現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 寒い冬に酷使したクルマは疲れぎみ… 春先にチェックしておきたい5つの点検項目とは

ここから本文です

寒い冬に酷使したクルマは疲れぎみ… 春先にチェックしておきたい5つの点検項目とは

掲載 10
寒い冬に酷使したクルマは疲れぎみ… 春先にチェックしておきたい5つの点検項目とは

■寒さによってバッテリーやエンジンオイルの性能が低下!?

 寒かった冬も終わりに近づき、快適な春がやってきます。
 
 寒い冬は我々人間にとっても辛い季節ですが、クルマにとっても負担を強いられる時期。過酷なシーズンを乗り越えたクルマのコンディションを良好に保つため、春の到来前にやっておきたいメンテナンスにはどのようなことがあるのでしょうか。

知らないうちに寿命を縮めてない?「やっちゃダメ!」クルマを傷めるNG行為5選

 まず、常に気をつけたいポイントは「バッテリー」です。

 バッテリー関連のトラブルは、JAFの出動要請の理由でもっとも多いものなのですが、特に冬は気温が低いうえに日照時間も短いことから、エアコンやヘッドライトの使用頻度が高くなり、バッテリーを酷使する季節です。さらに気温の低下はバッテリー自体の性能を引き下げてしまう傾向があります。

 バッテリーはどうチェックすべきなのでしょうか。神奈川県の整備工場に勤務するH整備士に聞いてみました。

「バッテリーは使用状況によって差はありますが、必ず寿命が来る消耗品です。ただし、まだ使えるバッテリーを交換するのはもったいないので、まずは専用のテスターなどを使って電圧をチェックしてみてください。

 バッテリーの電圧をチェックするテスターは、カー用品店などで2000円以下で購入できます。

 一般的な鉛バッテリーは約2.1Vの電圧を持つセルが6つあり、全部で12.6Vとなるように設計されていますので、エンジン停止時にテスターでチェックして12.5V以下なら弱くなっている証拠です。

 エンジンをかけても改善しない(極端に数字が低い)のであれば、劣化しているということです」

 一度弱くなってしまったバッテリーは、暖かい季節になったとしても性能が復活することはないそうです。その場合は新品に交換するタイミングだと思って交換したほうが良い、とH整備士はいいます。

 もうひとつ、冬の気温の低下はオイル類にも影響を与えているそうです。

 クルマのエンジンが「心臓」とするならば、オイルはいわば「血液」。寒ければ循環もうまくいかなくなり、エンジンオイルの重要な役割である「エンジン冷却」がうまく機能しなくなる危険性もあります。

「エンジンオイルは、外気温によって粘度が変化します。一般的な『10W-40』などのまま雪の多い地域などを走行していた場合は、負荷がかかって汚れている可能性もあります。

 また、クルマにもよりますがエンジンオイルは徐々に減っていくこともあり、そうするとオイル残量が少なくなっている可能性もあります。

 エンジンオイル切れはエンジンが高熱になり焼きつきなどトラブルの原因にもなりますので、冬の終わりだけでなく数か月に1回はレベルゲージで汚れ具合や残量をチェックすることをおすすめします」(H整備士)

■タイヤ交換時に溝やヒビなどをチェック

 次に足回りです。冬のあいだに活躍したスタッドレスタイヤから、そろそろノーマルタイヤに履き替えるタイミングでもあります(凍結や積雪することがある地域ではもう少し履き続けても良いでしょう)。

 タイヤは一度交換してしまうとチェックがしにくいものです。H整備士は、ノーマルタイヤに履き替える前に、タイヤの状態をしっかりチェックしてほしいといいます。

「トレッド(接地面)の溝の減り具合、サイドウォールやショルダー部分のヒビ、また装着するとなかなか見られない内側部分を装着する前にチェックすると良いでしょう。

 また、タイヤを履き替えたときは、必ず空気圧のチェックをしましょう。これからの季節はどんどん路面温度も上がってきます。空気圧不足のままだとタイヤがたわみ、パンクやバーストなどトラブルを引き起こす危険性もあります。

 溝の深さやタイヤの硬化具合を確認しつつ、必ず適正な空気圧を保つようにしてください」

 なお、外したスタッドレスタイヤを自宅で保管するときは、平積みにして、気温が上がりにくい暗所などで保管するのが良いそうです。

 ほかにも、春に向けてチェックしておくべきポイントはあるのでしょうか。

「外気温が低い状態で使われていたワイパーは、ゴム部分が硬化したり傷んでいる可能性があります。

 ワイパーは雨の日の視界を確保するうえで重要なパーツですから、痛みがないか、作動時にビビりが出ないかなどをチェックしてみてください」(H整備士)

「合わせてチェックしておきたいのがウォッシャー液です。フロントウインドウの汚れがひどい場合などはウインドウォッシャーを使いますが、ウォッシャー液の補充を忘れがちで、いざ使うときに出てこないということもあります。

 春先は小さい虫なども増えてきますし、鳥の行動も活発になってフンを落とされることも増えると思われますので、強力な洗浄効果と撥水効果が期待できるウォッシャー液などに交換するのも良いと思います」(H整備士)

 花粉が飛散する春先は、エアコンのフィルターのチェックもしておきたいところです。エアコンフィルターを交換するなら、花粉のシーズン前と後とどちらが適切なのでしょうか。

「花粉シーズンの前に交換するか、それとも終わってから交換するか判断は難しいものですが、花粉症は熱っぽくなったり集中力が続かなくなるなど運転に支障をきたすおそれがあるので、できれば事前にフィルターを交換して、キレイな状態にしておくことをおすすめします」(H整備士)

※ ※ ※

 今回のチェックポイントは、春先だけでなく、実は年間を通じて気にしたいポイントでもあります。

 バッテリーやエンジンオイル、タイヤの空気圧など、定期的にチェックして、クルマの状態を常に良好に保ちましょう。

関連タグ

こんな記事も読まれています

約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
レクサスの末っ子LBXに、次世代モダンインテリア空間を表現したElegantが新登場
カー・アンド・ドライバー
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
荷台が“伸びる”ダイハツ「斬新軽トラ」登場! “画期的”発想の「超ロングボディ仕様」がスゴい! まさかの「実車化」果たした衝撃のモデルでWRCをサポート
くるまのニュース
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
新車で買える!? トヨタ「シエンタ“SUV”」がスゴイ! 5人乗り仕様もある「小型SUVミニバン」が台湾で人気すぎるワケとは
くるまのニュース
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
「トイレに行きたいのですが…駐めちゃダメ?」 高速にある「謎のバス停」 SNSでは「一般車が進入していた」の声も どんなルールなの?
くるまのニュース
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
運賃交渉すれば“村八分”にされる? 荷主を過剰に気遣う中小運送の社長たち、本当に守るべきは誰なのか?
Merkmal
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ

みんなのコメント

10件
  • 次は暑い夏に酷使したクルマは疲れぎみ…
    ってテーマで同じような記事を書きそうですね。
  • >一般的な『10W-40』などのまま雪の多い地域などを走行していた場合は、負荷がかかって汚れている可能性もあります。

    一般的なオイルを外気温の低い地域で使っていると‥という意味なら、10Wは-25℃対応なので北海道の内陸部や本州の山岳地帯以外で-25℃以下になる場所って殆ど無いですよね。
    どんな所を想定しているのかを知りたいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村