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流行りの「LEDヘッドライト」は雪に弱い? 冬にまつわるクルマのトラブル事情とは

掲載 更新 24
流行りの「LEDヘッドライト」は雪に弱い? 冬にまつわるクルマのトラブル事情とは

■流行りの「LEDヘッドライト」は雪に弱い?

 最近のクルマのヘッドライトは、それまで主流であったハロゲンライトやHID(キセノンライト)から、LEDライトを採用する車種が増えました。LEDライトは、消費電力が少ないことや視認性が高いだけでなく、ドレスアップとしての要素もあり、人気が高まっているためです。

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 しかし、LEDライトには「冬に弱い」という弱点があります。なぜ、LEDライトは冬に弱いといわれるのでしょうか。

 LEDライトが冬に弱いといわれる理由は、バルブから発せられる「熱」の違いが関係しています。

 ハロゲンライトは発熱量が多いため、点灯後は素手では触れられないほど高温になり、ヘッドライト本体も温められます。

 そのため、ヘッドライトの上に雪が積もっても熱で溶かしてくれるメリットがありました。しかし、LEDライトは発熱量が少ないため、雪が積もってしまった場合には溶かすことができず、視界がどんどん暗くなってしまいます。

 吹雪の際には、走行中にもヘッドライトに雪が積もるため、駐車して除雪する必要があるのです。もし、自身のクルマがLEDライトの場合は、雪対策を忘れないようにしましょう。

 降雪時のLEDライトについて、北海道で中古車整備業を営むH氏は次のように話します。

「LEDヘッドライトは、水分が少ない雪であれば問題は無いようですが、水分を多く含んだみぞれなどの場合では走行しているとレンズカバー部分に付着し、ライト自体の光量が減少する可能性があります。

 メーカーや車種によって、LEDヘッドライトを採用している場合は、ヘッドライトウォッシャーを搭載しているものもあり、その場合は、それを作動させることで付着した雪を取り除くことができます」

※ ※ ※

 また、冬のウォッシャー関連のトラブルとして、ウォッシャー液やクーラント液の凍結が挙げられます。本来、クルマに使用されているウォッシャー液やクーラント液は、添加剤が入っているため通常は凍りにくい状態です。

 しかし、日常点検などで、水や濃度の薄い液体を補充すると本来の性能を発揮できず、タンク内や配管内で凍ってしまうケースが考えられます。

 ウォッシャー液が凍ってしまうと、ガラスが視界不良の場合にウォッシャー液が出せず、安全な視界を確保することができません。また、クーラント液が凍ってしまうとエンジン内部を循環することができずオーバーヒートの原因となる可能性があります。

 ウォッシャー液は、原液であれば-40度まで凍結することはないのでそのまま使用可能です。クーラント液は、濃度計を使用し測定します。

 一般的なクルマは30%の濃度で使用されており、凍結温度は-10度前後です。50%では凍結温度が-36度前後になるため、気温が低い環境で使用する場合は50%前後にしておくとよいでしょう。

■ほかにもある「冬のトラブル」

 冬のクルマトラブルでもっとも多いのは「バッテリー上がり」です。JAFの統計によると、2018年12月から2019年3月の期間で救援が多かった内容は「過放電バッテリー」となり、なかでも12月は全体の30%以上を占める7万2379件と、圧倒的に多発しているトラブルです。

 冬場にバッテリーが上がる理由としては、バッテリー液が低温となることで充電効率が下がったり、過度な暖房の使用で電力使用量が多くなることなどが挙げられます。

 一度バッテリーが上がってしまうと時間が経っても回復することが難しく、新品と交換するか外部電源を利用してエンジンを始動するしかありません。

 対処方法としては、ブースターケーブルを使用して別のクルマの電力を借りる「ジャンプスタート」という方法でエンジンの再始動が可能です。

 また、バッテリー上がりを起こす可能性のあるクルマには前兆が見られることもあります。「エンジンのかかりが悪い」「ヘッドライトが暗く感じる」「パワーウィンドウの開閉が遅い」などの現象が現れたら要注意です。電力を過剰に使用しないよう心がけ、すぐにバッテリーの点検をしましょう。

 冬場のバッテリー上がりについて、JAFは以下のように述べています。

「日頃のメンテナンスが不足していたり、寿命が近づいているバッテリーは、気温の低い地域に行くと、エンジンが始動できなくなることがあります。寒冷地に出かける前には、バッテリーの電圧が十分か、確認しておく必要があります」

 ロードサービスに救援を要請した場合、1万円ほどの費用がかかってしまうほか、寒い車内で待機しなければなりません。少しでもバッテリーに不安があれば、冬本番を迎える前に一度点検してみてはいかがでしょうか。

※ ※ ※

 また、冬にはスマートキーに関係するトラブルも増えています。キー閉じ込みによるトラブルのほかに、スマートキーが反応しないといった相談も多くあるようです。

 スマートキーには蓄電池が使用されており、バッテリー同様に低温下では本来の性能を発揮することができません。そのため、早朝や低温時にドアの鍵が開かないといったトラブルが発生する可能性があります。

 対策方法としては鍵をポケットに入れて温めておくことや、新しい電池に交換することで改善できます。ちなみに、スマートキーの電池交換目安は2年から3年が一般的とされているため、電池が切れてから交換するのではなく、車検時などに定期的に交換すると良いでしょう。

 また、スマートキーの電池が切れてしまった場合は、内蔵されているエマージェンシーキーを使用すればドアが開き、スマートキーをエンジンスタートボタンにしばらく押し当てることで、エンジンを始動することができます。

 詳細な手順はメーカーや車種によって異なりますので、事前に調べておくと緊急時に役立ちます。

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みんなのコメント

24件
  • 強いか弱いかって基準でいえば、そら弱いでしょ。
    問題は、弱いの分かってるなら、メーカーも寒冷地仕様だけでも対策すればいいのに…って事。
    みんながLEDをありがたがってる訳じゃない。
    個人的には新型ジムニーまでLEDになったのはガッカリ。
    駆動力やグリップに余裕があるのに視界が…なんて、ショボいじゃん(´・ω・`)
  • これと同じ記事をヤホー版で見た。
    雪国の人の対策して欲しいとか寒冷地仕様だけでもハロゲン仕様に…といったコメに対して沢山「そう思わない」が付いてるのは何故なんだろう?
    LEDで不便を感じない地域の人ならスルーしとけばいいのに…ワザワザ反対ポチしてる理由はどうして? LED製造の関係者?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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