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「名将が手がけたDC5インテグラタイプR最強チューンド!」500馬力のVTECターボを武器にサーキットを駆ける!

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「名将が手がけたDC5インテグラタイプR最強チューンド!」500馬力のVTECターボを武器にサーキットを駆ける!

最強を目指して製作されたK20A改2.4L+GT3037プロSターボ仕様!

扱いやすさとハイパワーを両立させたパワーユニット

「名将が手がけたDC5インテグラタイプR最強チューンド!」500馬力のVTECターボを武器にサーキットを駆ける!

ストリートでもサーキットでも場所を選ばず戦える最強FFチューンド。そんなコンセプトのもと、トップフューエルが製作したのがこのDC5インテグラタイプRだ。

「あれこれ試して、最初はNAのNOS仕様に落ち着いたんやけど、どうもボクが求めてる理想のパワーとは違ったんよ。じゃあどうするかと悩み続けて出した結論がこの仕様なんやわ」。トップフューエル平野代表がダブルアールのエンジンルームを眺めながらそう語る。

その視線の先には、もちろんタイプRの証である赤ヘッドを持つK20Aが鎮座しているのだが、本来K20Aユニットとは縁のないインタークーラー、そしてタービンの姿が確認できる。異様な迫力だ。そう、平野代表が辿り着いたのは、現在のトップフューエルの代名詞ともいえる、VTECエンジンのターボ化によるパワーアップだったのだ。

やみくもに最大パワーだけを求めては完全な高回転型ユニットとなり、クセが強く乗りにくくなってしまう。このマシンには万能型という絶対条件があったため、扱いづらく耐久性が低くなってしまうのはNG。そのため、エンジンは低中回転域のトルクを重視するという意味で、オデッセイ・アブソルートに搭載されるK24Aの腰下を流用し、排気量を2.4Lまでスープアップ。そこにアクチュエーター式で最大サイズとなるGT3037プロSをドッキングしている。

なお、タービンはバルクヘッドを加工することでスペースを確保。インタークーラーは、ラジエターにできるだけ多くの走行風を取り込むことと、タービンレスポンスの向上を狙って上置きを採用。裏側には電動ファンが2基装着される。

K24Aの腰下を流用することによりエンジンの全高が約5cmアップするため、そのままだと純正パワステポンプがボンネットに接触してしまう。対策としてMR2用電動パワステポンプを流用、プーリーも電動パワステを採用するEP3シビックタイプR用を移植している。

また、VTECの制御は純正ECUに任せるカタチで手を加えず、燃調や点火時期のセッティングをF-CON Vプロによって綿密に敢行。その結果、ブースト圧1.2キロ時に512psという強烈なパワーを発生させつつも、4000rpmから30kgm以上のトルクを発揮し、レブリミットの9200rpm近くまでキッチリとパワーが追従する理想的なエンジンが完成した。抜群のエンジンレスポンスとフラットなパワー特性は、ターボというよりNAに近いフィーリングをドライバーに与えるという。

「2.0Lのエンジンでこのサイズのタービンをキッチリ回そう思うと、カム交換とか色々せなあかんように思うかもしれんけど、K20Aなら腰下もヘッドもノーマルで問題なし。VTECでハイカムに切り替わるのは、他のクルマでいうカム交換と同じやもんで、ノーマルカムでも高回転まで回した時の排圧はかなり高い。だから、低中回転域は排気量アップで図太いトルクを出してやって、高回転域はVTECとターボのコンビでドカンとパワーを出してやるわけ。VTECとターボって、なかなかええコンビなんよ」と平野代表。

エキゾーストのレイアウトは大胆で、マフラーのテールエンドがミッションの真後ろにくる。排気効率を追求したのもそうだが、リヤビューに今までにない独特なスタイルを持たせたかったというのも理由のひとつ。マフラー横に伸びるもう1本のパイプは、タービンのアクチュエーター大気解放用に新設したものだ。

一方、サスペンションはサーキットアタックを想定したザックスの特注品。ショートストローク構造としつつ、粘りのある動きを実現するためのセットアップが行われる。スプリングはフロントがハイパコの18kg/mmで、リヤが無限の20kg/mm。またタイロッドエンドをオリジナル品に交換し、フロント側のキャスターをプラス方向に増やすため、ロワアームを偏心ピロによってオフセットさせている。

ホイールはアドバンレーシングTC2(FR8.5J+35)で、タイヤは同じくアドバンのA048(F245/40-17 R215/40-17)が組み合わされる。ホイールの隙間から見えるのは、F40ブレンボキャリパー&340mmローターだ。

いくらクルマが速かろうと、造作が美しくなくては全て台無しだという平野氏の考えをもとに製作されたインテリア。Vプロ、HKS製追加メーター(ブースト圧、水温、油温)は純正モニター位置にインストール。

さらに、エンジンルームのスペースを確保するため移植されたMR2用電動パワステポンプとドライバッテリーは助手席足元に。また、ワンオフのコレクタータンクはリヤフェンダーの裏に設置されることで、室内をスマートにまとめるのに一役買っている。

上置きインタークーラーを効率良く冷却するため、左ヘッドライトはダクト化して走行風を導入。C-WEST製のボンネットにはふたつのダクトが新設され、ひとつはタービンへフレッシュエアを導くため。もうひとつは左ヘッドライトから導入された空気がインタークーラーを通り、エンジンルームの外へ抜けていくためのものだ。また軽量化のためカーボンリヤトランクや軽量フロントガラスを採用しつつ、左右のドアは徹底的に肉抜きされている。

完成後、車両はオーストラリアの零1000総代理店の元へと運ばれ、現地のレースに参戦し活躍を続けた。国内でもこのマシンのDNAを受け継いだS2000タイプRRが主要サーキットでFR最速タイムを更新するなど、常に高みを目指して走り続ける平野代表とトップフューエル。その野望が尽きることはないのだ。

●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880

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