Hondaとヤマト運輸は、交換式バッテリーを用いた軽EV(電気自動車)の集配業務における実証を2023年11月から開始すると発表した。なお、交換式バッテリーの電力には再生可能エネルギー由来電力(以下 再エネ電力)を活用し、エネルギーマネジメントの実現に貢献する。本実証には、交換式バッテリーを動力源に走行するHondaの軽EV「MEV-VAN Concept(エムイーブイバン コンセプト)」を使用する。
Hondaは、2050年にHondaが関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指している。この実現に向けた取り組みの一つとして、交換式バッテリー「Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー、以下モバイルパワーパック)」を用いて電動モビリティの拡充を図るほか、再エネ電力の利用拡大を進めている。
ホンダがヤマト運輸とタッグを組んで新型軽バンEVの集配業務における実用性の検証を本年6月から実施すると発表
ヤマトグループは、「2050年温室効果ガス自社排出量実質ゼロ」および「2030年温室効果ガス自社排出量48%削減(2020年度比)」の実現に向けて、EV20,000台の導入、太陽光発電設備810基の導入、ドライアイス使用量ゼロの運用構築、再エネ電力の使用率を全体の70%まで向上させるという主要施策を中心に、各取り組みを進めている。
両社は、2023年6月から、Hondaが2024年春に発売を予定している新型軽商用EV「N-VAN e:(エヌバン イー)」を用いた集配業務における実用性を検証するなど、サステナブルな物流の実現に向けた実証を進めてきたが、EVを導入するうえでは、充電による待機時間や、夜間の一斉充電による電力使用ピークの偏りなど、さまざまな課題があり、交換式バッテリーの有用性が期待されている。
今回の実証で使用するHondaのMEV-VAN Conceptは、交換式バッテリーであるモバイルパワーパック8本を搭載した電動パワーユニットで走行する、軽EVのコンセプトモデルだ。日中に太陽光で発電した再エネ電力を充電した交換式バッテリーを使用することで、充電による待機時間の削減や電力使用ピークの緩和など、より効率的なエネルギーマネジメントの実現に貢献する。
■実証概要
開始時期:2023年11月
車両台数:1台(順次、複数台での実証予定)
実施場所:群馬県内
実証内容
(1)集配業務における実用性や車両性能
・バッテリーレイアウトを含む集配業務における車両の使い勝手や、航続可能距離などバッテリー交換作業と現場オペレーションの両立性
・登坂時や積載量の多い場合など、集配業務におけるさまざまな条件下で必要とされる動力性能
(2)太陽光発電による再エネ電力の有効活用
(3)交換式バッテリー運用における各種基礎データの取得・検証
・集配業務を通じたバッテリーの耐久性
・日々の集配業務における車速、アクセルやブレーキなどドライバーの運転操作や、空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データの取得
・複数のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの実現性
MEV-VAN Conceptは、東京ビッグサイトにて10月25、26日(プレスデー)、10月28日~11月5日(一般公開)まで開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のHondaブースで展示を予定している。展示車両は「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」専用の特別デザインでの展示となる予定だ。
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