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【注目モデル試乗】VWゴルフはいつの時代も、クルマの方向性を指し示す世界のベンチマーク。ヴァリアントTDIの凄い実力

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【注目モデル試乗】VWゴルフはいつの時代も、クルマの方向性を指し示す世界のベンチマーク。ヴァリアントTDIの凄い実力

ゴルフに魅力的な特別仕様者登場

 VWは2023年に日本正規輸入70周年を迎えた。ビートル(タイプI)からスタートした国内販売は、累計180万台を超え、「日本で最も知られる輸入車」の地位を得ている。
 現在はSUVのT-CrossやT-ROCの販売が好調で、BEVのID.4も注目を集めている。とはいえVWの主力は、クルマ界のベンチマークともいうべきゴルフ。日本では1975年から輸入され、100万台以上がユーザーの元に届けられた。ゴルフの魅力は、VWらしい質実剛健さと高い完成度の融合。どの世代も、乗ると「いいな」と感じさせてくれる。

フォルクスワーゲンが日本正規輸入70周年を祝うゴルフ/ゴルフ・ヴァリアントの特別仕様車を発表

 8代目の現行モデルで、個人的に最もゴルフらしいと感じるのが新世代ディーゼルを搭載したヴァリアントTDIだ。理由はワゴンボディならではの優れたユーティリティと、パワフルで経済的な走りを高次元で実現しているからである。長距離ドライブを愛するドライバーにとって、これほど魅力的な選択肢はない。

 試乗車は、70周年記念・特別仕様車のプラチナムエディション。ナビを含むインフォテインメント機能やLEDマトリックスライトなどの充実装備をそのままに、ベース車のTDIアクティブアドバンス(458万4000円)比で約40万円も価格を引き下げたお値打ちモデルである。しかもプラチナムエディションは、ベース車には設定がないDCCパッケージ(電子制御サスペンション)を18インチアルミとセットで用意(23万1000円)する。テスト車はDCCパッケージ仕様である。

どこまでも走って行きたくなる! パワフルで経済的。信頼できる相棒だ

 久しぶりに対面したゴルフは、スタイリッシュだった。最新のヴァリアントは歴代ゴルフで初めてハッチバックより50mm長い2670mmのホイールベースを採用。伸びやかな印象とスペース性を際立たせている。スリーサイズは4640×1790×1485mmと適度。大きすぎず、小さすぎない。まさに街乗りからロングツーリングまで最適なサイズ設定といえる。

 それでいて室内は広く、荷室は広大。大人4名で、遊び道具を満載しての使い方が似合う。ラゲッジシェルフのガッチリとした作り込みもドイツ車らしい。ヴァリアントは、豊かなライフスタイルを連想させるゴルフだ。

 TDIの心臓は、VWの最新世代となる2リッターディーゼルである。ポイントは走りと環境性能。燃料噴射圧や噴射回数を一段とアップデートし、従来は1系統だったSCR排気ガス浄化システムを2系統とした。その結果、よりクリーンな排気ガスを実現すると同時に、出力やレスポンス、燃費などが向上し、静粛性もアップしたという。

 基本スペックは150ps/3000~4200rpm、360Nm/1600~2750rpm。実際にドライブすると、「これこそゴルフ」というイメージ。走りは静かでパワフル。実用域の1500~2000rpm付近の力強さが印象的だ。しかも吹き上がりとスムーズさも良好。4500rpmのレッドラインまで頭打ち感は皆無だ。走り出しの一瞬こそ、たとえばモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様のBMW・X1・20dのほうが強力な印象だが、総合的な実力は勝るとも劣らない。とくに中高速域の、アクセルを少し踏み込んだだけで分厚いトルクが湧き出す感触は格別。どこまでも走って行きたくなる。

 ディーゼル特有の音も全域で抑えられ、快適性もハイレベル。ハッチバックと比較すると後方から侵入するノイズがやや高い印象はあるが、さほど気にならない。WLTCモードの燃費データは19.0km/リッター。燃料タンク容量は51リッターだから、単純計算では969kmの航続距離を誇る。参考までに紹介しておくと、以前、連載企画「クルマの通知表」用に計測したハッチバックのTDIは24.9km/リッター(WLTCモード:20.0km/リッター)をマークした。TDIの優れた燃費性能は大きな魅力である。

 ハンドリングも好印象を抱いた。車重がかさむディーゼルながら、コーナリング時にノーズが重い印象は皆無。軽やかにワインディングロードを駆け抜ける。DCC仕様の試乗車の場合、スポーツを選ぶと一段とシャープに変身。コンフォートではしっとりとした乗り味が味わえた。車高が高いSUV全盛の中、低く構えたゴルフは、ひときわドライビングが楽しめる1台である。

 クルマに何を期待するかで、評価は変わる。ゴルフ・ヴァリアントTDIは、生活のパートナーとして「信頼できる1台」を求めるユーザーに最適な選択肢だ。しっかりとしたボディとパワフルな心臓。そして安定性に優れた足回りは、ドライバーに絶大な安心感を与え、広く使い勝手に優れた室内空間が、ウイークエンドの生活の幅を広げる。しかもモダンなインフォテインメント機能と最新の安全・運転支援機構が、いまという時代を感じさせる。決して派手な存在ではないが、乗るほどに愛着がわき、「いいクルマを買った」と実感するクルマ。ゴルフは、やはりVWの代表に違いない。

VWゴルフ・ヴァリアントTDI主要諸元

グレード=TDIアクティブアドバンス・プラチナムエディション
価格=7DCT 420万円
全長×全幅×全高=4640×1790×1485mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=フロント:1535/リア:1505mm
車重=1500kg
エンジン=1968cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=110kW(150ps)/3000~4200rpm
最大トルク=360Nm(36.7kgm)/1600~2750rpm
WLTCモード燃費=19.0km/リッター(燃料タンク容量51リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:14.5/18.8/22.2km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:4リンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/40R18+アルミ ※DCCパッケージ装着車
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
※撮影協力/マースガーデンウッド御殿場

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みんなのコメント

6件
  • suc********
    日本ではカローラを驚異的に安く買えるのでカローラで良いと思います
    諸外国ではゴルフと同じ価格帯なのに
  • うまー
    ゴルフ2が至高
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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