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レンジローバーEV ランドローバーで最もオンロードを重視したモデルに

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レンジローバーEV ランドローバーで最もオンロードを重視したモデルに

発売は2021年後半

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

【画像】ジャガー・ランドローバーの開発中モデル 全12枚


ランドローバーは、同ブランド初の完全な電気自動車となる新型レンジローバーの発表に向け、準備を整えているところだ。このルーフが低い高級クロスオーバーは、次期型ジャガーXJの兄弟車となる。発売は2021年後半になる見込みだ。

新型ディフェンダーの開発を終えたランドローバーは、次の重要な課題である電動化に力を集中させている。これは近年の販売不振から脱却を図るジャガー・ランドローバーの「チャージ・アンド・アクセラレート」計画において、多額の投資を占める分野である。

2017年にAUTOCARが初めて報じたこの新型EVは、当初ロードローバーという車名になると噂されていたように、ランドローバーで最もオンロードを重視したモデルになる。とはいえ、ライバルに比べると依然として高いオフロード走破性能も備えるようだ。

その主なライバルとは、完全な電気自動車になるポルシェの次期型マカンや、間もなく発表されるアウディのeトロン・スポーツバックである。

中国市場の鍵となる新型車に

LRの内部資料において、この新型車は「ミディアムSUV」と表記されていた。

この新型EVの全長は、おそらくイヴォークとヴェラールの中間になるだろう。しかしルーフはそれらのモデルよりもずっと低く、前面投影面積が小さく抑えられる。空気抵抗を減らして航続距離をなるべく伸ばすためだ。

完全電動ドライブトレインを採用することでスペースに余裕ができるため、おそらくキャビンはヴェラールより広くなるだろう。

JLRがロードローバーという名称を商標登録したことは明らかになっているものの、最終的にこの車名が市販モデルに与えられるかどうかは、まだわかっていない。だが、イヴォークやヴェラールのように、レンジローバー・ファミリーに組み込まれる可能性が高い。

レンジローバーという名前が使われる理由は、それが富裕層にアピールするからだ。

特に高級クロスオーバーと電気自動車を求める消費者が多い中国市場では、ネームバリューの高さが効果を発揮するはずだ。

JLRは、中国における売り上げを伸ばすことが、近年の財政状況を好転させるための重要な鍵になると見ている。

中国政府は電気自動車の普及を推進しているため、次期型ジャガーXJと新型レンジローバーは、LRにとって同国市場の販売を伸ばすための重要なモデルとなる。

次期型ジャガーXJの兄弟車

JLRの幹部は依然として、電動クロスオーバーの存在について固く口を閉ざしている。しかし、報道によれば、同社のラルフ・スペスCEOは、同社の目指すところが「排ガス・ゼロ」であると宣言したとのことだ。

スペスCEOは報道陣に対し、次のように語ったという。「わたしたちは今後、次々と新型車を投入し、ラインナップの拡大を図ります。立ち止まることはしません。(新型車の投入と)同様に、既存モデルのアップデートにも期待してください」。

JLRは、次期型XJが電気自動車として開発されていることは既に認めている。その生産は英国のキャッスル・ブロムウィチ工場で行われる予定だ。

次期型XJには、JLRが新開発した柔軟性の高いMLAプラットフォームのEV用バージョンが使われることになっている。モーターとバッテリーは自社生産するというが、おそらくモーターはBMWとの共同開発になるだろう。JLRとBMWは次世代の電気駆動ユニット(EDU)を共同で開発すると、今年6月に発表した。

レンジローバー・ヴェラールとジャガーFペイスの関係と同様に、ランドローバーの新型電動クロスオーバーは、次期型ジャガーXJと兄弟車となる可能性が高い。

これら2つのニューモデルは、プラットフォームやコンポーネントの多くを共有するが、各々のブランドがターゲットとする顧客に向けて、それぞれ独自の改良や調整が施されたものになる見込みだ。

MLAプラットフォームのEVバージョンは、今や主流となった床下にバッテリーを並べるスケートボード型シャシーで、前後アクスルにそれぞれ1基ずつモーターを搭載できる。

つまりランドローバーのEVは、ブランドの伝統とオフロード走破性を反映した四輪駆動になると考えられる。

低回転からすぐに大トルクを発揮できる電動パワートレインの特性は、舗装路から外れた冒険時に大いに役立つはずだ。

航続距離は450km前後

JLRの投資家向け説明会で明らかになった情報によると、MLAプラットフォームを使ったEVは、最大で90.2kWhのバッテリーが搭載できるように設計されているという。この容量のバッテリーなら、現実的な使い方で航続距離は450km前後となる。

ランドローバーはこの新型車の空力効率を最適化することで、航続距離を最大限に伸ばそうとしている。そのため、クロスオーバー・スタイルながらルーフの全高は低く抑えられることになった。

電動新型レンジローバーと次期型ジャガーXJのパフォーマンスに関する詳細なスペックは、開発途上の現時点では明らかになっていない。しかし、両モデルともBMWとジャガー・ランドローバーの協業による恩恵を受けることになる可能性は高い。

この電動クロスオーバーは、拡張と改革を続けるジャガー・ランドローバーのラインナップにおいて重要なモデルとなる。

投資家向け説明会で、同社の幹部は2020年会計年度に、全部で14車種の新型車または既存モデルの改良版を投入すると発表した。その中には、既存モデルの電動化バージョンも含まれる。さらに2021年以降には16車種がこれに続く。

2020年以降、ジャガー・ランドローバーの全モデルにプラグインハイブリッドまたはEVバージョンが用意されることになっている。

この製品計画には、ランドローバーのラインナップにおける重要な3つのモデルが含まれる。レンジローバー、ディスカバリー、そしてディフェンダーだ。

レンジローバーとディスカバリーのマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドは、来会計年度に投入される予定だ。将来的には、両モデルラインに完全EVバージョンも加わる予定だが、その時期についてはまだ確定していない。

ディフェンダーはプラグインハイブリッド・バージョンの開発が現在行われているものの、完全な電気自動車バージョンを作る計画はない。

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