも発電に使用され、依然として重要なエネルギー源となっている。

しかし19世紀後半から20世紀にかけて、内燃エンジンが登場すると新たなエネルギー源として石油が登場する。内燃エンジンだけではなく船舶のボイラー用燃料としても石炭より取り扱いのよい石油は注目され、20世紀は石油の世紀と呼ばれるようになっている。


石炭や石油は化石燃料と呼ばれ、かつての薪燃料や風車、水車などは、現代風に言うところの再生可能エネルギーと比べて、CO2を発生させることと、地中から採掘される有限のエネルギー源とされていることに課題がある。その一方で、エネルギー密度で考えると石油製品の代表のガソリンは、1万2000wh/kg、クルマの電動化のエネルギー源となる水素は(200気圧)で165wh/kg、鉛電池で35wh/kg、ニッケル水素電池で70wh/kg、リチウムイオン電池で150wh/kgであり、原子力用のウラン燃料を除けば格段にエネルギー密度が優れていることがわかる。

また、ここでガソリンと比較した各種の電池類は、作られた電気で充電され、それをエネルギーとして使う2次エネルギーであるという宿命を持っているわけだ。また、電気自体も燃焼による発電や送電といったロスを含むと、エネルギー効率は30%と言われており、その低いエネルギー効率で作られた電気で充電し、そこから初めて電池はエネルギーを発揮しているわけだ。

現在の内燃エンジンは、もはや枯れた技術といわれるが、きわめてエネルギー密度が高い燃料を使用している点で、様々な動力源の中でも依然として優位に立っているわけで、バッテリー搭載の電気自動車が主役に躍り出ることができない理由なのだ。

石油は枯れるのか?

石油は地中にある資源で、有限であり、現在のような使用を続ければまもなく枯渇する、という説は1960年台から叫ばれ、1970年台には30年後に枯渇すると言われていた。しかし正確に言えば地中のすべての埋蔵量は現時点では測定不可能なため、現在の技術と価格の条件で採掘可能な資源量を可採石油埋蔵量と呼んでいる。つまり、コストと技術が上がれば、採掘できていないで眠っている原油が多くあり、採掘が可能になったとすれば、可採石油埋蔵量は増大するということだ。

しかし、現在の技術革新による新規油田の発見や採掘技術の進歩、原油価格の上昇などによる採算性の向上などから、最近の可採年数(埋蔵量)は50年~60年と言われている。ただし、この可採年数は技術の進歩や原油価格の上下によって変動する試算値で、石油が枯渇する年数という意味ではない。

石油採掘の技術革新としてはGPSの活用、三次元地震探査システム、水平掘削技術の採用、水圧破砕法の開発によるシェールオイル/ガス採掘、深海洋石油開発システムの開発などが挙げられる。アメリカにおいては、水平掘削技術と水圧破砕法により産出されるシェールガスがエネルギー需要の20%をまかなうまでに達しており、OPEC(石油輸出国機構)を抑制する戦略的な役割も担っている。


可採年数(埋蔵量)は、原油価格に大きく左右される。

原油価格が安い時代は、直立した採掘井戸で地中から原油を汲み出す低コストな原油しか採掘されず、埋蔵量は減少する。しかし現実は、この低コストの採掘技術を使う中東やロシアの原油が埋蔵量として語られ、可採年数は中東地域やロシアの埋蔵量に限定されているわけだ。

しかし、原油価格が1バーレル当たり100ドルを超えるような高価格になると、最新技術での採掘が可能になり、従来では採算が合わなかった場所からの石油採掘ができることで、計算される埋蔵量は大幅に増大するということになる。


石油の需要

世界の石油需要は、中国、アジア、その他新興国が経済成長により需要が拡大し、予測としては2017年から2023年までで世界規模での需要は約7%増加すると見られている。これに対して供給面では、非OPEC諸国への供給は2023年には約9%増加するため、需給関係のバランスは維持されると考えられている。


一方最近の原油価格は、2017年には1バレルあたり40~50ドルと低水準が続いたが、中東問題が依然として行方が見えず、さらにOPEC諸国が減産の維持を発表し、高値傾向に転じた。また2018年に入るとアメリカがイランと対立し、経済制裁に転じたため、さらに高値要因を抱えることになっている。


グローバルで見た石油の需給関係では、アジア諸国や中東を中心とする発展途上国の需給が増加傾向にあり、特に中国、インド、中東の需要が拡大し、2035年には中国が世界最大の石油消費国となる。また、2025年頃から需要の伸び率はインドが最大になるとされているのだ。一方、アメリカはシェールオイル生産量の増加を受け、2020年代後半には石油の純輸出国になり、OPEC諸国に対して大きな対抗力を持つことになる。


日本では2016年度で、6年連続で総エネルギー消費量が低減しており、石油の需要も比例して低下している。電力エネルギー、天然ガスは微増しており、火力発電用としては天然ガスと石炭が主流だ。2016年時点では国内の発電用のエネルギー源としては石炭が29%、天然ガスが45.2%を占め、再生可能エネルギーが18%で、石油がわずか6.1%だ。


日本は原油をほぼ全て輸入しており2017年度は前年比-3%となっている。輸入先はサウジアラビア(全輸入量の39.4%)、アラブ首長国連邦(同24.8%)、カタール(7.6%)などで、上位2ヵ国で全輸入量のおよそ6割を占めている。言い換えれば、この地域で紛争が勃発した場合、日本は多大な影響を被ることは明らかで、地政的なリスクを抱えているのが現状である。

また日本の2017年度の石油需要は原油から加工・精製された燃料油の合計で前年度比1.2%減となった。灯油は前年度比2.4%増、通年で物流需要があった軽油は前年度比1.5%と増加したが、ガソリンは前年度比1.3%減、ジェット燃料油は前年度比5.2%減、A重油は前年度比4.0%減、B、C重油は大きく減少し、前年度比15.1%減となっている。石油需要は経済活動と連結しているので、少子高齢化、製造業の製造工場の海外移転などが進む日本の現状を考えると石油需要の低減はやむを得ないというほかはない。


深刻なガソリンスタンド数の減少

日本の石油需要は1995年~2000年頃をピークに、低減傾向に転じており、この傾向は今後も続くと予想されている。またガソリンの需要は2005年頃から下降を開始している。これと連動して、国内のガソリン補給インフラであるガソリンスタンド数が減少している問題は深刻だ。

国内のガソリン販売量は、人口減少、クルマの燃費向上など構造的要因により、減少の傾向が続いている。さらに、今後は電気自動車やプラグインハイブリッド、燃料電池自動車(FCV)などの次世代自動車の増加も見込まれ、ガソリンスタンド経営の展望は明るくない。

ガソリンスタンドは、規制緩和により1998年4月に有人セルフ方式が導入されて以来、フルサービスを行なうスタンドに比べて効率的なためセルフ式スタンドが増加し、2017年度末には9928ヵ所となり、ガソリンスタンド全体に占める普及率は約32%になっている。最近では、元売・特約店・販売店が独自にセルフ化に取り組んでいる一方で、販売量の減少が止まらず、セルフ式スタンドであっても閉鎖される店舗も現れ始めセルフ式スタンドが増加するとはいえなくなっている。


こうした環境変化に対処するため、元売会社、販売業界が一体となって、ガソリンスタンドの付加価値販売の強化と経営の効率化を推進しており、石油各社では、SSにおける新サービスとしてコンビニエンスストアや他業種の併設店舗の設置、カーリースの取り扱いなどを始めている。だが、ガソリンスタンド数の低減の歯止めとはなっていないのが実情だ。

ガソリンスタンド数のピークは1994年度末で6万ヶ所、2000年には全国でガソリンスタンドは5万3000ヶ所となり、2017年末の時点では3万ヶ所まで減少しているのだ。この結果、ガソリンスタンド過疎地が増大するという問題が浮上してくる。

生活圏内のガソリンスタンドが少なくなることで、特に寒冷地で生活必需品となっている灯油や、農林業用車両の燃料の供給が難しくなっている地域が増加しており、17年度末には市町村内のガソリンスタンド数が3ヵ所以下の過疎地は312市町村となり、2017年度末から10市町村増加している。地域内でガソリンスタンドが存在しない市町村は2017年で10ヶ所あり、今後はさらに増加すると予想されている。


もちろん都市部でも市街地のガソリンスタンドがなくなり、主要な街道部にガソリンスタンドが集まり、かつてのように、どの地域でも不安なく給油できるような状態はもはや期待できなくなっている。

ガソリン車やディーゼル車など内燃エンジン車の時代はまだまだ長く続くことは明らかだが、原料となる石油事情はグローバルレベルでの影響を受けやすく、日本国内ではガソリンスタンドという大きなインフラが揺らぎつつある現状なども考えると、政府レベルでの抜本的な政策が求められる時代になってきている。
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