世界では大黒柱 上半期に20万台販売
執筆:Masayuki Moriguchi(森口将之)
【画像】新型マツダCX-5 3つのスタイリング【細部まで見る】 全80枚
撮影:Yoshihisa Miyazawa(宮澤佳久)
編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)
今のマツダでいちばん売れている車種は何か。
10月28日に発表された2021年4~9月の生産・販売状況によると、もっとも台数が多いのはCX-5で20万2026台。次がマツダ3の11万5274台、CX-30の11万3658台となっている。
グローバル販売の合計は66万197台なので、実に3割をCX-5が占めることになる。2012年の初代発売以来の累計販売台数300万台以上という数字を含め、今のマツダにとって大黒柱的存在と言っていいだろう。
一方でマツダは同じ10月の7日、2022年以降のクロスオーバーSUV商品群の拡充計画を発表してもいる。
米国新工場でCX-50を生産するとともに、直列6気筒エンジンも搭載するラージ商品群としてCX-60・CX-70・CX-80・CX-90を、順次導入していくとした。
ここだけ読むとCX-5もCX-50にスイッチするように思えるが、さすがに売れ筋の車種を消滅させたりはしない。
実はこの計画ではCX-5についても触れており、今後も継続的な商品改良によってデザイン進化やモデルラインナップの拡充を図るとともに、最新の安全技術・コネクティビティ機能を導入して商品力を強化し続け、大切に育てていくというメッセージが出されている。
今回の商品改良もその1つと言えそうだ。ではどのように改良を行ったのか。
改良型のデザイン ポイントは?
まずデザインから見ていきたい。といっても、ボディパネルには変更はない。フルモデルチェンジではないということもあるが、それ以外にも理由がある。
今のマツダのデザインと言えば「魂動(こどう)」の2文字を思い浮かべる人も多いだろう。
この魂動デザイン、初代CX-5とともに市販車に導入されてから不変というわけではなく、2019年にデビューしたマツダ3とCX-30で、フェイズ1からフェイズ2に切り替わっている。
この間2017年に登場した現行CX-5は、フェイズ2のエッセンスを一部に導入していた。
具体的には要素を削ぎ落としたシンプルなフォルム、研ぎ澄まされた繊細な光の表現でクルマに生命感を吹き込む「引き算の美学」は取り入れてあった。よってボディパネルには手をつけなかったそうだ。
そのうえでフロントバンパーは線を減らし、フェイズ2の特徴である面の移ろいを見せるようにした。
ヘッドランプはこれまでの丸から横長の楕円基調に変え、2つの楕円をオフセットして配置している。これまでは繊細なラインで描いていたグリルのシグネチャーは、たくましさを感じる厚みのある仕立てになった。
都市型イメージが先行? 届いた声
リアはコンビランプをヘッドランプ同様、2つの楕円が重なるようなグラフィックとしたほか、バンパー下部のブラックアウトした部分の高さを上げ、厚みを出すことで安定感を強調した。
それ以上に特筆すべきはライフスタイルの多様化に合わせ、エクステリアのスタイルを増やしたことだ。
「エクスクルーシブモード」「スポーツアピアランス」「フィールドジャーニー」という特別仕様車の設定で、エクスクルーシブモード以外は新規投入になる。既存のスマートエディション、ブラックトーンエディションとあわせて、5つの特別仕様車が用意された形だ。
これについて開発主査の松岡英樹氏は次のように説明した。
「CX-5には洗練された都会の乗り物というイメージが染み付いているようで、これまでもエクスクルーシブモードが販売の20%を占めていました。さらに昨年登場させたブラックトーンエディションは30%にも達しました」
「一方でエンジニアからは、AWDの性能を見た目でアピールしきれていないという声もありました」
“光沢感”推し スポーツアピアランス
そこでエクスクルーシブモードを継続し、ブラックトーンエディションの流れをスポーツアピアランスに発展させつつ、アウトドアテイストを強調するグレードとして、フィールドジャーニーを用意したようだ。
エクスクルーシブモード(写真白)は、従来はブラックだったサイドシルやバンパー下端もボディ色として、一体感を持たせた。
インテリアは従来どおり、ブラックとディープレッドの2トーンにつや消しのリアルウッドを入れ、シックな雰囲気を漂わせている。
スポーツアピアランス(写真赤)はボディ下部のブラック部分をグロス仕上げとして、精悍に見せつつ上質感も強調。
グリルのシグネチャーはブラッククロームとした。インテリアが赤とグレーのステッチ、カーボン調パネルが目立つ。
ステッチの色は初代ロードスターのボディカラーがモチーフとのことだ。
四駆らしさで フィールドジャーニー
もっとも目を引くのはフィールドジャーニー(写真灰褐色)だ。
砂型鋳造に使う砂にヒントを得た新色、ジルコンサンドグレーメタリックに塗られたそれは、これまでのマツダにはなかった雰囲気を漂わせていた。
エクステリアはまず、バンパー下部やサイドシルのブラックに、シルバーのアクセントを入れたことが目立つ。バンパーのそれはアンダーガード風の造形だ。
スポーツアピアランスにもあるグリルの差し色は、若手デザイナーがスケッチに遊び心で入れたものを採用したという。
インテリアはアウトドアファッションにヒントを得たというライムグリーンを、エアコンルーバー周囲やシートのグラフィックなどに採用。
シートは表皮をエンボス加工し、最近のマツダのメッセージの1つである「背骨を立てて乗る」意味を込めたそうだ。
ビジュアル面の話題が多い新型CX-5であるが、走りもレベルアップを図っている。
シャシー/トランクの変更点
「車体剛性を上げるためにフロアに補強を入れ、シートは取付けのブラケットを強化するとともに、内部構造も見直しました。路面からのショックを受けたとき不快な振動が出ないようにして、理想的な運転姿勢が保持できるようにしました(松岡氏)」
Mi-DRIVE(ミードライブ)と名付けたドライブモードは、これまでガソリン車のみに付いていたスポーツモードにフィールドスタイル専用装備として「オフロードモード」を加え、ノーマルと合わせて3段階切り替えとした。
オフロードモードは後輪へのトルク配分を最大化するとともに、Gベクタリングコントロールやトラクションコントロール、AT制御の最適化、アイドリング回転数引き上げを行うという、手の込んだ内容だ。
荷室にも手を入れている。
開口部とフロアの段差をなくすとともに、フロアは前後2分割になった。高さは2段階から選べ、手前と奥に段を付けることで、手前をスライド開閉することもできる。
開発メンバーの中に釣りやキャンプを楽しむ人もおり、彼らの意見を参考にしたそうだ。
改良新型マツダCX-5 価格
改良新型マツダCX-5の日本発売は、2021年12月上旬となる見通し。
ラインナップは「プロアクティブ」「Lパッケージ」という2グレードと、今回取り上げた3種のスタイリングを含む5種類の特別仕様車で構成されている。
CX-5 20Sプロアクティブ:290万9500円~314万500円
CX-5 XDプロアクティブ:322万8500円~345万9500円
CX-5 20S Lパッケージ:320万1000円~343万2000円
CX-5 XD Lパッケージ:352万円~375万1000円
特別仕様車 スマートエディション
CX-5 20Sスマートエディション:267万8500円~290万9500円
CX-5 XDスマートエディション:299万7500円~322万8500円
特別仕様車 ブラックトーンエディション
CX-5 20Sブラックトーンエディション:304万1500円~327万2500円
CX-5 XDブラックトーンエディション:336万500円~359万1500円
特別仕様車 フィールドジャーニー(4WDのみ)
CX-5 20Sフィールドジャーニー:323万4000円
CX-5 XDフィールドジャーニー:355万3000円
特別仕様車 スポーツアピアランス
CX-5 25Sスポーツアピアランス:325万6000円~348万7000円
CX-5 XDスポーツアピアランス:357万5000円~380万6000円
特別仕様車 エクスクルーシブモード
CX-5 25Sエクスクルーシブモード:352万5500円~375万6500円
CX-5 XDエクスクルーシブモード:384万4500円~407万5500円
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