8月21日にNASCARカップ・シリーズのワトキンスグレン戦にスポット参戦が決まっているキミ・ライコネンは、8月12日にバージニア・インターナショナル・スピードウェイでNext Genマシンを初ドライブ。2021年12月のF1アブダビGP以来のレース参戦に向けて、テストを行なった。
2007年にF1世界王者に輝き、20年近くに渡るF1キャリアを持つライコネンは、ロードコースレースとなるワトキンスグレン戦でトラックハウス・レーシングから参戦。チームメイトのダニエル・スアレス、ロス・チャスティンと共に、シボレー『カマロZL1』をドライブする。
■”自分を曲げなかった”ライコネン、F1で人気だった理由は「分からないけど、変だったからかな!」
ライコネンにとっては、これが初のNASCAR参戦という訳ではない。というのもF1から一度離れていた2011年には、カイル・ブッシュ・モータスポーツから、カップ・シリーズの下位カテゴリーに当たるXfinityシリーズとトラックシリーズに1度ずつスポット参戦した経歴があるのだ。
またその年は、ロビー・ゴードン・モータスポーツのダッジ『チャージャー』をドライブ。今回と同じくバージニアでカップカーのテストを行なったが、コースオフした際に濡れた芝生でノーズを破損させ、早々にテストを終えていた。
2022年シーズンから導入されているNext Genマシン(Gen7)に関するNASCARの規定は、6月15日に改定。90日以内にカップ・シリーズへ参戦するドライバーを対象に「選抜ドライバー・オリエンテーションテスト」を実施できるようになった。
ただこのテストの但し書きには、当日のデータ収集やセットアップ変更の制限が記載されている。テストでは、グッドイヤー製タイヤを3セット使用可能。他ドライバーのシェイクダウン実施は禁止されている。また、制限時間はマシンがコースに出た瞬間から10時間となっている。
テストに先立ち、ライコネンは今週初めにチーム・シボレーでシミュレータ走行を実施。3月のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ戦で勝利したチャスティンに続き、6月のソノマ戦でチームの今季ロードコース2勝目を挙げたスアレスと、データの確認を行なった。
ライコネンのトラックハウス・レーシングからのNASCARスポット参戦は、同チームが進める”プロジェクト91”の一環。国際的なレーシングドライバーを招くことでNASCARの国際的な周知を計る狙いがあり、ワトキンスグレン戦に臨む3名のドライバーは、いずれも出身国が異なる。
ライコネンには、今年始めからレース復帰を果たすオファーもあったという。しかし、ワトキンスグレン戦へ向けて十分な準備期間が必要だったとしている。
「今年、もっと(レースを)やる選択肢も当然あったけど、全ての面でできる限り上手くやろうとすると、全てにおいて少し時期尚早だったと思う」
そうライコネンは語る。
「このレースまで待った方が良かったように思う。そうすれば、全ての面で準備が整うし、少なくとも100%正しい仕事をすることができているはずだ」
「結果がどうなるかは、誰にも分からない。僕らはできる限りのチャンスを掴むだけさ」
「その先に何が待っているのか? それは誰にも分からない」
「そこで良いレースをして、楽しんで、その先どうなるかを見ることにする。それ以外の計画はない」
「それが今、僕が持っているプランだ。そこから始まっていくんだ」
ワトキンスグレン戦でカップ・シリーズを走る元F1ドライバーはライコネンだけでなく、トロロッソやレッドブルでF1を戦ったダニール・クビアトは、チーム・チーム・ヘイズバーグから参戦予定。また、2010年のル・マン24時間レース勝者のマイク・ロッケンフェラーは、チーム・スパイアから参戦を果たす。
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みんなのコメント
私はレースの中でNASCARが一番好きなので、見れなくなって残念でなりませんでした。再び始まることを切に願います。