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【試乗】シトロエン久々のフラッグシップ「C5X」にチョイ乗り。まずはファースト インプレッションをお届け

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【試乗】シトロエン久々のフラッグシップ「C5X」にチョイ乗り。まずはファースト インプレッションをお届け

シトロエンの新たなフラッグシップモデル、「C5X」が日本に導入(発売は10月1日から)された。まずは市街地中心で短時間だが試乗できたので、その印象を紹介しておこう。

Dセグメントとは思えない堂々たるスタイル
C5Xは、CX~XM~C6と続いてきたシトロエンのフラッグシップの流れを汲むモデルだ。そのあたりのいきさつは、武田氏のレポートに詳しいので、ここでは省略する。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

さて、いにしえのモデル同様のファストバック スタイルの堂々たるボディは、シトロエンのフラッグシップ モデルにふさわしい。Dセグメントに属するとはいえ、全長は4.8mを超え、全幅も1.9m近くあるから、都会で乗りまわすにはこのサイズが限界かな、とも思える。だが、運転席におさまると高めの車高とスッキリしたインパネのおかげで視界は良く、車両感覚はつかみやすい。

今回の試乗車は、ガソリンエンジンモデルの「シャイン パック」。短時間の試乗で、しかも大半が市街地走行だったが、ほんの少しだけ首都高速も走ってみた。おまけに走り出しは小雨も降っているし・・・というシチュエーションだが、そんな条件でもC5Xのファースト インプレッションは悪くなかった。

かつてのフラッグシップ モデルなら3LのV6くらい搭載していて当たり前なのだが、現代のフラッグシップモデルは1.6L!の直4ターボ。それでも最新プラットフォームなどによる軽量化で1.5トンほどに抑えられたボディには180psと250Nmのパワースペックでも十分で、スムーズな加速を見せる。

ATは比較的早めにロックアップするタイプだ。1650rpmで最大トルクを発揮し、20世紀のターボ車のようなラグはないから、2.5Lくらいの自然吸気エンジンを搭載しているような印象だ。

ドライブモードはノーマルがデフォルトで、エコにしても市街地走行レベルなら加速は悪くなく、タルさは感じない。スポーツにするとアクセルのレスポンスが良くなり、ATのロックアップが効くのも感じられ、それなりにスポーティな走りにも対応してくれる。とはいえ、シトロエンのフラッグシップ モデルらしい走り方をするなら、ノーマルでクルマの流れに乗った走りをするほうが似合いそうだ。

ターボの脈動効果もあってか、パワートレーンから発せられる音はいたって静かだ。むしろ、タイヤのノイズが気になるくらいだった。ちなみに、タイヤはグッドイヤーのオールシーズンタイプだ。アイドリングストップ機能はクルマが停止する直前に作動するタイプで、ちょっとショックがある。このあたりの制御は、要修正だろう。

日本車から乗り換えても違和感は少なそうだ
フランス車、とくにシトロエンは、2000kmくらいでクルマがなじんできて、5000kmくらいでアタリがついて、1万kmくらいで本領を発揮するという。今回の試乗車のオドメーターは2000kmちょっと。エンジンも足まわりも、まだまだこれからというところなのだろう。

それでもエンジンの吹け上がりに不満はないし、乗り味はフラッグシップ モデルにしては少し硬いかなと思われたが、路面の継ぎ目や段差などのいなし方は、さすがシトロエンのフラッグシップだと感銘を受けてしまう。これぞ「現代のハイドロニューマチック」と呼ばれるPHC(プログレッシブ ハイドローリック クッション)の効果が大きい。

PHEVモデルでは、さらに進化したPHCがドライブモードに応じてダンパーの油圧をコントロールするという。これもいずれ試してみたくなった。首都高速を少しだけ走ってみたが、80km/hで8速のエンジン回転数は約1700rpm(デジタルのタコメーターは、100rpm単位でしか表示しない)。高速クルージングは、きわめて快適に過ごせそうだ。

日本人女性の柳沢知恵さんがカラーマテリアル プロジェクトマネージャーを務めたC5Xのインテリアは、アバンギャルドなDSとは違い、落ち着いた雰囲気で、どことなく和のテイストも感じられる。「フランス車に乗っている」という感覚は薄く、日本車から乗り換えても違和感は少ないだろう。

今回の試乗では安全&快適装備を試す機会はほとんどなかったが、装備レベルは十分以上。運転を代わってもらってリアシートにも乗ってみたが、スペースはたっぷりしており、乗り心地も良く静かで快適だ。

ラゲッジスペースもミドルクラスのワゴン並みに広く、また大径タイヤでSUV並みの165mmという最低地上高も確保しているから、車名のXが示すようにクロスオーバー的に(SUV的にという意味ではなく、マルチパーパス的に)も使える。

また、ハイウエイクルーザーとして使われる機会が多そうだから、C4などと同様にディーゼルを搭載しても良いのではと思ったのだが、もはやフランス本国をはじめヨーロッパではディーゼルはオワコンであり、欧州仕様にも設定されていない。その代わり、1.2L 3気筒ガソリンターボ搭載車が設定されているという。日本に導入されることはないだろうが、このエンジンでMTを駆使してC5Xをパリの街中で走らせる…なんてのも楽しそうだ。

短時間の試乗では、かなりの好印象だったC5X。機会があればロングドライブや、またPHEVモデルもぜひ試してみたいものだ。(写真:Webモーターマガジン編集部)

■シトロエン C5X シャイン パック 主要諸元
●全長×全幅×全高:4805×1865×1490mm
●ホイールベース:2785mm
●車両重量:1520kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1598cc
●最高出力:133kW(180ps)/5500rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/1650rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・52L
●WLTCモード燃費:未発表
●タイヤサイズ:205/55R19
●車両価格(税込):530万円

[ アルバム : シトロエン C5X 試乗 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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