■バイク死亡事故原因1位の頭部損傷を防ぐヘルメット
万が一の事故の時、衝撃を吸収して頭部を守ってくれるオートバイ用ヘルメット。警視庁による令和元年の「二輪車の交通死亡事故統計」では、二輪車乗車中死者の損傷主部位は過去5年で頭部が原因の1位で48.2%と圧倒的に多くなっています。
まさか常識!?ライダーなら知っておきたいバイクのハンドサイン
ヘルメットはただ着用すればいいワケではありません。「二輪車乗車中死者におけるヘルメット脱落状況」では、平成29年から令和元年までの3年間のヘルメット脱落割合は40%となっています。事故の衝撃によってヘルメットが脱落してしまうケースが多くあるのです。
万が一の事故でのヘルメット脱落を防ぐ、頭部を守るには、「あごひも」をきちんと結束して正しく着用すること、そして、自分に合ったサイズ選びをすることが大切です。
今回は二輪専門誌やYouTubeなどで活躍するクリエイターの小野寺淳さんがヘルメットのフィッティングを体験。普段は一般的なLサイズを着用しているそうですが、長い時間被っていると頭痛がすることがあり、場合によってはXLを使用することも多いそうです。
そこでヘルメットの正しいサイズ選びを学ぶため、日本のトップブランド「アライヘルメット」の上幸一さんに極意を聞いてみました!
■ヘルメット選びにおける正しい頭のサイズの測り方とは?
「ヘルメットは自分の頭に合ったサイズを選び、正しくかぶることで、本来の機能を発揮することができるんです。ユルいと走行中にブレてしまったりするし、逆にキツい場合は長時間被っていると痛みを感じることもあります」
ヘルメットは正しく着用することが必要と語る上さん。実は意外とヘルメットを正しく被れていない人も多いそうです。
「最近の若い人はキツめのヘルメットを嫌がって、大きめのサイズを選ぶ人が多いようです。深く被りすぎている人が目立っています。おでこが出過ぎているのもよくありません。ちょうどよい位置はまゆが見えるくらいが目安になります。被ったら前後左右に頭を振ってみて、ブレないことを確認しましょう」
ブレたり、痛みを感じるならば、ヘルメットのサイズが合っていない場合があります。まずは自分のサイズを正しく計測することが大切です。サイズの設定や表記にはメーカーによって違いがあります。アライヘルメットの場合、頭部の外周(頭囲)によって表記。小・中・大の3つの帽体があり、小の帽体は53-54cm(XS)と55-56cm(S)、中は57-58cm(M)と59-60cm(L)、大は61-62cm(XL)を採用。標準で5サイズを展開しています。
「おでこ、側頭部、後頭部のいちばん高い位置を直線で結ぶようにメジャーを一周させて測ります。おでこの一番高い位置の目安は、一般的にまゆの1cm上くらい。少しキツめとユルめで測ってみましょう」
ポイントは頭の外周で一番広くなる部分を計測すること。小野寺さんの頭囲はピッタリめで59cm、少しゆとりを持たせて59.5cmなので、頭囲だけを測った場合は59-60(L)サイズになります。
「頭のカタチには人それぞれ違いがあるので、頭囲だけでは一概に決定することはできません。頭の横長(左右幅)と縦長(前後幅)も計測してみましょう」
横長は正面からみて左右の一番高い部分を計測。前後もおでこと後頭部の一番高くなっている部分を測ります。すると、小野寺さんは一般的な日本人男性より、横長が狭く縦長があることがわかりました。
「この場合、縦長にサイズを合わせるのが一般的です。59-60(L)と61-62cm(XL)を実際に被り比べていただいて、自分がより心地よく感じる方を選んでいただくとよいと思います」
■メーカーのフィッティング・カスタマイズサービスでさらにフィット感を追求!
自分の頭のサイズを正しく測ってメーカーのサイズ表と照らし合わせることで、自分に合ったヘルメットを見つけやすくなりますが、既製品のままではフィットしにくい場合もあります。
「アライヘルメットの場合は、『アライテクニカルプロショップ』認定制度があり、ヘルメット内装のフィッティング、カスタマイズサービスや部品の修理交換などのサービスが受けられます」
アライテクニカルプロショップは、アライヘルメット講習会及びアライヘルメット特別技術講習を受講終了した専門ショップ。プロショップでヘルメットを購入すると、ブランドに特化したより専門的なサービスを受けることができるのです。
「内装やパッドの厚みなど、インナーのカスタマイズでサイズ調整をすることができます。一般的に大きめの帽体の方が調整幅があるので、ゆとりがあり、快適性を追求しやすくなります。一方でサーキットなどでのスポーツ走行をメインに考えている場合は、キツめ方が頭の動きに追従しやすく、ブレにくくなります。小さい帽体にしたり内装を厚くするなどしてフィット感を高めるのです。どちらも安全性と使い心地のバランスを取りながら調整することが大切です」
快適性を求めるか、運動性を求めるかはライダーの好み次第。プロショップならサイズの測定から、個人の頭のカタチに応じた細やかな調整が可能です。また、メガネ使用者にはフレームに合わせて内装を調整してくれるサービスも! それぞれのライフスタイルに合わせたより良い選択ができるのです。
また、プロショップでは、普通ならばメーカー修理となってしまう部品の修理交換にも対応。バイク用ヘルメットの使用期限はSGマーク(製品安全協会による安全基準認証)の有効期限を目安に、ヘルメット着用開始から3年といわれています。長く使い続けると、劣化により本来の性能を発揮できなくなってしまう場合もあるので、プロショップへ相談することをオススメします。正しいサイズ、正しい着用方法、使用期限などを考慮し、安全かつ快適なバイクライフを目指しましょう!
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みんなのコメント
まあ、ちゃんとかぶってないヤツはそもそも安全軽視だろうから、運転もいい加減ってことだろうね。
半キャップなんかも含めたデータだろうから、ほとんどがそっちなんだろうけど、
ゆるゆるのフルフェイスってのも実際目にするしなぁ。
でも、ずいぶん高くなりましたね。
命を守るためとは言え、3年毎の交換はキツイ。