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不当に過小評価されている名車 39選 前編 魅力が伝わらなかった悲運のクルマたち

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不当に過小評価されている名車 39選 前編 魅力が伝わらなかった悲運のクルマたち

見落とされがちな価値を再発見

素晴らしいクルマが、しかるべき評価を受けるとは限らない。どういうわけか、本当に良いクルマの中には、「評論家」や「専門家」、そして「世間」の目を潜り抜けてしまうものもあるようだ。

【画像】もっと評価されるべき名車たち【ポルシェ914、シトロエンGSなどを写真で見る】 全98枚

そこで、過去60年間で過小評価されてきたクルマを世界中から集め、その中から賞賛に値するものをピックアップした。読者諸氏なら、このリストにどんな1台を加えるだろうか?

シトロエンGS

トラクション・アヴァント、2CV、DSについては、多くのレビュー記事やTV番組で取り扱われてきたが、シトロエンGSについてはあまり語られてこなかった。豪華な機能を満載したGSは、1971年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。

伝説的な英国人自動車ジャーナリスト、LJKセトライト氏(LJK Setright で画像検索してみよう)は、「シトロエンは自動車を電動カートと見なし、それを魔法のじゅうたんに仕立てたと言えるかもしれない」と語っている。

アルファ・ロメオ155 Q4

アルファ・ロメオ155 Q4は、インテリ向けのランチア・デルタ・インテグラーレである。標準仕様の155 TSが最高出力147psの2.0Lツインスパーク・エンジンを搭載しているのに対し、Q4は最高出力190ps、0-97km/h加速7.0秒の2.0Lターボエンジンが特徴だ。

パワーは四輪に送られるため、ガブリエレ・タルキーニのように砂利や芝生に埋もれる心配はない。

オペル(ヴォグゾール)・カールトン

公道を走るには速すぎる。もはや禁止されるべきだ。オペル(ヴォグゾール)・ロータス・カールトンについては過去の試乗記事に取り上げているが、このスーパーカー殺しのセダンは、モータースポーツの歴史に名を残すにふさわしい。

ロータスのエンジニアリングが施されているものの、優れたファミリーセダンであったことは忘れられがちだ。残念ながら、実力にふさわしい評価を受けることはほとんどない。

シトロエンZX

「シトロエン」の看板を背負うのは、いろいろな意味で大変なことだろう。特にフォード・エスコートやオペル・アストラのような人気車種から売り上げを奪うことを使命とする場合、輝かしいスターたちの前では目立つことすら難しいかもしれない。

1991年に発売されたシトロエンZXは、おそらく当時購入できる中で最高のファミリーハッチバックだったが、今ではすっかり忘れ去られている。ZX Volcaneは、最初のディーゼル・ホットハッチの1つであった。

ポルシェ914および914/6

ポルシェらしくないスタイリング。おそらくフォルクスワーゲンとの関係もあるのだろう。それとも、ミドエンジン車であることが理由なのだろうか。1つだけ確かなのは、あまりにも高価だったということだ。

その理由はともかく、924、944、928、968など、カルマンギアの後継車は常に911の陰に隠れるように存在してきた。しかし、世界初のミドシップスポーツカーとして、このクルマはもっと尊敬されてもいいはずだ。まるで、ポケットサイズのポルシェ917のようなものである。

フォルクスワーゲン・パサート

パサートは、平凡な大衆車と華やかな高級車の中間に位置するクルマだ。一部の人にとっては、両方の世界を味わえるベストな選択肢となり得る。同時に、妥協の産物であるとも言える。

パサートはアウディの束縛から解き放たれるや否や(1988年のB3はデザインの名作)、アウトバーンの追い越し車線を堂々と走るようになった。B5.5は、控えめなスタイリング、スマートなインテリア、リムジンのような居住性、大きなトランクなど、パサートの素晴らしさのすべてを体現している。

ダイハツ・クオーレ

ダイハツが現代的なミニを作ろうとして出来たのがこのクルマ。軽自動車のミラは、海外で「クオーレ」を名乗っている。決してファッショナブルではないが、欧州車とも張り合える装備と実用性を備え、不思議なほど運転するのが楽しいクルマだった。

クオーレがミニなら、クオーレ・アバンツァートTR-XX R4はミニ・クーパーだったのだろう。660ccターボエンジン、四輪駆動、約750kgの車重、8500rpmのレッドラインというスペックから想像できる通り、兎にも角にも走るのが楽しい。

ボルボ164

1968年に発表されたボルボ164は、スウェーデンの同社にとって大きな挑戦であった。6気筒エンジンを搭載し、ドイツ勢に対抗する大型高級車である。1971年、ボルボ史上最もパワフルなエンジンであるフューエルインジェクション式の164Eを発表し、事態はさらに大きく動き出した。

英AUTOCAR編集部のスティーブ・クロプリ―編集長も大ファンだ。彼はこうツイートしている。「スムーズで、パワフルで、よく作られており、ラグジュアリーだ。多くの人が言うより、良いクルマ。昔ながらの長持ちするボルボでもある」

フィアット124スパイダー

フィアットが124スパイダーを開発した背景は、賞賛すべきものだ。1980年代以来の後輪駆動スポーツカーを、マツダ・ロードスターをベースに開発したのは賢いやり方だと思う。

また、1.4Lのマルチエア・エンジンが、マツダの高回転型エンジンに及ばないまでも良い働きをしていることも評価できる。アバルト124スパイダーは、最高のロードスターと言っても良いかもしれない。

フォード・エスコートRS2000 Mk5およびMk6

エスコートRS2000 Mk5とMk6は、フォードが誇る「RS」モデルの中でどの位置にあるのだろうか?おそらく、底辺に近いところだろう。しかし、それはビートルズの名曲ランキングで「A Hard Day’s Night」を11位に位置づけるようなもので、その上には大ヒット曲がいくつもある。

オペル・マンタGTE

フォード・カプリに熱狂した英国市場では、ライバルの2ドア・クーペやハッチバックはダンスフロアの端に座らされ、タンゴを踊る機会も少なかった。FI式のオペル・マンタGTEは、ブルーオーバルのライバルを凌駕するほどの素晴らしいクルマである。それはまさに、2+2のラストダンスだった。その頃にはすでに、新種のハッチバックが頭角を現していたのだ。

ジャガー420

ジャガーMk2(マーク2)の影に隠れ、420は貧乏人のEタイプだとさえ言われている。まるでそれが「悪いこと」であるかのように。

420は、4.2Lエンジンを搭載しており、3.8LのMk2よりも優れたパフォーマンスを発揮する。リアサスペンションは独立懸架で、ハンドリングもよく、スタイリングはジャガーの真骨頂といえる。420は掘り出し物であることに変わりはないが、クラシックカーとして再評価されつつある。入手するなら今のうちかも?

オースチン・マキシ

素晴らしいクルマだったはずだ。実用性を求める家族が4ドア・セダンかステーションワゴンのどちらかしか選べなかった時代に、5ドア・ハッチバックが登場したのだ。

オースチン・マキシは、ルノー16(これも過小評価されている)に対する英国の回答だったが、1970年代の英国自動車産業につきものの品質問題により、やや中途半端な状態で出荷されていた。しかし、そのせいで本当の良さが隠れてしまうようなものではない。

シボレー・コルベア

有名な人物との結びつきが、クルマにポジティブなイメージを与えることがある。ジム・クラークとロータス・コルチナ、エルビス・プレスリーとBMW 507、レディ・ディとオースチン・メトロ、アン王女と……。

しかし、不幸なシボレー・コルベアのように、あまり好ましくない関係もある。社会運動家ラルフ・ネーダーの著書『どんなスピードでも自動車は危険だ(原題:Unsafe at Any Speed)』は、米国の自動車産業全体の問題を浮き彫りにしたが、技術的に優れたコルヴェアが非難を浴びることになった。後のデータでは、当時の同等車種と比較して危険性が低いことが判明している。

MG ZS 180

2004年、リチャード・ブレムナー記者はAUTOCARへの寄稿で、こう語っている。「1995年に400として登場したローバー45のMG ZS版は、MGローバー嫌いの人が誰でも認めるほどの能力を持った、驚くほど効果的なキットであることは以前にも述べた通りだ」

特に最高出力180psのV6エンジンを積んだZS 180の場合、その変貌ぶりは目を見張るものがあった。

ジャガーXE

ジャガーXEは、英国人お気に入りのコンパクトセダンだ。BMW 3シリーズよりも優れており、ほとんどの点でメルセデス・ベンツCクラスやアウディA4よりもはるかによく出来ている。たとえ心を奪われたとしても、アルファ・ロメオ・ジュリアよりこちらを選ぶ。

英国市場でドイツ勢に差をつけるには、本当に特別な「何か」が必要だが、ジャガーはまさにそれを実現したのである。多くの人がXEをスルーしようとするのは、ただただ残念なことだ。

フェラーリ・モンディアル

「4人乗りのフェラーリ」というアイデアは、一部の純粋主義者から忌み嫌われている。612スカリエッティやFFでさえ、世論を変えることはできなかったのだ。1980年にモンディアル8として発表されたモンディアルは、欠点がないわけではなかった。

215psという出力はホットハッチ程度のもので、インテリアのパッケージングも理想的とは言い難いものだった。不人気車種ではあるが、マラネロで開発されたV8エンジンを搭載するフェラーリであることに変わりはない。

日産パルサー

日本ではパルサーの名は2000年に消えてしまったが、海外の一部市場ではしぶとく生き残っていたりする。しかし、スタイリングは堅苦しく、古臭さを感じさせる。日産がなぜセダンに見切りをつけてクロスオーバー車に力を注いだのか、その姿を見れば気づかされるだろう……。

しかし、もし体格の大きい人を後部座席に座らせるなら、パルサーは一見の価値ありだ。まるでリムジンに乗ったような感覚を味わえる。

デ・トマソ・マングスタ

デ・トマソ初のスーパーカーは、ジョルジェット・ジウジアーロのボツ案(元はイソ向け)と、米国製V8エンジンを組み合わせて1965年に誕生した。アレハンドロ・デ・トマソは、キャロル・シェルビーに「マングスタ(イタリア語でマングースの意)は、コブラに対抗して勝つだろう」と語ったと言われている。マングスタは、この時代の最も偉大なスーパーカーと肩を並べるにふさわしいモデルだ。

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みんなのコメント

15件
  • 扉画像はスズキキザシ(メザシではないよ)に見えるのだがどうしてキザシを記事中で取り上げないのか不思議だ。
    覆面パトとして日本中で大量に採用された「悲運の名車」なのでしょ?
  • へぇ~、500のミラアヴァンツァートって輸出してたんだね。
    税優遇がないのにこういうクルマを選ぶ人がどういう人なのかは興味深いね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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