はじめに
フォルクスワーゲンのバンは、T7世代に至ったが、同時に多様化も図られた。まずはT6トランスポーター直系にあたるこのT7マルチバン、次に完全電動車のID.Buzz、そしてフォードとの共同開発車だ。
【画像】写真で見るフォルクスワーゲン・マルチバンとライバル 全16枚
この3車種に、直接的な関係はない。そして、空冷リアエンジンのタイプ2にはじまる系譜に連なるのは、今回テストするT7マルチバンのみだ。
Tのイニシャルを持つバンのルーツは、もちろんタイプ2だ。はじまりはビートルことタイプ1のシャシーをベースに大幅改修して、ムービングパーツの上に使い勝手のいいフラットベッドを配置した、工場内で使用する運搬車だった。プラッテンバーゲンと呼ばれるこれを目にしたオランダのインポーターが、それをもとにした市販車を1947年に提案。その2年後に、晴れて量産を開始した。
ビートルは簡素で安価な実用車として開発されながら、チャーミングでひとびとに愛される存在となったが、T1ことタイプ2にも同じことが起こった。そしてT2以降、T6トランスポーターまで、程度の差こそあれ、多くの支持を集めるクルマであり続けた。現在のバン市場を見ても、モディファイされたり、ファミリーユースに供されたりしているものの多くはフォルクスワーゲン製だ。
そのことが、最新世代の多様化につながったと言える。商用にフォーカスしたニーズは、フォードとのジョイントベンチャーが満たすことになるだろう。もっとクールで斬新なものが欲しいユーザーは、EVのID.Buzzに目を向けるはずだ。
そして、3つのバン系モデルの中で、公式にT7の名を使う唯一の存在が、今回のマルチバンである。初代が76年前にそうだったように、ひとびとを魅了するクルマなのか、確かめていこう。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ID.Buzzは高価だが、T7マルチバンも4万3720ポンド(約700万円)からと安くはない。プラットフォームは、アウディA3からスコダ・シュパーブまで、フォルクスワーゲングループで広く使われるMQBだが、これまでのMQB採用モデルにないほど広い空間を備えている。
全長は2種類用意される。テスト車はショート版で、全長は4973mm、ホイールベースは3124mm。全幅は1941mm、全高は1907mmだ。1500ポンド(約24万円)高いロングモデルは、リアのオーバーハングが200mm伸び、5173mmとなる。載せられた大型犬は喜びそうだが、駐車スペースはどこでも歓迎とはいかなくなりそうだ。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビーム。前後とも、コイルスプリングにパッシブダンパーの組み合わせで、ローダウンスプリングとアダプティブシャシーのオプションはテスト車には装着されていない。
フロントドアは前ヒンジで、リアドアはスライド式。上位グレードには電動スライド機構が備わる。テールゲートは1ピースの上開きで、こちらも電動機構が用意されている。
グレードは、エントリーレベルのライフと上位のスタイルの2種類。エンジンはすべて横置きで、DCTを介して前輪を駆動する。
ガソリンエンジンはグレードにより設定が変わる。ライフは136psの1.5L、スタイルは204psの2.0Lで、どちらもターボだ。ディーゼルは150psの2.0Lで、この3つのエンジンには7速ギアボックスが組み合わされる。
このほか、eハイブリッドと呼ばれるPHEVも設定。150psの1.4Lガソリンと116psの電気モーターを組み合わせ、システム出力は218ps。6速ギアボックスを介して前輪を駆動するのに加え、床下の13kWhバッテリーにより、公称47kmのEV走行も可能だ。
フォルクスワーゲンのラインナップにおける区分は商用車だが、乗用モデルも用意されている。
内装 ★★★★★★★★★★
テスト車は上位グレードで、さらにオプションが追加されている。しかし、どの機種も実用性や万能性は同レベルだ。支持者が、一度乗ったらほかには戻れない、という所以だ。
フロントには大きく幅広い、電動調整式シートが2脚。ドライビングポジションは比較的リラックスした、アップライトな姿勢で、ステアリングホイールのアングルは乗用車的だ。
このアーキテクチャーのハードウェアは、ほぼ前車軸とフロントシートの間に集中しており、じつにフレキシブルな構造となっている。そのため、背の低いセダンにも、全高2m近いバンにも使用できるのだ。
快適な環境を得るのはきわめて簡単だ。シートの周りには開けたスペースがあるが、これはギアセレクターがダッシュボードの高い位置に設置され、フロントウインドウが大面積で、Aピラー周辺の面積は大きいものの三角窓があるからだ。
ボディサイドはフラットで、ミラーもウインドウも大きいので、5×2m級のクルマとしては、狭い駐車場への車庫入れがもっとも楽な部類に入る。
マテリアルのフィッティングやフィニッシュはハイレベル。すらっとした表面処理、厚みがありソフトなカーペット、ダッシュボードのウッド調パネルもだ。とはいえ、オプション抜きで6万ポンド(約960万円)近い本体価格を考えると、広さだけでは元が取れないと思いたくなる。
前席周りの収納スペースは豊富だ。うっかり書類を置きっぱなしにしてしまうような頭上のシェルフはないが、各ドアにポケットはふたつあり、グローブボックスもふたつ。ダッシュボードには折りたたみ式ドリンクホルダーや、携帯電話を置くトレイも設置されている。
前後スライド式のコンソールは、小物入れとしても、2列目席のアームレストとしても使える。なお、フロントシートにはアームレストが装着されている。
キャビン後部は、望み通りにアレンジできる。カーペットの上には2300mmのレールが3組走る。テスト車は2・3列目合わせて5つのシートを備えるが、その数を減らすことも自在だ。1脚あたり15kgほどあるとはいえ、すべて脱着できる。コンソールも取り外しが可能で、さらに高さを引き上げてプレートを広げればテーブルとして使うこともできる。
シートは前後どちら向きにも設置でき、向きにかかわらずレールの端から端までスライドできる。テーブルを挟んで4人が向き合う会議室のようにも、オフィスがわりにも、シートをフルに使って大勢の子どもを送迎することも、アレンジ次第でいかようにもできるというわけだ。
このフレキシブルさにより、後席のレッグルームというのはどこが最小で最大だ、と言いにくくなっている。ゼロからフロントシートまでの3m近いスペースまで、自由自在に変えることができるからだ。
とはいえ、運転席を一般的なポジションにした場合は、2・3列目それぞれ715mmのレッグルームをとっても、さらに小さいながら積載スペースも確保できる、ということはお伝えできる。また、前席を最大限後ろへスライドしても、後席レッグルームは660mmとれる。
3列目の背後にはラゲッジシェルフがあり、それを設置して、干渉しない位置にシートを配置すると、荷室容量は469L。一般的な位置に配置した2列目の背後までをラゲッジルームにすると1844L、後席をすべて取り外すと3672Lに達する。ちなみに、ロングホイールベースの最大値は4053Lだ。
大事なのは、テールゲート開口部の幅が最小でも1200mm、高さが1160mmもあることだ。サイドドアの開口部も広く、内側には低いステップもあるので、乗降性は非常にいい。
あとふたつ、書いておくべきことがある。床下収納がないので、充電ケーブルは出しっぱなしになる。また、2列目は左右が決まっているので、取り違えると車体側に取り付けられているシートベルトが正しく装着できないのには注意が必要だ。
走り ★★★★★★★★☆☆
動力性能を語るようなクルマではないが、PHEVのマルチバンはなかなかに元気だ。加速テストでは、0−97km/hで8.4秒という悪くないタイムを出した。引越し用に借りたバンで坂道を走り、トレーラーにあおられた経験の持ち主も、このマルチバンなら安心して運転できるだろう。
おおむね静かでもある。電力で低速走行しているときは言うまでもない。走り出しはそれがデフォルトだ。これもまた使い方次第なのだが、それはPHEVが一般的に、さまざまな計算の上に成り立っているから。ハイブリッドモードを選んだり、充電が切れたりすればエンジンがかかる。目的地周辺でゼロエミッション走行するために、電力を温存したいときもそうだ。
いずれの場合も、Dレンジに入れて走り出しても、変速はほとんど感じられない。低負荷時にはエンジンがかかったり止まったりする。負荷が増すと、エンジンがかかるのが体感できる。とくにうるさいわけではないものの音量が増し、加速力が強くなるからだ。
シフトパドルで手動変速をしたくなるところだが、あまりその価値はない。DレンジかSレンジでシフトダウンすると、低いギアをホールドすることも、選択したギアのままキックダウンせずに、レブリミッターに当たるまで回転を上げてキープすることもできる。しかし、目新しいだけで、現実的に役立つということはない。
制動力は、公称2243kgもある大きなクルマとしてはなかなかのものだ。しかし、ブレーキの調整には奇妙なところがある。スロットルを抜くと、速度の下がり方は制限速度やコンディション次第だが、コースティングするときもあれば、はっきり減速するときもあるので、必要以上にどうブレーキを効かそうか考えさせられる。
危険を覚えることはまったくないのだが、一貫していないので、ストレスに感じるかもしれない。なお、牽引重量のリミットは2000kgだ。
使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆
インフォテインメント
インフォテインメントシステム、そしてエアコンのコントロールで、どのメーカーよりもストレスを感じるのがフォルクスワーゲンだ。それは、この最新世代のシステムにも言えることで、画面をタッチ操作する際に手のひらを置こうとすると、そこには音量と温度の調整部が陣取っている。
結局、指先を安定させるには、ほかの指をダッシュボードか画面上部のフレームにどうにか置いて支えるしかない。まるで、ビリヤードでトリッキーなショットを打つときのブリッジみたいで、指をつりそうになる。しかも、その邪魔なボタンはバックライトがないので、暗くなったら手探りで操作するしかないのだ。
シートヒーターの温度調節をしたいときは、シートヒーターかエアコンのボタンを押す。すると、もうひとつメニュー画面が開く。アイコンは大きいし、ADASのグラフィックもよくできている。室内の色調も悪くない選択肢が用意されている。とはいえ、使い勝手は悪い。これでは、スマートフォンのミラーリングに頼るユーザーが多くなるのではないだろうか。
それでも、悪くない点もある。1080ポンド(約17万円)のハーマンカードン製サウンドシステムは、かなりいい音だ。
燈火類
自動ヘッドライトの作動ぶりは非常によく、防眩のための照射範囲の調節は絶妙。もちろん、ライトそのものも、ハイ/ローともにみごとだ。
ステアリングとペダル
分厚いブレーキペダルは、ほぼドライバーの真正面で、スロットルペダルとの感覚はまずまず空いている。ステアリングホイールにオフセットはなく、調整範囲は広い。足元には、左足を休めておけるフラットなフロアスペースが広々している。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
ハンドリングとスタビリティなら、このクルマに重要なのは後者だ。2m近い全高のバンであれば、誰もがそう考えるはずだ。しかし、このふたつは密接な関係にあり、過酷な道でのマルチバンは、じつに整然とした身のこなしを見せる。
ステアリングはスムースでなめらか、そしてロックトウロックが3回転、回転直径12.1mというわりには比較的ダイレクトだ。正確でもあり、そこそこレスポンスもいい。基本的に、目的に適うセッティングだ。
ボディコントロールはバッチリとはいえないが、車高や重量、快適志向の55タイヤ、そしてバンというカテゴリーを考えれば想像のつく範囲内だ。しかし、見た目以上に高性能なクルマというのはあるものだ。飛ばして楽しいわけではないが。
スタビリティは優れているが、忘れてはいけないことがある。緊急時にはESCが物事を穏やかに収めてくれるが、背の高さが問題になる以前に、前輪はグリップを失ってラインがふくらんでしまう。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
タイヤの扁平率が高く、サスペンションはゆったり走らせるセッティングなので、マルチバンはのんびり走るのに向いたクルマだ。乗り心地は柔らかく、シートは大きく、室内騒音は低めだ。
しかし、ボリュームが大きく、シートは脱着式で、数m単位のスライドが可能な構造だからだろう、反響音が出るのは避けられない。とくにエンジンがかかって、会話を中断し、適度にエキサイティングな走りをするとそうだ。
言っておきたいのは、全般的にこれが洗練されたクルマだということだ。騒音計の数値も、そのことを示している。しかし、ときどきだが、セダンやワゴンでは起きないような音鳴りがして、バンであることを思い起こさせる。
プラス要素としては、オーディオの音環境としてはいいほうのクルマだということ。ロールス・ロイス・ファントムに近いハイファイサウンドだ、というテスターもいたほどだ。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
このセグメントは、ライバルが多いわけではない。ワゴンやSUVより広いスペースがほしいから選ぶ、という程度のジャンルだ。
しかし、プラグインハイブリッドにはありがちだが、この種のパワートレインから得られるものは、どういう使い方をするかに依存するところが大きい。
充電ポートは右フロントフェンダーにあり、7kW充電器で数時間かければエンプティからフル充電できる。そこからEV走行できる距離は、およそ37kmとなる計算だった。しかし、2月に48~80km/hの制限速度が入り混じる郊外路で走らせると、23km弱でエンジンが始動してしまった。
バッテリーの充電が尽きると、燃費は12.4~14.2km/L程度となるはずだ。テスト時の平均値は12.9km/Lだった。しかし、フル充電してハイブリッドモードを使えば、おそらくもっと改善されるはずだ。その場合、バッテリーが尽きるまでの距離は72kmを超え、燃費は19.5km/Lほどまで向上する。
電気もタダではないが、安価に使えることはあり、再生可能エネルギーでの発電も進みつつある。それも含めて、PHEVに向いているのは、市街地や郊外で使うことの多いユーザーだ。
税金面も考えるとCO2排出量も気になるところだ。カタログ値は、PHEVは41~43g/kmで、2.0Lディーゼルの170~175g/kmや1.5Lガソリンの180~185g/kmに対してかなりアドバンテージがある。
ちなみに、顧客満足度や信頼度の調査のほとんどで、フォルクスワーゲンはだいたいランキングの中間くらいに位置する。また、サービスセンターは、商用車でも乗用車のそれに見劣りすることはない。そしてマルチバンの残価予想は、主な競合モデルを上回っている。
スペック
レイアウト
フォルクスワーゲンの乗用車系プラットフォームを使用するので、かつてのタイプ2キャンパーのように、T7とほかの量販乗用車には大きな共通性がある。エンジンはフロント横置きで、前輪を駆動。エンジンとトランスミッションの間には、アシスト用モーターが設置される。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームで、前後ともスプリングはコイル。駆動用バッテリーは、キャビン床下に配置している。
エンジン
駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列4気筒1395ccターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:-
ボア×ストローク:φ-×-mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:148ps/5000~6000rpm
最大トルク:25.4kg-m/1550~3500rpm
エンジン許容回転数:-rpm
ハイブリッドアシスト:同期モーター
モーター最高出力:116ps
モーター最大トルク:33.6kg-m
システム総合出力:218ps/-rpm
システム総合トルク:40.8kg-m/-rpm
馬力荷重比:97ps/t
トルク荷重比:18.3kg-m/t
エンジン比出力:106ps/L
ボディ/シャシー
全長:4973mm
ホイールベース:3124mm
オーバーハング(前):952mm
オーバーハング(後):897mm
全幅(ミラー含む):2260mm
全幅(両ドア開き):3775mm
全高:1907mm
全高:(テールゲート開き):2050mm
足元長さ(1列目席):最大1070mm
足元長さ(2列目席):715mm
足元長さ(3列目席):715mm
座面~天井(1列目席):最大1080mm
座面~天井(2列目席):1020mm
座面~天井(3列目席):950mm
積載容量:469-1844-3672L
構造:スティールモノコック
車両重量:2243kg(公称値)/-kg(実測値)
抗力係数:0.30
ホイール前・後:-Jx17
タイヤ前・後:235/55 R17
ブリヂストン・トランザ
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)
変速機
形式:6速DCT
1速:3.50/8.7
2速:2.77/13.4
3速:1.85/18.2
4速:1.02/23.3
5速:1.02/29.3
6速:0.84/36.0
最終減速比:3.75:1(1速、4速)/2.89:1(2~3速、5~6速)
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:12.9km/L
ツーリング:13.4km/L
動力性能計測時:13.5km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):-km/L
中速(郊外):-km/L
高速(高速道路):-km/L
超高速:-km/L
混合:55.5km/L
EV航続距離:47~50km
燃料タンク容量:45L
駆動用バッテリー:13.0/10.0kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(モーターのみ):23km
現実的な航続距離(エンジンのみ):589km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):612km
CO2排出量:41~43g/km
サスペンション
前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後: トーションビーム/コイルスプリング
ステアリング
形式:電動機械式、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.0回転
最小回転直径:12.1m
ブレーキ
前:-mm通気冷却式ディスク
後:-mmディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、センターコンソールにスイッチ配置
静粛性
アイドリング:-dBA
全開時(3速):74dBA
48km/h走行時:60dBA
80km/h走行時:65dBA
113km/h走行時:70dBA
安全装備
ABS/ESC/BAS/EBD/ESR/EDL/XDS/LKA
Euro N CAP:5つ星(eハイブリッド)
乗員保護性能:成人90%/子供89%
歩行者保護性能:69%
安全補助装置性能:87%
発進加速
テスト条件:乾燥路面/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):3.6秒
0-40(64):4.8秒
0-50(80):6.3秒
0-60(97):8.4秒
0-70(113):10.7秒
0-80(129):13.6秒
0-90(145):17.3秒
0-100(161):22.1秒
0-402m発進加速:16.6秒(到達速度:142.4km/h)
0-1000m発進加速:29.7秒(到達速度:180.1km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォルクスワーゲン・トランスポーター・スポーツライン・コンビSWB ブラックエディション(2022年)
テスト条件:湿潤路面・強風/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.6秒
0-50(80):6.6秒
0-60(97):9.1秒
0-70(113):12.0秒
0-80(129):15.8秒
0-90(145):20.6秒
0-100(161):27.1秒
0-402m発進加速:17.3秒(到達速度:133.1km/h)
0-1000m発進加速:31.3秒(到達速度:166.4km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.5秒(2速)/3.6秒(3速)
30-50(48-80):2.9秒(2速)/3.6秒(3速)/5.1秒(4速)/6.9秒(5速)
40-60(64-97):3.8秒(3速)/5.2秒(4速)/6.8秒(5速)/8.7秒(6速)
50-70(80-113):4.7秒(3速)/5.4秒(4速)/7.2秒(5速)/9.1秒(6速)
60-80(97-129):6.2秒(4速)/7.5秒(5速)/9.8秒(6速)
70-90(113-145):7.8秒(4速)/8.2秒(5速)/10.7秒(6速)
80-100(129-161):10.2秒(4速)/10.0秒(5速)/12.2秒(6速)
制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):10.5m
50-0マイル/時(64km/h):27.3m
70-0マイル/時(80km/h):52.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.30秒
ライバルの制動距離フォルクスワーゲン・トランスポーター・スポーツライン・コンビSWB ブラックエディション(2022年)
テスト条件:湿潤路面・強風/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):9.0m
50-0マイル/時(64km/h):24.3m
70-0マイル/時(80km/h):47.1m
結論 ★★★★★★★★☆☆
マルチバンにしばらく乗れば、どうしてバンを買おうと思って、しかも一度乗ったら乗り続けるユーザーが多いのかよくわかる。
ひとつには、SUVやスポーツカーとは違って、クラスレスだということが理由だろう。どこでも好きなところへ行くことができて、クルマで値踏みされることがない。
しかし、最終的には、商用バンの万能性はそのままに、サイドとリアのウインドウが加わったクルマであるということにつきる。ほとんどの場合、ライフスタイル物件としてベストなのは、SUVではなくバンだと言える。
フォルクスワーゲン・トランスポーターは、これまで常にこのジャンルの典型的モデルだった。そして現行のT7マルチバンは、これまでと違う方向性をみせるものとなった。バンのプラットフォームを乗用に仕立てるのではなく、乗用車プラトフォームをバンに転用したのだ。
しかし、できあがったものはこれまでどおり、リラックスしてゆったり走れるクルーザーであり、そこに広大なスペースと実用的なインテリアも持ち合わせたクルマだ。使用したアーキテクチャーゆえに、運転支援や安全システムが、ハードもソフトも最新のものになったのも見逃せない。
喜ばしい高級感はある。室内空間の大きさゆえに生まれる、望ましくない音もあるが、全体的に見れば、おおむねうまく折り合いをつけている。期待どおりだといえるだろう。
担当テスターのアドバイス
マット・プライヤーパノラミックグラスルーフは、室内のボリュームをわずかに増す。しかし、常にシルクハットをかぶっているのでもなければ、実用面の必要性はないだろう。
マット・ソーンダース2トーン塗装は、クルマ好きの目を引くだろう。しかし、それによって納期が遅れてしまうのは無視できない。
オプション追加のアドバイス
はたしてライフ仕様のインフォテインメントが、今回のスタイル仕様より大幅によかったり悪かったりするのか、そこを知りたい気持ちはあるが、装備内容の充実度という点ではベーシックなグレードでも上々だ。セキュリティ性を高めるプライバシーガラスも付いている。ナビも、スマホとリンクすれば問題ない。自動ドアも必須ではない。ただ、ヒーター付きフロントウインドウが装備表から抜けるのだけは残念だ。
改善してほしいポイント
・インフォテインメントシステムのレイアウトは見直すべき。これまでもフォルクスワーゲンにはそう進言し続けてきた。ようやく、ID.3のマイナーチェンジで、変化の兆しらしきものを見ることはできたが。
・バッテリーサイズを拡大して、EV走行の距離を伸ばしてほしい。
・反響音の原因を突き止めてもらいたい。
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