輸入高級車の大定番モデルとして、長年、愛され続けているメルセデス・ベンツの中核モデル「Cクラス」の次期型が2021年2月23日にオンラインにて公開された。
はたしてどんな進化を遂げたのか? なんと1月に発表された新型Sクラスに似たスタイルで登場! まるでミニSクラスだ。
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セダン受難の時代にあって、新型Cクラスには、どんな新機能が搭載されているのか、各部の進化のポイントをまとめて紹介しよう!
文/大音安弘、写真/メルセデス・ベンツ
【画像ギャラリー】激進化! 新型Cクラスの内外装がすごい!!
■待望の第5世代は若々しく刺激的!
新型Cクラスセダンのボディサイズは先代モデルに比べ65mm長く、10mm幅広く、9mm低い全長×全幅×全高=4751×1820×1438mm
こちらが先代モデルのCクラス
ドイツ・ダイムラー社は、2021年2月23日、メルセデス・ベンツのDセグメントセダン&ステーションワゴン「Cクラス」の新型をオンラインで発表した。第5世代となる新型の注目のポイントは、ずばり、新世代スタイリングと電動化だ。
セダンの荷室容量は455Lで、先代モデルと同じ
まずエクステリアを見ていこう。現行型CLSより採用されたシャークデザインを受け継いだスタイリングは、実にスポーティなものだ。
フェイスリフトで最新スタイリングを取り入れたEクラス、そして新設されたAクラスセダンともよく似た雰囲気だが、よりアグレッシブでスポーティに映すスタイリングは、Cクラスの持つ小さくも大きすぎもしない、ジャストなサイズ感が生みだすバランスの良さだろう。
ワゴンの荷室容量は30L増えた490Lを確保し、後席シートバックを倒した最大時には先代モデルから30Lプラスとなる1510Lを実現した
ボディサイズ自体は、弟分Aクラスセダン誕生に配慮してか、サイズアップを断行。
セダンの場合、全長4751mm×全幅1820mm×全高1438mm、ホイールベースが2864mmに成長した。これを現行型と比較してみると、全長が+65mm、全幅が+10mm、全高が-9mm、ホイールベースが+25mmの差となり、一回り以上大きくなっていることが分かる(共に欧州仕様値)。
ただ現行型同様のFRモデルらしいロングノーズスタイルのプロポーションはしっかりと受け継がれているので、Cクラスファンも受け入れやすいスタイリングといえる。
■デジタル化を体現できるモダンなインテリア
インテリアでは新型Sクラスから採用された縦型の大型センターディスプレイや航空機のエンジンナセルを連想させる新形状の空調用エアベントが特徴的
一方で、インテリアは、あまりの激変ぶりに圧巻の一言。
その印象は、新型Sクラスと重なるが、よりフレッシュに仕上げられている。表示系は、最新Sクラスのデザインを受け継いでおり、フードレス独立式メーターパネルに加え、ダッシュボード中央に、MBUX搭載の9.5インチもしくは11.9インチの縦型タッチスクリーンパネルが備わる。
インフォメーションモニターがサイズアップしたことで、再びオーディオデッキ同様に、中央配置へと変更されている。その結果、ゆとりが生まれたダッシュボード上部には、再び吹き出し口が返り咲いた。
ボディサイズが拡大された分、室内スペースにもゆとりを与えた。肘まわりのスペースが前席で22mm、後席で15mm広くなったほか、後席のヘッドルームはセダンで13mm拡大
またシートデザインは、ホールド性に優れたバケット形状をしているが、よりモダンなデザインとなったのも目を引くポイントだ。もちろん、ボディサイズの拡大は、キャビンスペースのゆとりにも繋がっており、後席の快適性がさらに増しているという。
パワートレインは、最新世代の4気筒エンジンターボで構成され、全てのモデルを電動化。
ガソリン及びディーゼルエンジンに採用される48Vマイルドハイブリッドシステムに備わるISG(モータ付き発電機)は、コースティング、モーターアシスト、エネルギー回生などの多彩な活躍を見せる。
特にエンジン停止と再始動をドライバーに悟られることなく、実行するというから、これまで以上に快適かつ滑らかな走りを期待できそうだ。
ガソリン車とディーゼル車は第2世代となったISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)のマイルドハイブリッド仕様で、ISGは最大15kW(20ps)/200Nmを発生
ラインナップは、ガソリン仕様が、1.5L、4気筒ターボの「C180」と「C200」。2L、4気筒ターボの「C300」。クリーンディーゼル仕様が、2L、4気筒ターボの「C220d」と「C300d」を設定。現時点の情報では、C200とC300に4WD「4マテック」が用意されている。
トランスミッションはガソリン、ディーゼルともに9速ATを組み合わせる
また新型の発売後には、プラグインハイブリッドを追加予定。新型のPHEVは、ガソリン仕様とクリーンディーゼル仕様の両方を用意する。電動パワートレインには、129hp/440Nmの高出力モーターを搭載し、EVモード走行時の最高速度は140km/hを実現。
搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は、25.4kWhで、約100kmの航続距離を備えているという。
充電システムは、普通充電に加え、急速充電にも対応。また使い勝手の面では、駆動用バッテリーの搭載位置を変更したことで、ラゲッジスペースが拡大されたことが挙げられている。ガソリンモデルが先行し、その後、ディーゼルモデルを投入される予定だ。
リアアクスルステリアングは、車速が60km/h未満では前輪と逆位相に、60km/h以上では同位相に後輪が最大2.5度操舵、駐車時などでは最小回転半径が5.32mとなる
このほかのメカニズム的なハイライトとして、トランスミッションは、全車にISGとのマッチングを最適化した9速AT「9Gトロニック」を搭載。足回りは、フロントに4リンクアクスル、リアにマルチリンクアクスルを採用。
オプションで、アダクティブダンピングサスペンションとスポーツサスペンションの選択も可能。またPHEVでは、全車リアサスペンションにエアサスが標準化されている。
新たな機能としては、後輪操舵機能「リアアクスルステアリング」を新型Sクラスに続き、オプション設定。この機構により、より機敏な走りが味わえるだけでなく、駐車時などの取り回しの良さも向上する。
もちろん、メルセデス・ベンツが誇る先進の安全機能は、最新世代へとアップデートされており、新型Sクラス譲りの機能も含まれる。
■本国での納車は今夏から
「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」(自動再発進機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロール)は、高速道路/郊外/市街地ごとに設定できるようになった
全面刷新を図った新型Cクラスのオーダーは、ドイツでは、2021年3月30日から受付を開始し、納車は、今夏以降となる見込みだ。そのため、日本上陸は、早くて年末。現実的には、来年早々となるかもしれない。
FRラインアップのエントリーとなるCクラスだが、新型は、Sクラスと同様の方向性が目指され、より近い存在に進化を遂げているという。それだけに、小さなSクラスという表現もオーバーではないかもしれない。今は、新型の上陸がただ待ち遠しいばかりだ。
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