IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権2022年第1戦デイトナ24時間レースのGTDプロクラスに参戦しているKCMGのチームマネジャー、マシュー・ホーソンによれば、マンタイ・レーシングから貸し出されたふたりの重要なエンジニアは「ポジティブなやり方でチームをハードに機能」させ、クルー全体に対して「非常に強く」貢献しているという。
香港を拠点とするKCMGは、ポルシェのサポートを受け、2022年のデイトナ24時間レースに初参戦。2号車ポルシェ911 GT3 Rを、ローレンス・ファントール/パトリック・ピレ/デニス・オルセン/アレキサンドレ・インペラトーリという4人で走らせており、1月29~30日開催される決勝レースを迎えようとしている。
KCMG、デイトナ24時間デビューへ。IMSA GTDチャンピオンドライバーの起用を発表
公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』最終日の1月23日に行われた予選レースでは、前日の予選で最速タイムをマークしクラス首位でスタートしたものの、最初のピットストップの際に給油リグのトラブルに見舞われ、後退していた。
そのKCMGは、WEC世界耐久選手権LMGTEプロクラスのエンジニアであるアダム・ハーディと、2021年ニュルブルクリンク24時間ウイナー・エンジニアであるカイ・ストーリングを、デイトナでのスタッフとして追加している。
デイトナのみをサポートするこの2名はドイツのマンタイ・レーシングから貸し出されているものだが、KCMGのクルーがIMSAの環境に適応するために役立っている、ホーソンと説明している。
「アダムやカイといったレベルの人がチームにいることの利点は、他のメンバーに対してそのレベルへの向上を強いることだ」とホーソンはSportscar365に対し語っている。
「我々は、あらゆる小さなアドバンテージを探し求めている。彼らはチームをハードに機能させてはいるが、それはとてもポジティブな方法を採っている。高いレベルのドライバーがいることで、それに見合うよう強いられていくのと同じだ。(チームスタッフは)緊張を緩める隙もない」
「アダムのエンジニアリンググループのまとめ方、そしてドライバーの要求の仕方の組み合わせは、我々が良い基礎を持ってここにやってきたことを意味していると思う」
「我々はスパでも信頼性の問題なしに5位でフィニッシュした。したがって、競争力を高めるために必要な構造を作り上げることはできると知っている。その構造にちょうど、アダムとカイがあてはまる場所があった」
「彼らがそれを望めば、彼らはそれを手に入れる。我々がそれを持たないのであれば、我々はそれを手に入れる。さまざまな理由から、レースの日程に近づいてからの決定となったが、我々はそれを実行するだけだ」
「(公式テストと予選レースで)我々が見せたパフォーマンスから、舞台裏で行われてきた作業のすべてが正しかったと思っている」
ホーソンによれば、KCMGは「およそ5カ月前」にIMSAへのデビューの準備を始め、ホーソンは2021年10月、バージニア・インターナショナル・レースウェイでのイベントにおいて、実地調査を実行した。
なお、チームには2021年にプロトンがオペレーションを担当したウェザーテック・レーシングのポルシェGTLMチームのメンバーを含む、IMSAでの経験を持つメカニックが在籍している。KCMGはまた、以前WECのGRレーシングと協力していたダン・マンズを新たなクルーチーフとして採用した。
一方、ハーディとストーリングは、KCMGでフルタイムで働く、ダンパー、システム、IT、サポートの各エンジニアを含む、6名のエンジニアリング・グループを形成している。
ホーソンとハーディは、ホーソンがドライバーだった時代にル・マン24時間でLMP2クラス優勝を果たしたプログラムで作業していたメンバーをベースに、連絡をとって人材を確保したという。
「私はどうかと尋ねたが、アダムがマンタイで働いていたのは明らかだった」とホーソンは説明している。
「GT3車両をデイトナで走らせるという提案について、彼がどのように感じているかをチェックするのが問題だった。とくに我々に加わるドライバーラインアップについて聞いてきたときなどは、彼は非常にオープンだった」
「カイを招き入れるというアイデアは、アダムが主に(LMGTE仕様の)RSRに従事しているのに対し、カイはGT3 Rの経験が豊富であるという観点からのものだった。これが、エンジニアリングレベルにおいて、完全なる力をを発揮できるようにする道筋だった」
「カイはまた、2020年にル・マンでのCOVID-19の発生によりポルシェの参戦体制のシャッフルが行われた際、ニュルブルクリンクで我々に協力してくれた。それは当初は個人的な関係だったが、その後、KCMG、ポルシェ、マンタイの間で本当に良い協力関係を築くことができ、全員にとって必要なすべてを機能させることができるようになった」
「このようにして、非常に強力な人々によるチームを形成することができたんだ」
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