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大マジだったけどやっぱり「ププッ」となっちゃうクルマのキャッチフレーズ7選

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大マジだったけどやっぱり「ププッ」となっちゃうクルマのキャッチフレーズ7選

 最近はあまり印象に残るものがないと感じるが、かつてのクルマには「面白いキャッチフレーズ」をもったものが多かった。カタログに掲載されたりテレビCMで流されることで、そのクルマを強く印象づけるキャッチフレーズ。「いいね!」と思わせるものもたくさんあったけど、なかには「プププ……」と笑いを堪えきれないものもあったのだ。

 そこで今回は「ププッ」となっちゃうクルマのキャッチフレーズをピックアップ。

大マジだったけどやっぱり「ププッ」となっちゃうクルマのキャッチフレーズ7選

文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/トヨタ、日産、FavCars.com

よく考えないと意味がわからない謎のキャッチフレーズ

■「街の遊撃手」 いすゞ・ジェミニ

 「遊撃手」とは野球で2塁と3塁の間を守る内野手のことで、一般には「ショート」と呼ばれる。守備のカナメとも言われ、俊足・強肩・堅守を備えたフットワークに優れた選手が多い。FRからFFへ進化した1985年登場の2代目ジェミニのイメージだった「キビキビした走り」を表現したテレビCMには多くのバージョンが作られた。

 複数台のジェミニがパリの街中を流れるように駆け抜け、まるでダンスを踊るようにスピンターンや片輪走行、ジャンプをするなどして視聴者を魅了。超ハイレベルなスタントシーンのオンパレードだが、選曲がチャイコフスキーの「花のワルツ」などの軽やかな名曲を選んでいることで優雅さをも感じさせた。

 ただ、「ショートを守る選手のように軽いフットワークをもつクルマ」は見事に表現していたが、「街のショート」ではなんのことかわからない……。そこでキャッチフレーズに「遊撃手」と入れたことが推測されるが、野球をあまり知らない人には「街の遊撃手」と言われても「??」となったことだろう。

カタログも欧州の街中でのロケ写真を使用。「街の遊撃手」のデザインを担当したのはG・ジウジアーロ。なるほどヨーロッパの街並みが似合うはずだ

■「くうねるあそぶ」 日産・セフィーロ

 テレビCMでは、セフィーロに乗った井上陽水が登場し、窓を開けて少しとぼけた感じで「みなさん、おげんきですかぁ~」と言うセリフが有名。超有名コピーライター糸井重里が生んだ「くうねるあそぶ」は、その映像冒頭に文字として登場する。

 保守的だったそれ以前の時代に比べ、時はまさにイケイケの時代。「食う・寝る」は人が生きていくために必要なこと。それに「遊ぶ」を加えてさらにすべてひらがなで入れたところに、時代の象徴と糸井重里のセンスを感じたものだった。

 この「くうねるあそぶ」という字ヅラに「ププッ」というか安堵の「フッ」という声を漏らした人もいるだろうが、実はセフィーロの登場は1988年で、昭和天皇の病状が深刻な頃。CMの「みなさん、おげんきですかぁ~」が「宮さん、おげんきですかぁ~」に聞こえるとし、「不謹慎」というクレームが。その後はこのセリフなしで放映されたのだった。

1988年にデビューしたセフィーロの「くうねるあそぶ」はトレンドワードに。プロジェクターヘッドランプを標準で採用するなど、CM同様に斬新なスタイリングも話題に

高らかに宣言! が、ちょっと気恥ずかしい…

■「スポーツカーに乗ろうと思う」 日産・フェアレディZ

 1989年にデビューした4代目フェアレディZ(Z32)のキャッチフレーズ。初代Zから始まったロングノーズ・ショートデッキのデザインからかなりマッシブなデザインになったモデル。悪く言えば「ずんぐりむっくり」な感じで、キャッチフレーズより先にこの姿に大きく反応したそれまでのZファンは大勢いた。

 テレビCMでは、真紅のZが緩やかにスピンターンするシーンの後に映し出される「スポーツカーに乗ろうと思う」の文字が印象的。自分ごとで申し訳ないが、私はかつてユーノスロードスターが欲しくて妻にまったく同じ文言を言い、ただひと言冷たく「あっそ」と言われたことを思い出してしまった。ちょっと悲しかった思い出。

バブル絶頂期に登場したZ32。先々代、先代の人気も絶大でフェアレディZは憧れの的。それだけに、バブル景気に浮かれたクルマ好きは「スポーツカーに乗ろうと思う」なんて言われちゃうと是が非でも手に入れたいと思ったはず!?

代々「父」にこだわる…

■「I am a father」「父になろう」「俺。父。俺。」 トヨタ・ヴォクシー

 箱型デザイン(BOXY)のヴォクシーのキャッチフレーズは「父」にこだわりがある。2001年に登場した初代ヴォクシーのテレビCMではザ・ローリング・ストーンズの「(I Can’t Get No) Satisfaction」とともにトータス松本が登場。映像後半に「I am a father」の文字が流れるというもの。

 余談だが、このストーンズの(I Can’t Get No) Satisfactionは、Can’tとNoの二重否定となっていて、パッと見は「満足できる」という意味に思えるが、実はまったく反対の「全然満足できねーよ!」の意味。今までのミニバンでは「(カッコ悪くて)満足できねーよ!」を表現しているのかもしれない。

 そしてこの曲、同じくトヨタのセリカのテレビCMでも使われていた。おそらくそのメッセージ性が「新しく発売するクルマ」にはピッタリなのだろう。

 話が逸れたが、2代目では布袋寅泰、反町隆史、浅野忠信が登場し、「父になろう」のフレーズ。さらに3代目は瑛太が登場し、映像中に「俺。父。俺。」の文字が流れる。これだけ「(カッコイイ)父」にこだわったからか、硬派なイメージのヴォクシーは子育て世代の(カッコイイ)パパによく選ばれているという。

初代のお父さんはトータス松本。その後もかっこいいお父さんたちがCMに続々登場。新設計プラットフォームを採用するなど、かなり力の入ったニューカマーだった

ちょっと赤面系(?)

■「恋はセリカで」 トヨタ・セリカ

 1970年にデビューした初代セリカ、通称「ダルマセリカ」のキャッチフレーズは「スペシャルティカー」だったが、当時のテレビCMソングとして使われていたのが「恋はセリカで」というタイトルの歌。なので、正確にはキャッチフレーズではないが記憶に残るフレーズには間違いない。

 このCM、妖艶な女性+ダルマセリカの映像にかぶせた、英語と日本語をミックスした歌詞のなかで連呼される「恋はセリカで~♪」の歌声が、なんだか妙に印象に残るフレーズだった。

正式なキャッチフレーズは「未来の国からやってきたセリカ」。ダルマという愛称とはあまりマッチしない気はするが……

■「愛のスカイライン」 日産・スカイライン

 1968年に発売された通称「ハコスカ」と呼ばれた3代目スカイラインのキャッチフレーズで、当時の紙面広告に大きく載っていた。

 このちょっと軟派なイメージの「愛のスカイライン」というキャッチフレーズは、4代目で「ケンとメリーのスカイライン」も展開。それまでレースでの活躍が大きく脚光を浴びて硬派イメージだったスカイラインだが、幅広い年代の新たなファン層を獲得していく。

 4代目が通称「ケンメリ」と呼ばれるのはこの「ケンとメリーのスカイライン」が語源である。スカイラインは通称で呼ばれることが多く、5代目は「SKYLINE JAPAN」というキャッチフレーズから「ジャパン」、6代目の後期RS系では薄型ヘッドランプにグリルのないフロントマスクという見た目から「鉄仮面」と呼ばれている。

 余談だが、かつてのトヨタ・セリカと日産・スカイラインはライバル関係にあり、カタログに掲載されたキャッチフレーズのなかには「名ばかりのGT達は、道をあける(セリカ)」や「いま、スカイラインを追うものは誰か(スカイライン)」など、相手をかなり意識したものも多い。実はここにかなり「ププッ」となるので、注目するのも面白い!

スカイラインの硬派なイメージを激変させた愛に満ち溢れた!? キャッチフレーズを採用した3代目スカイライン。これが大成功!! ユーザー層を拡大させた

■「ブルーバード、お前の時代だ」 日産・ブルーバード

 東京コピーライタークラブの植野純によるキャッチフレーズ。1979年に登場した6代目910系ブルーバードのテレビCMでは、当時大人気だったジュリーこと沢田研二の歌うI am I(俺は俺)が流れ、後半に「ブルーバード、お前の時代だ」のセリフが入る。

 自分がこのセリフを言ったとしたら「ププッ」と照れ臭くなるが、このちょっとキザなセリフも当時のジュリーなら何の違和感もなかった。このフレーズとともに「ザ・スーパースター’80」のフレーズも掲げられ、当時スーパースターだったジュリーとともに紙面広告にも数多く登場した。

「910ブル」の愛称で親しまれた6代目ブルーバード。ダットサンの名を冠した最後のブルーバードとなった

 と、こうして思い起こしてみると、先進のシステムや他車を凌駕する最高出力、優れたハンドリング、美しいデザイン、他車との差別化、オリジナリティーなどなど、「打ち出したいイメージ」が確実にあったかつてのクルマには、「ププッ」なものもあるけど印象的なキャッチフレーズやCMが多かったように思う。他にも面白いキャッチフレーズはたくさんあるので、機会があればまた次の機会に!

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みんなのコメント

29件
  • 買うか買わないかは別にして車に乗りたくなるキャッチフレーズ、悪くないと思う。カーボンニュートラルとか一切関係ない時代は楽しかった。
  • ◯◯爆誕! にいつも引いてる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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