もくじ
ー シビック・タイプR コースでの印象は
ー ゴルフGTI TCRの走り、雲行き怪しく
ー 僅差だが明確な勝敗に 今回の勝者は?
シビック・タイプR コースでの印象は
わたしの左にあるホンダ・シビック・タイプRは、AUTOCARお気に入りの大きめなホットハッチだ。
しかしフォルクスワーゲンが発売したゴルフ・クラブスポーツSも本当に素晴らしいクルマであった。先日TCRという新たな限定車が登場した。
これはツーリングカーレースに由来する。そこで今回はシビックと比較してみよう。ゴルフTCRはそのパワーをGTIパフォーマンスは245psから290psまで引き上げられている。7速DSGを介して前輪を駆動し、マニュアルは用意されていない。
しかし電子制御のLSDが標準装備だ。側面のグラフィックス・パックは500ポンド(6万8000円)のオプションだが、あえて選ぶ必要はないだろう。
標準装備の18インチのホイールが装着されているが、パフォーマンス・パックを選べばホイールは19インチになり、車高が20mm低められる。ミシュランのカップ2タイヤもオプションで用意されるが、この個体にはいずれも装着されていない。
ゴルフについては後ほどお伝えするが、まずはシビックだ。わたしの同僚たちは皆星4.5個を与え、モダンなホットハッチの王者と評価している。
わたしは彼らほどこのクルマに惚れ込んではいないが、非常に感銘を受けたクルマだ。強烈な興奮や100%の走りがいはないものの、素晴らしく速く非常に有能だ。モダンで良く走るホットハッチと言える。
大型のタービンを搭載する2ℓエンジンは320psを発生し、そのモードもコンフォートからスポーツや+Rまでが用意される。おそらくこれはタイプRモードということだろう。
これによりダンパーが引き締まり、エンジンレスポンスやステアリングの重さも変わる。+Rモードではステアリングは非常に重い。エンジンはオーバースクエアで非常によく回る。
ターボエンジンゆえ低回転から太いトルクが得られるが、ホンダらしい高回転型ユニットで7000rpmまで回す価値がある。その加速は非常に鋭く、ボディコントロールは正確でターンインは鋭く路面に食いつく。
しかしその感覚はホットハッチにしてはスーパーサルーン的だ。前後の荷重を良く受け止めているが、コーナー中盤でのアジャスタビリティはそれほど高くない。
コーナーに進入してアクセルを抜けば徐々に内側に入って行くが、インに飛び込むような鋭さはない。ルノー・メガーヌ、フォード・フィエスタST、フォーカスSTなどとは違うのだ。
フロントにはLSDが装着され非常に良くパワーを伝えるが、若干のトルクステアも感じる。40.8kg-mものトルクに加え、LSD付き前輪駆動という条件は気を抜けばステアリングの破綻を招くだろう。
ステアリングは重く曖昧さはわずかだが、路面のフィーリングがどれほど正確かはわからない。しかしわたしにはとてもエキサイティングで驚くほど速くブレーキも素晴らしく思える。
公道でもサーキットでも速く走るために作られたクルマだ。そこで実際にタイムを計測してみよう。このランダウ・サーキットは短くコーナーも5つしかないコースだ。
シビックはFFのロードカーとしては最速で、この小さなランダウ・サーキットで46.6秒という記録を出した。バックストレートでは170km/hに達し、最速のコーナーでのエイペックス通過速度は91.4km/hという結果だ。
次はゴルフだ。
ゴルフGTI TCRの走り、雲行き怪しく
ゴルフGTIとは長時間をともにしているが、わたしはこのクルマが大好きだ。走りたい気分のときは楽しく、多くのみなさんのように毎日の移動に使うには乗り心地も良く、ステアリングも扱いやすい。そのうえレスポンスも良好だ。
それほどホットでないホットハッチとも言えるが、それで良いのだ。フォルクスワーゲンはGTIのそこを変え、TCRにふさわしくしたのである。これはもちろんレースのカテゴリーとしてのTCRツーリングカー・レーシングに由来する。
わたしと同年代のひとならTCRといえば、トータル・コントロール・レーシングというおもちゃだろう。若いひとはグーグルやユーチューブで検索してみよう。スロットカーの一種だがレーンチェンジもできるのだ。
スケーレックストリックは交差点以外1レーンでしたがTCRはレーンチェンジが可能であったが、その仕組みについてはよくわからない。
さてこのゴルフはTCRのバッジに見合うクルマなのだろうか。サスペンションには手が加えられているが、クラブスポーツSのそれとは異なっている。
クラブスポーツSはニュルブルクリンクでのラップタイムを念頭においたクルマである一方、このクルマは公道向けにチューンされている。
しかし今回の舞台はサーキットだ。そこで現在は最も過激なスポーツモードを選択している。インディビジュアルモードにすればスプリングを硬くステアリングを軽くなんてことも可能だ。
ボディロールはやや大きく、スキール音の発生も早めで、アンダーステアも感じる。ボディに寄りかかり跳ね返るような動きもありコーナーでのボディコントロールもやや劣る。
しかしステアリングは良好で、エンジンにも問題はない。この2ℓターボの290psという出力はゴルフには十分だが、クラブスポーツSより低く、シビックにも30psほどの差をつけられている。
直線ではその差を実感し、シビックの方が常に速く感じる。そしてターンインはシビックの方が鋭い。ゴルフでアグレッシブに走るとフロントが逃げがちだ。このようなコースではやや不利だろう。
僅差だが明確な勝敗に 今回の勝者は?
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フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRのタイムは48.6秒となった。これはシビックより2秒遅れをとっている。
直線でのパワー差も理由のひとつであり、ピーク速度は167km/hで3km/hほど劣る。エイペックス通過速度は88.2km/hでこちらも3km/hほどの差だ。コース全体を通してゴルフの方が遅いということだ。
重要な違いはボディコントロールのしやすさ差であり直線での加速はそれほど大きな問題ではない。シビックより大幅につまらないわけではないが、少なくともサーキットでは明らかな差がある。TCRのバッジをつけるからにはなおさらだ。
振る舞いはゴルフGTIにふさわしく、素晴らしいクルマだ。しかしレース由来のバッジをつけ、さらに高価な値段をつけるのであればもう少しエキサイティングでハードコアでも良いのではないか。
今日のサーキットにおけるツインテストでは、ホンダの勝ちだ。
今回の比較テストをお楽しみいただけたら、新車レビューや比較テスト、ドラッグレースなど他の動画もご覧いただきたい。チャンネル登録といいねをして、通知をオンにしていただければ見逃すことがなくなるだろう。次回の動画もお楽しみに。
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