いわゆるレジャー カーのジャンルで人気を博した「デューンバギー」あるいは「サンドバギー」。それらの多くはフォルクスワーゲン「ビートル」のコンポーネンツを流用し、キットフォームで購入可能な簡素なボディと大径タイヤを装着、ビーチなどの不整地でもスポーティかつタフに走行出来た、とてもファンなクルマである。
ギャラリー:スティーヴ マックイーンのデューンバギーがオークションへ!映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』の劇中で、スティーヴ マックイーンが操った「デューンバギー」。デューンバギーは、1963年、サーファーだったブルース メイヤーズが趣味の延長で製作したのが始まりといわれる。翌年1964年からキット販売されたといわれる「メイヤーズ マンクス」を起源とし、1960~70年代にはアメリカはもちろん、ヨーロッパやオーストラリア、果ては日本でも良く似たフォロワーたちが続々と誕生した。世界各地で一大ブームを醸成したデューンバギーとその文化は、半世紀を経た現代においても脈々と受け継がれている。
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一方、フォルクスワーゲン本社も、バッテリー式フルEV(電気自動車)のモジュラーシステム車両「I.D.シリーズ」のバギー版コンセプトカー、その名も「I.D.バギー」を2019年春に発表するなど、デューンバギーは今なおフォルスクワーゲン カルチャーを象徴するアイコン的なモデルになっている。
【3億7000万円で落札された初代マスタング! その理由とは?】
フォルクスワーゲンが2019年春に発表したI.D.バギー」。デューンバギー人気が今なお衰えないなか、クラシック カー業界で大きな話題になっているのが、1台の特別なメイヤーズ マンクス バギーである。今年3月、北米フロリダ州のアメリア島フェルナンディーナ ビーチで、大手オークショネアのBONHAMS(ボナムズ)社が開催する「The Amelia Island Auction 2020」へ、出品されるというのだ
メイヤーズ マンクス バギーを手がけたブルース メイヤーズ氏は、1970年代初頭に事業を売却したものの、21世紀に入ってブランドが復活、現在でも購入できるキットフォームを揃え、製作するのに要する費用は数百万円と目される。したがって、1960年代のクラシック モデルであっても、せいぜい10万ドル以内で取引されるのが旧いメイヤーズ マンクスの通例だ。
しかし、今回のボナムズ オークションに出品される個体のエスティメート(予想落札価格)は40万~60万ドル、日本円換算で4500~6700万円というとんでもない高額が設定されている。
理由は、至ってシンプル。この個体は、国際クラシックカー マーケットにおいて人気を呼ぶアイテムのひとつ“マックイーンもの”なのだ。1968年に公開された映画『華麗なる賭け(原題Thomas Crown Affair)』で、主演のスティーヴ マックイーンが華麗なドライビングを披露した1台である。
エンジンはVW製ではなくシボレー製に換装『華麗なる賭け』にはいくつかの印象的な劇中車が登場した。マックイーン扮する大富豪にして強盗団の黒幕、トーマス クラウンの愛車として、ロールス ロイス「シルヴァーシャドウ クーペ」(H.J.マリナー製)。トーマスと頭脳戦を繰り広げるヒロイン、フェイ ダナウェイが演じた保険調査員ヴィッキーのフェラーリ「275GTB NARTスパイダー」など。ただし、劇中での存在感でいうならば、このメイヤーズ マンクス バギーが圧倒する。
【3億7000万円で落札された初代マスタング! その理由とは?】
『華麗なる賭け』に登場するメイヤーズ マンクス バギーは、ビートルことフォルクスワーゲン「タイプ1」のプラットフォーム シャシーを短縮。シンプルなFRP製のボディは、当時よくあったほかのバギーとあまり変わらない。
劇中車が大きく異なるのはエンジンだ。フォルクスワーゲンの空冷水平対向4気筒ではなく、シボレー「コルヴェア」用の水平対向6気筒2700ccエンジンが搭載されたのだ。
劇中、スティーヴ マックイーンとフェイ ダナウェイがビーチで激走したこのクルマが、まるで空冷時代のポルシェ「911」のような迫力たっぷりのエキゾースト サウンドを響かせていたのは、上記エンジンに換装されていたからだ。
ちなみに、映画『ブリッド』の劇中車だった1968年型フォード「マスタングGT390」が、1月におこなわれたミカム オークションにて、手数料合わせて374万ドル(約4億1000万円)という驚異的な価格で落札されている。このメイヤーズ マンクス バギーも高価格で落札される可能性が高い。
注目のThe Amelia Island Auction 2020は、3月5日におこなわれる。
文・武田公実
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