シボレーは、今年でちょうど70年となるコルベットについて、パワフルな6.2リッターV8エンジンと電動システムを組みあわせた史上初の電動AWDモデル「コルベット E-Ray」を2024年型モデルとして導入することを発表した。
ただし、日本導入時期は未定となっている。
ベントレーが今後10年で25億ポンドを投資、2025年から5年間で電気自動車を5車種発売へ
0-60mphを2.5秒、1/4マイルを10.5秒で駆け抜ける史上最速のコルベット量産車
GMのマーク・ロイス社長は、今回の発表について以下のように述べている。
「1953年に熱狂的な反響を呼んだ『シボレー コルベット』のコンセプトは、その後70年にわたるパッション、パフォーマンス、そしてアメリカらしい創造力の幕開けとなりました。コルベット初の電動AWDの『E-Ray』は、さらに一歩進んで、コルベットが何を提供できるか、その可能性を広げます」
新型「E-Ray」は、ルーフを取り外せるクーペとハードトップコンバーチブルの2モデルで、どこにでも、どんな季節でも安心して目的地に到着できるコルベットを目指して開発された。AWDならではの力強い直進性、全天候型の信頼性、グランドツーリングとしての高い性能バランスを実現し、電動化によってドライビングエクスペリエンスをさらに向上した。
また「E-Ray」は、V型8気筒の自然吸気エンジンのパワーと電動化されたAWDによる鋭敏なレスポンスを提供する2つのシステムを組み合わせた唯一のスポーツカーであり、他に類を見ない存在。
またシボレーのグローバル・バイスプレジデントのスコット・ベル氏は、次のように話す。
「コルベットは1953年以来、シボレーの栄光の象徴です。『E-Ray』は過去に例のない信頼とラグジュアリーなパフォーマンス、洗練性とスタイルが融合したモデルで、より多くの方々にコルベットを体験していただく新たなきっかけを提供します」
「E-Ray」は、0-60mphを2.5秒、1/4マイルを10.5秒で駆け抜ける、史上最速のコルベット量産車となる。
さらにコルベットのチーフエンジニアであるタッジ・ジェクター氏も、以下のようにコメントしている。
「コルベットは舗装されていない道やサーキットでも、爽快なドライビングエクスペリエンスを実現しなければなりませんが、『E-Ray』はそれを可能にしています。電動化技術は、あらゆる状況下でのコントロール感を高め、想像以上の安定した走りを可能にします」
低速トルクからの素早い瞬発力は、コルベットのドライビングエクスペリエンスの中核であり、「E-Ray」にも十分備わっています。6.2リッター LT2スモールブロックV8エンジンで発生した495馬力と470lb.ftのトルクをリアアクスルに伝達し、さらに、シート間のフロアトンネルに設置された電気モーターが1.9kWhのバッテリーパックを介して、前輪に160馬力と125lb.ftのトルクを供給。「E-Ray」は、電気モーターとスモールブロックV8エンジンの両方から合計で最高出力655馬力を発揮する。
路面状況を検知してシームレスに反応する独自のインテリジェント電動AWDシステム
「E-Ray」のインテリジェント電動AWDシステムは、常に路面状況を検知し、トラクションの状態やドライバーのニーズに合わせてシームレスに反応。トラクションの低い路面や急発進の際には、前輪に駆動力を供給し、車両の安定性を高める。
なお、「E-Ray」のバッテリーシステムには、プラグイン充電の必要がない。バッテリーは、通常走行時だけでなく、惰性走行や制動時の回生エネルギーによって充電される。
新型「E-Ray」のその他の機能とテクノロジーは以下のとおりとなる。
●街乗り用の電気駆動モードであるステルスモード。最高速度は45mph(約72km/h)
●LT2 V8エンジンのストップ/スタート機能をサポートする新型の軽量リチウムイオン12Vバッテリー
●最適なブレーキ性能を実現するブレンボ社製カーボンセラミックブレーキシステムを標準装備
●3種類のサスペンション設定が可能なマグネティックライドコントロール4.0を標準装備
●20インチと21インチのスタッガードホイールにミシュラン・パイロット・スポーツ・オールシーズンタイヤを装着。ミシュラン・パイロット・スポーツ4S サマータイヤは、オプションのパフォーマンス・パッケージで選択可能
●現行「コルベット」より3.6インチワイドな低くワイドなスタンスのボディスタイリング
●「E-Ray」の圧倒的な存在感を具現化する臨場感溢れるサウンド体験。電動フロントモーターとLT2エンジンが奏でる爽快な音響
●レーンキープアシスト(レーンディパーチャーウォーニング付き)、フォワードコリジョンアラート、オートマチックエマージェンシーブレーキングなどのドライバーアシストテクノロジーを強化(2024年型コルベット全モデルに共通)
電動化された駆動システムにより力強い加速を実現
2024年型「E-Ray」は、駆動装置を電動化することで、コーナーの立ち上がりでの力強い加速を実現し、スムーズな追い越し操作が可能になった。また、発進時には電気のみで走ることも可能となっている。さらに標準搭載のアクティブ・フューエル・マネジメント・システムは、さまざまな運転状況で電気モーターを活用して4気筒での走行も可能。
「E-Ray」の電動アシストは、「ツアー」「スポーツ」「トラック」「ウェザー」「マイモード」「Zモード」の6つのモードを選択できる。また、バッテリーの充電状況を最大限に高める「Charge+」機能を選ぶことも可能となっている。
インフォテイメントシステムに搭載されたE-Rayパフォーマンスアプリは、ドライバーに推進システムの動作に関する技術情報を提供。
主な表示レイアウトは以下の3つとなる。
●ゲージ(電気モーターとV8エンジンの動的出力表示)
●ダイノ(選択可能な時間間隔でのパワー/トルクのグラフ表示)
●データ(電気システムの性能と効率性を表示)
なお、フロントアクスル上に搭載された「E-Ray」の電気モーターはコンパクトに設計されているため、フロントトランクのスペースを確保することができた。
ステルスモードとE-Rayのトラッキング機能について
「E-Ray」は、ドライバーが選択できる2つの電気モードを搭載。特定の状況下では電気のみで走行でき、電気モーターはサーキットでの走行性能も最適化する。
発進時に「ステルスモード」を選択すると、通常走行のためにエンジンが始動するまでの間、電気モーターのみで走ることが可能となる。これは自宅周辺を静かに走行するためのモードで、最高速度は45mph(約72km/h)。上限速度を超えたり、アクセルを踏み込んだり、バッテリー電力が低下した場合は、自動的にエンジンが作動する。
そして、サーキットでのパフォーマンス向上のために電動駆動システムを活用する場合は、必要に応じて「E-Ray」の電動AWD制御システムがフロントアクスルにトルクを加える。また、「Charge+」機能は、バッテリーの充電状況を最大限に高め、長時間のラップ走行を可能にする。
さらにカスタム設計されたパフォーマンス・トラクション・マネジメント(PTM)モードは、電動AWD駆動システムと協調して最適化されている。
躍動感のあるスタイルとパフォーマンスを重視したデザイン
「E-Ray」のエクステリアは、コルベットのユーザーに親しまれている洗練された躍動感のあるスタイルとパフォーマンスを重視してデザインされている。
その外観は、一目見て「Z06」と共通とわかる力強いワイドボディのプロポーションで、大径ホイールが高トルクの伝達に寄与。軽量アルミホイールは、「E-Ray」専用の5スポークのツイストスターデザインとなっている。
グローバルシボレー・エグゼクティブ・デザインディレクターのフィル・ザック氏は、以下のように述べている。
「『E-Ray』のようなコルベットは、これまで存在しませんでした。洗練されたデザインがそのことを物語っています。それは『E-Ray』のエキゾチックなプロポーションを印象づけるボディのカラートリムから始まります。インテリアは、洗練された雰囲気やダイナミックなスポーツ感を演出するカラーを選ぶことで、お客様一人ひとりの個性を反映させることができます」
「E-Ray」のデザインのハイライトは以下のとおり。
●4種類のアルミホイール仕上げ
●2024年型の新色、リップタイドブルー、シーウルフグレー、キャクタイを含む14色のボディカラー
●エレクトリックブルーの「E-Ray」専用ボディレングス・ストライプ・パッケージ
●標準装備のカーボンフラッシュバッジ
●ブラックカラーのエグゾーストチップとブライトバッジを装着可能
●カーボンファイバー製のグラウンドエフェクトを装着可能
●オプション設定のカーボンファイバー製ホイール(カーボンフラッシュ、ビジブルカーボンファイバーフィニッシュ、レッドストライプ入りビジブルカーボンファイバー)
さらに「E-Ray」は、新しいアルテミスディップドインテリアも採用。これは内装の仕上げの大部分に深いグリーンの色調を補完的に配色したもので、2024年型「コルベット」のみに導入される。インテリアは、2種類のカーボンファイバー・トリムパッケージ、3種類のシート、7色のインテリアカラーなど、複数のオプションから選ぶことができ、パーソナライズが可能となっている。
またコンソールには、「Charge+」と「Stop/Start」のボタンを追加し、インフォテイメントシステムとインストルメントクラスターを刷新して、より一体感のある外観を実現した。
2024年型「E-Ray」は2023年に発売され希望小売価格は、1LZクーペが104,295ドル、1LZコンバーチブルモデルは111,295ドル。米国およびグローバルに調達した部品でケンタッキー州のGMのボウリンググリーン組立工場で生産される予定。
なお、前述したように「E-Ray」の日本導入時期は未定となっている。
関連情報:https://www.chevroletjapan.com/
構成/土屋嘉久
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