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インテリアの質感向上 フォルクスワーゲンID.3 プロSへ試乗 好印象な走りは従来どおり

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インテリアの質感向上 フォルクスワーゲンID.3 プロSへ試乗 好印象な走りは従来どおり

アップデートでインテリアの質感を向上

最近のフォルクスワーゲンは、バッテリーEVの販売が芳しくなく少し悩んでいるようだ。アップデートを施したID.3の市場投入が、その打開に結びつくことを願っているに違いない。

【画像】インテリアの質感向上 フォルクスワーゲンID.3 競合クラスのバッテリーEVと比較 全120枚

といっても、スタイリングには殆ど変化がない。新旧を並べてみない限り、違いを発見することは難しいかもしれない。

落ち着いて観察すると、ボンネット後端にあったプラスティック製のスポイラーがなくなっている。フロントバンパーも、両端にエアインテーク状のくびれが追加されるなど、造形が新しくなっている。フロントフェンダー部分には、ID.のロゴが与えられた。

改めて眺めれば、全体的にモダナイズされ、容姿の洗練度が増した印象を受ける。変化度は、僅かかもしれないが。

ただし、今回のアップデートでフォルクスワーゲンが重視したのは、その内側。これまでのID.3は、硬質なプラスティック製部品など、安価に見えるインテリアに批判が出ていた。同社も、仕上がりには納得していなかったと認めている。

これを踏まえて、ID.3の内装は一新。71%がリサイクル素材だという、柔らかなファブリックがドアパネルやシート表皮に用いられている。光沢の強いプラスティック製パネルも多く残っているが、ソフトタッチ加工が施されたエリアも拡大している。

航続距離はプロSで558km 急速充電能力は強化

インフォテインメント用のタッチモニターは大型化され、エアコンの温度などを調整するタッチセンサー、「スライダー」にはイルミネーションが内蔵されるという。ただし、それを獲得するのは2024年以降。今回の試乗車には実装されていなかった。

インフォテインメント・システムのバージョンは、現在の最新版となる、3.5がインストールされている。とはいえ、試乗時の僅かな時間に触れただけでも、いくつかの不具合が散見された。反応が遅れるといった振る舞いもあった。

このシステム・ソフトウエアは、無線によるアップデートへ対応している。時間の経過とともに、改善されていくはずだ。

駆動用バッテリーの容量は、ID.3 プロで58kWhとなり、航続距離は428kmがうたわれる。ID.3 プロSには77kWhのバッテリーが載り、1度の充電で最長558km走れる。

リアに積まれる駆動用モーターの最高出力は、共通して203ps。最大トルクは31.4kg-mを発生する。これらは、従来と変わらない。

急速充電能力は、これまでの125kWから170kWへ上昇した。ちなみに、英国での競合モデルとなるMG 4 EVは、最大135kW。テスラ・モデル3でも150kWまでだから、誇れる内容だといっていい。

快適に運転できる印象は従来どおり

ID.3を走らせた印象は、アップデート前と基本的に変わらない。今回は、英国仕様のプロとプロSという2つのグレードを試したが、快適に運転できることは従来どおり。

グリップ力は高く、サスペンションの減衰力特性も優秀。ステアリングホイールは軽く回せ、ダイレクトにフロントノーズが反応する。市街地を気持ち良く走り回れる。車重は1933kgもあり、高速域では操縦性に陰りが出てくるが、これは仕方ないところ。

パワーデリバリーは即時的で頼もしい。0-100km/h加速は、プロで7.4秒、プロ Sで7.9秒でこなせ、日常的な条件では不足なく速度を乗せていく。高速道路の巡航を安楽にこなせ、回生ブレーキの制御も滑らかだ。

走行時の洗練された印象も、特筆すべき点。質感の高められたインテリアと、静かなノイズレベルと相まって、長時間でも快適に過ごせるだろう。試乗車には、インテリアがアップグレードされるオプションが盛り込まれ、一層居心地が良かった。

優れた部分はそのままに、そうでない部分はしっかり直す。こんな、フォルクスワーゲンがID.3へ向き合った姿勢が伝わってくる。賢明なアップデートだと思う。

英国価格はお高め 優れたバッテリーEVの1台

ただし、お高めの英国価格が印象を霞ませる。プロは3万7115ポンド(約672万円)から、プロSは4万2870ポンド(約775万円)からに設定されている。試乗車には、運転支援システムのオプションなどが載り、5万245ポンド(約909万円)に達していた。

サイズ的に近いMG 4 EVなら、トップグレードでも1万7750ポンド(約321万円)安く購入できる。正直なところ、運転の楽しさでもこちらの方が勝っている。

今回のアップデートを経て、フォルクスワーゲンID.3の完成度は一層高まったといえる。2024年仕様からは、ダッシュボード周辺も新しくなる。ベストの1台へ評価を伸ばしたとはいえないものの、優れたバッテリーEVであることは間違いない。

フォルクスワーゲンID.3 プロS(英国仕様)のスペック

英国価格:4万2870ポンド(約775万円)
全長:4261mm
全幅:1809mm
全高:1562mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:7.9秒
航続距離:558km
電費:6.1-6.7km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1933kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:77.0kWh(実容量)
急速充電能力:85kW(DC)
最高出力:203ps
最大トルク:31.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード(後輪駆動)

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みんなのコメント

1件
  • 内装が少し変わった位では売れませんね。遅いし。
    少しの悩み所ではないですねVWは。
    Xpeng頼りですので2026年迄は死に体でしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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