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トヨタ新型SUV「bZ4X」日本仕様公開! スバルと共同開発も「トヨタらしさ」健在か 斬新ハンドル採用で2022年年央発売

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トヨタ新型SUV「bZ4X」日本仕様公開! スバルと共同開発も「トヨタらしさ」健在か 斬新ハンドル採用で2022年年央発売

■スバルと共同開発のトヨタ新型EV「bZ4X」 トヨタらしさはどこに?

 2021年10月29日、トヨタは、新たな電気自動車(EV)の「bZシリーズ」第一弾となるSUVの新型「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」の詳細情報を公開しました。
 
 電動化が加速するなかで、トヨタのbZシリーズとはどのような特徴をもつEVなのでしょうか。

トヨタが165万円のEVを発売! これは買える! 使える!

 トヨタは、1997年に世界初の量産ハイブリッド車(HV)となる初代「プリウス」を発売して以降、HV/PHEV/EV/FCVという電動車のフルラインナップ化を推し進め、さまざまな選択肢を展開しています。

 2020年末時点では、乗用車・商用車合わせてHV45車種・PHEV4車種・EV4車種・FCV2車種の計55車種の電動車をラインナップ。

 また、今後の電動車フルラインナップ化の一環として2025年までにEV15車種を導入する計画を推進中となり、そのなかの新シリーズとしてbZシリーズを7車種導入する計画です。

 bZシリーズは、中国・米国・欧州・日本など、EVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域で、多くのユーザーに受け入れられることを目指しています。

 第一弾となる新型bZ4Xは、EV専用プラットフォーム「e-TNGA」をスバルと共同開発し、低重心・高剛性化したミディアムセグメントSUVです。

 デザインは、「Hi-Tech and Emotion」をテーマに、EVの先進感やSUVらしい力強さを両立したスタイリングを表現しています。

 フロント部分では、従来車のラジエータを象徴したセンター強調のテーマと異なる、空力アイテムが織り込まれたコーナー部と、上下に薄いバンパー形状によりEVの独自性を表現。

 リア部分は、コンビネーションランプ、バックドア、バンパーをタイヤへ向かう台形のテーマとし、低重心で力強いスタンスを実現しています。

 インテリアは、EV専用プラットフォームによる、ひとクラス上の広い室内空間として、Dセグメントセダン並みのタンデムディスタンス(前後シート間距離)1000mmを確保。

 運転席は、ステアリングホイールの上側を通してメーターが見えるように配置したトヨタ初のトップマウントメーターを採用することで、視線移動を少なく遠視点化し、見やすさを重視しました。

 また、ステアリングコラムを含めた運転操作系を操作しやすいようモジュール化、手元からメーターの視線誘導を促す羽衣のような形状を採用しています。

 なお、ステアリングには2種類のタイプを設定しており、ひとつはステアバイワイヤシステムと異形ステアリングを組み合わせたトヨタ初のワンモーショングリップ。もうひとつは、従来車と同様の丸形ステアリングです。

 ステアバイワイヤシステムを採用することで、ステアリングの回転角度を持ち替え不要な約+-150度に設定し、Uターンや車庫入れ、ワインディングロード走行時などでドライバーの負荷を大きく低減します。

 トヨタによると「ステアバイワイヤシステムは、まず中国市場向けとし、その後はその他市場向けに。2022年の発売以降に順次装着車を設定します。なお基本的には、同じ市場にふたつのステアリングを設定します」と話しています。

 足元の広さも、前後ともミディアムセグメントSUVクラストップレベルを誇ります。

 また、低い位置のインストルメントパネル、大開口パノラマルーフ(装着車を設定)により解放感を創出したほか、落ち着いた室内を演出するファブリック張りのインストルメントパネルを採用。

 マルチメディアシステムとしては、クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビを採用しています。

 また、通常のナビゲーション機能に加え、移動支援、充電施設表示、航続、可能エリア表示などEV専用の機能にも対応。

 安全面では、最新の「Toyota Safety Sense」の機能として、ミリ波レーダーおよび単眼カメラの検知範囲拡大により、各機能の性能向上や一般道での支援をおこなう新機能を追加。

 そのほか、高度運転支援技術「アドバンスト パーク(リモート機能付き)」を採用しています。

 bZシリーズならび新型bZ4Xについて、トヨタZEVファクトリー・チーフエンジニアの豊島浩二氏は次のように説明しています。

「bZシリーズでは、『人中心の考え方』に基づき開発しています。地球環境問題の解決に向けたゼロエミッション車での貢献に加えて、移動やドライビングをより楽しくスムーズにすることでお客さまにゼロを超えた新たな価値を創出します。

 これまでトヨタは、1997年にプリウスを出して以降、電池や制御の安全性のノウハウを貯めて、HV、PHEV、FCV、EVを展開してきました。

 実際に、日本では『プリウスPHV』、中国では『C-HR』などでEVを出したほか、最近では歩行領域でのEVも登場しています。

 このように電動化戦略を展開していますが、まだ、EVなどクルマ単体ではビヨンドゼロに至っていません。

 そのためクルマだけではなく、社会、エネルギーを一緒にやっていくために、bZシリーズを展開しました。

 bz4xの名前の由来は、『bZ』はビヨンド・ゼロ(ゼロを超えて)という意味ですが、『4』はサイズ、『X』は形を表しており、bZ4Xは中心に位置するモデルです。

 今後は複数のボディタイプを設定したさまざまなEVが登場します。

 bZ4Xは個で戦うのではなく、bZシリーズとしてチームで戦っていくことで、カーボンニュートラル社会の実現を目指していきます」

 また他社のEVとの差別化ならびトヨタらしさという部分において、トヨタZEVファクトリー・主査の井戸大介氏は次のように述べています。

「差別化という意味では、とくに意識しておらず、ユーザーに寄り添うクルマを作るのが目的です。

 トヨタらしさとしては、長年電動車を作ってきたこともあり、いたずらに航続距離を伸ばすことや、価格を上げることなく、これまでのノウハウを生かしたEVを提供するがトヨタらしさだと思います。

 また、トヨタは電池も作っているため、電池の寿命を伸ばすことで、長く使ってほしいという想いもあり、電池を作るのもカーボンニュートラルの課題です。

 そういう意味でも、トヨタは他社と違い長年の電動車生産の責任をもっています」

■bZ4xの日本仕様スペックを初公開! 気になる価格はどうなるのか

 新型bZ4Xでは、低重心化、高剛性化を推進するため、薄型大容量電池パックを床下・平置きで配置。

 さらにモーター、トランスアクスル、インバーターを一体化したe-Axleをトヨタとして初めて採用しました。

 また、充電機能と電力分配機能を集約したElectricity Supply Unit(ESU)もトヨタ初の採用です。

 新型bZ4Xのモーター駆動の特性を活かした走りとしては、素早いレスポンス、リニアな加速感、高精度な出力制御(加減速のコントロールとドライバーのペダル操作の軽減、滑りやすい路面のスリップ抑制制御など)をおこなっています。

 また、前後モーターの独立制御(AWD車)による、回頭性や操縦安定性の向上や、スバルのAWD技術「X-MODE」を採用(AWD車、トヨタ初)。

 さらに、X-MODEの新たな機能として「Grip-Control」を搭載し、モーター駆動の特性を活かすことで、日常ユースからライトオフロード以上の走行まで対応します。

 今回、新型bZ4Xの細かな仕様に関しても明らかになっています。

 EV普及の課題とされているのが航続距離や充電時間、インフラなどです。

 そのなかで、新型bZ4Xは、走行時の省エネ性能向上と実用上(とくに冬場の)航続距離の確保をするため、空力性能の追求、ボディ・ユニットの軽量化を実現。

 さらに、走行以外の消費エネルギーによる消費電力を減らすために、ヒートポンプ式エアコンをはじめシートヒーター、ステアリングヒーター、前席乗員足元の輻射ヒーターを採用しています。

 また、充電時間に関しては、世界各地域の高出力充電に対応するべくDC急速充電では150kWにすることで30分で充電量80%まで充電可能です。

 そのほか、日本仕様ではアウトドアや災害時などの緊急時に、給電器を接続し、大出力の電力を住宅や家電に供給可能なDC外部給電機能(V2H/V2L)を搭載。

 これにより、家庭用太陽光発電と併用し、日中は太陽光発電で家に電気を供給、余剰電力は給電器を通じて車両を充電、また夜間は車両にためた電気を自宅用の電力として使うことも可能です。

 そのほか、「ルーフソーラーパネル」を設定。これは、1年間で走行距離1800km(社内試算値)に相当する発電量を生成し、優れた航続可能距離に貢献します。

 充電スタンドがない駐車場などでも充電可能なほか、災害時など緊急時でも、太陽光による充電が可能です。

 また、トヨタでは近年問題視される電池の火災などの対策も実施しています。

 これは、電池不具合を「防止する」「兆候から検知する」対策の強化と、新技術の導入により、万が一の状況に対して安心・安全を確保する設計・多重監視システムを採用しました。

 実際には、セルの異常発熱の原因となる異物が混入したとしても異常発熱しない設計をした上で異物混入を排除する製造プロセスを徹底すること。

 また、電池の電圧・電流・温度を多重で監視。異常発熱の兆候を検知し、発熱を防止などが挙げられます。

※ ※ ※

 日本でも2022年年央に発売が予定されますが、価格について現時点では明らかにされていません。

 しかし、bZシリーズの価格面に関するヒントとして前出の豊島氏は次のように述べています。

「プリウスの経験から『電動車=価格が高い』というイメージを持たれているのは理解しています。

 プリウスでは、バッテリーのコストを下げる活動おこなってきたことで、現行の4代目プリウスでは当初より1/6ほどまで下がっています。

 そのため、bZシリーズでもコストを段階的に下げていくことは考えています」

 ●新型bZ4X(日本仕様)の諸元表

 【ボディサイズ(パッケージ)】
 ・全長:4690mm
 ・全幅:1860mm
 ・全高:1650mm(アンテナ)
 ・ホイールベース:2850mm
 ・室内長:1940mm
 ・室内幅:1515mm
 ・室内高:1145mm-1160mm
 ・車両重量:1920kg~2005kg
 ・最小回転半径:5.7m

 【走行性能】
 ・最大出力(フロントモーター):150kW(2WD)、80kW(AWD)
 ・最大出力(リヤモーター):80kW(AWD)
 ・最大出力(システム):150kW(2WD)、160kW(AWD)
 ・動力用主電池:リチウムイオン電池
 ・総電圧:355V
 ・総電力:71.4kWh
 ・一充電走行距離(WLTCモード):500km前後(2WD)、460km前後(AWD)
 ・加速性能(0-100km/h):8.4秒(2WD)、7.7秒(AWD)

 【充電性能】
 ・AC充電器最大出力:6.6kW
 ・DC充電最大出力:最大150kW

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