■寒さによってバッテリーやエンジンオイルの性能が低下!?
寒かった冬も終わりに近づき、快適な春がやってきます。
寒い冬は我々人間にとっても辛い季節ですが、クルマにとっても負担を強いられる時期。過酷なシーズンを乗り越えたクルマのコンディションを良好に保つため、春の到来前にやっておきたいメンテナンスにはどのようなことがあるのでしょうか。
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まず、常に気をつけたいポイントは「バッテリー」です。
バッテリー関連のトラブルは、JAFの出動要請の理由でもっとも多いものなのですが、特に冬は気温が低いうえに日照時間も短いことから、エアコンやヘッドライトの使用頻度が高くなり、バッテリーを酷使する季節です。さらに気温の低下はバッテリー自体の性能を引き下げてしまう傾向があります。
バッテリーはどうチェックすべきなのでしょうか。神奈川県の整備工場に勤務するH整備士に聞いてみました。
「バッテリーは使用状況によって差はありますが、必ず寿命が来る消耗品です。ただし、まだ使えるバッテリーを交換するのはもったいないので、まずは専用のテスターなどを使って電圧をチェックしてみてください。
バッテリーの電圧をチェックするテスターは、カー用品店などで2000円以下で購入できます。
一般的な鉛バッテリーは約2.1Vの電圧を持つセルが6つあり、全部で12.6Vとなるように設計されていますので、エンジン停止時にテスターでチェックして12.5V以下なら弱くなっている証拠です。
エンジンをかけても改善しない(極端に数字が低い)のであれば、劣化しているということです」
一度弱くなってしまったバッテリーは、暖かい季節になったとしても性能が復活することはないそうです。その場合は新品に交換するタイミングだと思って交換したほうが良い、とH整備士はいいます。
もうひとつ、冬の気温の低下はオイル類にも影響を与えているそうです。
クルマのエンジンが「心臓」とするならば、オイルはいわば「血液」。寒ければ循環もうまくいかなくなり、エンジンオイルの重要な役割である「エンジン冷却」がうまく機能しなくなる危険性もあります。
「エンジンオイルは、外気温によって粘度が変化します。一般的な『10W-40』などのまま雪の多い地域などを走行していた場合は、負荷がかかって汚れている可能性もあります。
また、クルマにもよりますがエンジンオイルは徐々に減っていくこともあり、そうするとオイル残量が少なくなっている可能性もあります。
エンジンオイル切れはエンジンが高熱になり焼きつきなどトラブルの原因にもなりますので、冬の終わりだけでなく数か月に1回はレベルゲージで汚れ具合や残量をチェックすることをおすすめします」(H整備士)
■タイヤ交換時に溝やヒビなどをチェック
次に足回りです。冬のあいだに活躍したスタッドレスタイヤから、そろそろノーマルタイヤに履き替えるタイミングでもあります(凍結や積雪することがある地域ではもう少し履き続けても良いでしょう)。
タイヤは一度交換してしまうとチェックがしにくいものです。H整備士は、ノーマルタイヤに履き替える前に、タイヤの状態をしっかりチェックしてほしいといいます。
「トレッド(接地面)の溝の減り具合、サイドウォールやショルダー部分のヒビ、また装着するとなかなか見られない内側部分を装着する前にチェックすると良いでしょう。
また、タイヤを履き替えたときは、必ず空気圧のチェックをしましょう。これからの季節はどんどん路面温度も上がってきます。空気圧不足のままだとタイヤがたわみ、パンクやバーストなどトラブルを引き起こす危険性もあります。
溝の深さやタイヤの硬化具合を確認しつつ、必ず適正な空気圧を保つようにしてください」
なお、外したスタッドレスタイヤを自宅で保管するときは、平積みにして、気温が上がりにくい暗所などで保管するのが良いそうです。
ほかにも、春に向けてチェックしておくべきポイントはあるのでしょうか。
「外気温が低い状態で使われていたワイパーは、ゴム部分が硬化したり傷んでいる可能性があります。
ワイパーは雨の日の視界を確保するうえで重要なパーツですから、痛みがないか、作動時にビビりが出ないかなどをチェックしてみてください」(H整備士)
「合わせてチェックしておきたいのがウォッシャー液です。フロントウインドウの汚れがひどい場合などはウインドウォッシャーを使いますが、ウォッシャー液の補充を忘れがちで、いざ使うときに出てこないということもあります。
春先は小さい虫なども増えてきますし、鳥の行動も活発になってフンを落とされることも増えると思われますので、強力な洗浄効果と撥水効果が期待できるウォッシャー液などに交換するのも良いと思います」(H整備士)
花粉が飛散する春先は、エアコンのフィルターのチェックもしておきたいところです。エアコンフィルターを交換するなら、花粉のシーズン前と後とどちらが適切なのでしょうか。
「花粉シーズンの前に交換するか、それとも終わってから交換するか判断は難しいものですが、花粉症は熱っぽくなったり集中力が続かなくなるなど運転に支障をきたすおそれがあるので、できれば事前にフィルターを交換して、キレイな状態にしておくことをおすすめします」(H整備士)
※ ※ ※
今回のチェックポイントは、春先だけでなく、実は年間を通じて気にしたいポイントでもあります。
バッテリーやエンジンオイル、タイヤの空気圧など、定期的にチェックして、クルマの状態を常に良好に保ちましょう。
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みんなのコメント
ってテーマで同じような記事を書きそうですね。
一般的なオイルを外気温の低い地域で使っていると‥という意味なら、10Wは-25℃対応なので北海道の内陸部や本州の山岳地帯以外で-25℃以下になる場所って殆ど無いですよね。
どんな所を想定しているのかを知りたいです。