去る2月10日から12日までの3日間、インテックス大阪で開催された大阪オートメッセ2024。有力ショップの面々が手がけた最先端のサウンドカーの比較試聴できるファンにとって嬉しい場となり、多くの来場者が良質なサウンドを体験した。
輸入商社のフェリスソニードが展示したBMW『M3』はイタリアのオーディオブランドであるQUARTORIGO(以下クワトロリゴ)を大きくフィーチャーしたハイエンド仕様となっている。
[カーオーディオ 逸品探究]コンペティターからの支持も厚い「クワトロリゴ」のアンプ、『TEMPO Series』の実力を分析!
◆上質でデザイン性の高いクワトロリゴの最新アイテムをインストール
はじめにクワトロリゴ(旧ブランド名はシンフォニ)をかいつまんで説明しておこう。同ブランドはイタリアの中部マチェラタの地にて1997年に創業。設立時から現在に至るまでオーディオファンに向けて音楽性重視のパワーアンプ開発、のちスピーカーを手がける。ラインナップは豊富で100%イタリア本国で作られているという。
昨年サウンドコンペ車両に搭載、優勝で話題となった驚愕のスーパーハイエンドアンプ Desiderio(デシデリオ)はクワトロリゴに頂点を極めたモデル。対してOPUS(以下オーパス)は次世代を牽引する新しいシリーズという。デシデリオはヘビーな作りだが、オーパスはスリムな趣きで重量は7.7kgとなっている。ヒートシンクのデザインがピアノの鍵盤という趣きも洒落ていて飽きないと思う。
BMW M3のシステムはオーパス1(ワン)と2(トゥ)、回路の異なる2つの機種を導入。オーパス1(ワン)は動作クラスA級を採用。定格出力4Ω時@100W×2ch。一方、オーパス2(トゥ)は動作クラスAB級で定格出力4Ω時@220W×2ch。各ユニットを精緻にドライブする駆動力、S/Nの高さ、ピュアな質感がパワーアンプに求められる。なお全体のシステム構成は複雑なので添付のチャートを見ていただきたい。
◆シーネ・エイの得意とする繊細な発音とニュアンス
スタジオの空気感までを再現
フロントステージはオーパスのスピーカーを搭載。ツイーター(振動板にシルク素材を使ったドームツイーター28mm口径)、ミッドレンジ(振動板はペーパーコーンで89mm口径)、ミッドウーファー(ペーパーコーン採用16.5cm)各ユニットをワンオフでセット。ミッドレンジ再生にA級のオーパス1を、ミッドバスにはAB級のオーパス2を使用する。なおツイーターはクワトロリゴ・エクスプローラーワンが使われているという。
送り出しのDAプレーヤーはFiio・M17でデジタルシグナルプロセッサーはRESOLUT M-DSPをセレクト。同機の特徴は演算処理が 192kHz/64bit の解像度で行われ、複雑な信号処理も最高レベルのディティールをキープすることに注力する。音質の要、D/A変換にはES9038PRO Sabreチップを使いL/R独立でS/Nを稼いでいる。
Sinne Eeg シーネ・エイ(女性ボーカル)「シングススタンダード」のアルバムから一曲、聴かせていただいた。彼女が得意とする繊細な発音とニュアンス、正確な音程もよく分かる。ウッドベースの弦の弾ける立上がりと倍音、スタジオの空気感までもしっかりとリスナーに届くから驚きだ。音像定位はシャープで音調はナチュラルそのもの。スピーカーの性能と鳴らし方を理解した上でクロスポイントとスロープ、各ユニットの音量レベル合わせ、タイムアライメント(位相管理)と、長年コンテストで培ってきた調整技術がここに活かされている。けっして難しいオーディオの音ではなく、自然体のバランスを意識した音創りは誰でもが楽しめるものと付け加えておく。
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