富士スピードウェイの人気恒例イベントのエコカーカップが2020年2月11日(火・祝)に開催された。
今回もベストカーWebチームはトヨタプリウスで参戦。デジスパイスの生みの親、田口幸弘氏、自動車評論家の鈴木直也氏、2名のベストカーCLUB員という4人のドライバー体制で冬の決戦に臨んだ。
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ベストカーWebチームはもはや常連と言っていいレベルだが、イマイチ成績を残せていない。目に見える結果を求めて、ドライバーが奮闘!!
文:鈴木直也/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】新旧いろいろなクルマが参戦~エコカーカップ2020~
マシンのハイテク化ではトップクラス!?
エコカーカップ常連となっているベストカーWebチームは、戦闘力が高く参戦者からも人気の高いトヨタプリウスで参戦。ゼッケン708は『な・お・や』だ
今年も恒例のエコカーカップの季節がやってきた。
富士スピードウェイフルコースを舞台に、3分15秒の規定タイムより速く走らないよう周回し、レース順位と燃費の総合ポイントで競うこのイベント、実際にやってみると予想以上に難しく奥が深い。
われわれはすでに“常連”といっていいエントラントだが、走りはお手の物なのに燃費やペナルティなどが足を引っ張り、なかなか結果を出せずにいる。
ぶっちゃけ、みんな速く走るのが大好きだから3分15秒ギリギリを攻めたがり、ついウッカリそれ以下のタイムを出してペナルティをもらう。
田口幸弘氏、鈴木直也氏の両名を招聘し、2名のベストカーCLUB員がドライバーを担当。写真はスターティンググリッドで撮影
当然、燃費もあんまり褒められたものではなく、レースでは上位でフィニッシュするのに総合成績では低迷してしまうのだ。
それでも、最近は田口幸宏さんの「デジスパイス」をはじめ、ベストカー・クラブメンバーの協力を得たラリーコンピュータ、無線、動画のライブ配信装備など、マシンのハイテク化を推進。たぶん、この面ではトップクラスの体制を構築したといっていい。
このハイテク装備、テストの結果は上々だ。
今やエコカーカップの必須アイテムのデジスパイスに加えてラリーコンピューターを導入。無線、動画のライブ配信などハイテク化が凄い
ペナルティで大きく沈む……
エコカーカップは常にフルエントリー66台満員御礼の人気イベント。いくら富士スピードウェイが広いといっても、それだけの数の競技車が走り出すとあちこちのコーナーで“渋滞”が起きる。
単独走行なら決められたラップタイムを維持するのにそんなに苦労はしないが、トラフィックの中では遅れを取り戻したり早着を調整したり細かいアジャストが必須で、これが“勝負のアヤ”となってくる。
今回のエコカーカップでは一時総合で6位を走行し、コンスタントにトップ10に入っていたことからも、ポテンシャルを発揮していた
これまで、わがチームの作戦は3つのセクターごとに目標通過タイムを決めておく程度だったが、実際のレースになるとセクタータイムは常に変化せざるを得ない。
結局のところ、最終コーナーを立ち上がってから泥縄でラップタイムの辻褄を合わせることになり、途中で無駄なガソリンを使ってしまうことが多かった。
しかし、今回新たに装備したラリーコンピュータはリアルタイムで*秒先行とか*秒遅れが把握できる!
バトルをしたり、混雑していたりすると如実に燃費が悪化する。毎回の課題として、ベストカーWebチームは燃費の向上が急務だ
このため、ドライバーは、「ヘアピンまでで7秒先行しているから、ペースの落ちる第3セクターでその貯金を使おう」といった走行プランが立てやすく、そのぶん燃費ロスを減らせる実感があるのだ。
つまり、3分15秒以上という目標ラップタイムを維持するための負担が減り、ドライバーは省燃費ドライビングにより集中することが可能となってきたというわけ。
前日のベストカーCLUB員によるテスト走行では、3分15秒を維持しつつリッッター17km台の燃費で走ることが可能というデータを得ているだけに、「そろそろ、総合10位以内、クラス表彰台が目標だよね!」、そんな明るいムードでレースに臨んだのでありました。
3時間中に5回のピットインが義務付けられていて、ドライバー交代のロスを減らすことも重要。今回はそのドライバー交代の時に痛恨のペナルティ!!
ところがどっこい、やっぱり勝負は水物ですなぁ! なかなか思惑どおりに事は運ばず、途中で予想外のペナルティをもらうなどして結果は総合44位に低迷。またしても課題を残すこととなりました。
次回大会への光明が!!
ただし、もちろん得るところも大いにあって、燃費をどうやって向上させるかについては面白いヒントがみつかった。
作戦の関係で、ワタクシ鈴木直也はラスト3周を担当したのですが、実は180分経過=チェッカーと誤解して1周早くスローダウン。その時点で15.1km/Lだった燃費が、1周半(最終ラップと燃費確認ポイントまでの移動)スロー走行したことで15.5km/Lまで上昇するのを体験したのだ。
3時間走行するなかで、燃費に厳しい時は必ず訪れる。その時のために燃費を稼ぐパートをどれだけ確保できるかも重要になってくる
計算してみると、この最後の1周半の燃費は37.7km/L。EV走行ぶんがあるにしても、まだまだ燃費を向上させる余地があるってことだよね、これは。
これまでの結果をふりかえると、我がチームはレース順位は常に上位でフィニッシュする実力を持っているのだが、課題は燃費とペナルティ。
我々と同クラスでトップのチームは19.0km/Lを記録していて、つまりここに届かない限りクラス優勝はない。
次回はノーペナルティ、燃費19.0km/Lを目標に、我がベストカーチムはますます精進する所存でございます!
今回の予選は田口氏が担当し、66台中44位だった。タイヤ空気圧を上げ過ぎたのが早く走れなかった要因か? 予選のポジションはとても重要だ
次回のエコカーカップは2021年開催
エコカーカップは毎年2月と9月の2回開催されている。今回は2020年の冬の決戦だったわけだが、2020年の夏の決戦は富士スピードウェイが東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技の会場になるため、残念ながら開催されない。
ということで、次回のエコカーカップは、2021年2月13日(土)の開催予定となっていて、すでにエコカーカップ2021のホームページもできている。参戦の募集については、2020年12月1日から開始される。
変更などがあった場合は、ホームページで告知されるので要チェック。
レース前のブリーフィング風景。今回の参戦者で初めてという人が半数近くいた。フラッグ、よくありがちな事故パターンなどを説明してくれるから安心
今回のレースについても、初めてエコカーカップに参戦した人が半数近くもいたように、ベテランからビギナーまでがそれぞれが楽しめるイベントがエコカーカップだ。
ここ数年のエコカーカップ人気は凄まじく、エントリーが殺到するので、参戦したい人は早めのエントリーがオススメだ。
デジスパイスはサーキット走行の必需品
鈴木直也氏の原稿にもあったとおり、ベストカーWebチームのプリウスにはデジスパイスIIIを装着して参戦。
このデジスパイスIIIは超小型GPSロガーと解析ソフトを組み合わせたスポーツドライビング解析システムでデータロガーとして人気絶大の商品だ。価格は4万4000円(税込み)だ。
デジスパイスIIIの本体は48×37×15.5mmのサイズで、重量はわずか28gの超軽量コンパクト。どんなクルマにも装着できるのが魅力。価格は4万4000円(税込み)
富士スピードウェイでもオフィシャルで使っているし、プロドライバー御用達ということで、サーキット走行には欠かせないアイテムとなっている。
手のひらサイズで軽量コンパクト。ルーフなどに貼り付けるだけでOKの優れもの。充電式なので配線の必要がないものうれしい。無料アプリをスマホやタブレットにダウンロードすればすぐに使用できる手軽さも魅力だ。
ベストカーWebプリウスに装着したデジスパイス本体。両面テープを使ってルーフに貼るだけでOKだの手軽さがナイス!!
最高速、走行距離といった車両の各種データを取得し、解析することができるのはもちろんのこと、データをダウンロードすることでプロドライバーの走りやスーパーGTマシンとの違いなどを比較することもできる。
今回エコカーカップでは主にラップタイマーとして使用し、3分15秒という規定タイムとの差が一目瞭然でわかりドライバーからも大好評。
サーキット走行で使用する場合、国際コースからミニサーキットまで幅広く対応しているので「速く走りたい」、「タイムを縮めたい」人にオススメだ。
【画像ギャラリー】新旧いろいろなクルマが参戦~エコカーカップ2020~
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