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【交通事故から優勝!】WRC第3戦、歴代3位の秒差バトルを制しTGRのオジエが今季2勝目。勝田は3戦連続の6位フィニッシュ【クロアチア・ラリー Day3】

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【交通事故から優勝!】WRC第3戦、歴代3位の秒差バトルを制しTGRのオジエが今季2勝目。勝田は3戦連続の6位フィニッシュ【クロアチア・ラリー Day3】


WRC 2021 第3戦

第1回 クロアチア・ラリー 2021

日時:4月23~25日

サーフェイス:ターマック

SS総走行距離:300.32km(SS数20)

サービスパーク:ザグレブ

今季初のオールターマックラリーとなった、WRC 2021第3戦クロアチア・ラリーは、4月25日に最終日デイ3を迎え、TGR(トヨタGAZOOレーシング)のセバスチャン・オジエが今季2勝目を飾った。総合2位は僅差で続いたチームメイトのエルフィン・エヴァンス。3位にはティエリー・ヌービル(ヒョンデ)が入った。勝田貴元は順位を上げ、総合6位でフィニッシュしている。

【WRC 2021 第3戦】勝田貴元が2つのステージウインを奪う! トヨタは1-2体制で最終日へ【クロアチア・ラリー Day2】

■オジエを突然襲ったアクシデント
デイ3は前日までのSS数とは異なり、ザグレブから北西方面に設定された2つのステージをそれぞれリピートする4ステージで争われる。だが、ラリー最長25.20kmのロングステージがSS17と19に、そして最終のSS20は上位5台までがポイントを獲得できるパワーステージに設定されているため、クルーは最後まで気が抜けない。SS走行距離は78.58km。天候は3日連続の晴れで、気温は昼頃には18℃まで上がる予報。前日に比べると暖かい。朝のタイヤ選択では、ほとんどのクルーが6本すべてハードコンパウンドをチョイスした。

SS17が始まる直前に、衝撃のアクシデントが起こった。トップを走るオジエが、ステージに向かうリエゾン中に一般車両と接触事故を起こしてしまったのだ。幸い双方にケガはなかったようだが、オジエのヤリスは右側のドア外板を大きく破損してしまう。この日は最終ステージまでサービスでの修復はない日程。オジエはドアを破損したまま4ステージを走らざるを得なくなってしまう。

●WRCオフィシャルからのキャプチャー画像。ドアの外板が大破している

この事故に関しては、ちょうど目の前で撮られていた動画がYouTubeでも公開されている。動画を見る限りではわからないが、オジエが急に車線変更したようにも、追突した一般車両が相当なスピードを出していたとも見れる。いずれにせよ、WRCのクルーが一般道で接触事故を起こすのはとても珍しいこと。一般道を走るリエゾン中はなにが起きてもおかしくないのだが、衝撃の瞬間だった。


■エヴァンスが逆転首位で最終SSへ
前日のデイ2を終えた時点で、優勝候補に絞られたのは上位3台。オジエ、エヴァンス、ヌービルはタイム差10秒以内の接戦だ。デイ3はロングステージのSS17から始まった。ここでトップタイムをマークしたのは、TGRのエヴァンス。渾身のアタックで、このステージ3番手タイムのオジエに2.7秒差をつけ総合タイムも4.2秒差まで迫る。セカンドベストはヌービルがマークし、こちらもオジエまで8.4秒差まで詰めてきた。

●E・エヴァンスが優勝に向けて猛追する ©︎Redbull

そして、この3名の次にいいタイムで走ったのが勝田貴元。前日ベストタイムを奪ったロングステージから調子を上げてきているが、フィニッシュ後に「コーナーでとてもスリッパリーなところが多くて、グリップレベルが判断しにくかった。ドライビングにはまったく満足していない」と悔しそうなコメント。今後のさらなる成長に期待できそうだ。

●デイ2から調子を上げてきている勝田だが、表情は浮かない ©︎TGR

続くSS18でもエヴァンスはベストタイム。ついにオジエを逆転し総合首位で残り2本のリピートステージへ向かう。5番手タイムの勝田も、フォードのグリーンスミスを抜き総合6位へ浮上した。

SS19のロングステージでもステージトップ3の顔ぶれは変わらず、3者一歩も譲らない緊迫した勝負が続く。そして総合順位は変わることなく、決着は最終パワーステージへと持ち越された。


■300km以上走って、0.6秒差って……
SS20のパワーステージ。絶対王者は勝負どころを最初から見極めていたのかもしれない。先の3ステージはすべて3番時計でタイヤをある程度温存しておいたのだろう。オジエは最終ステージで一気にスパートし、見事にトップタイムを奪う。一方、首位のエヴァンスはミスが出てしまい、オジエから4.5秒遅れの4番手タイム。最後の最後でオジエが逆転を決め、今季2勝目をあげた。その差はわずか0.6秒! WRC史上3番目にタイム差の少ない、僅差の秒差バトルを制した。

●やはりチャンピオンは強かった。朝の事故を気にかけながらも集中を切らさず、今季2勝目 ©︎Redbull

このラリー自身初となる2本のステージベストをあげた、“若武者”勝田貴元は、総合6位フィニッシュ。今季は3戦すべて6位を獲得し完走している。

WRCの次戦は、第4戦ラリー・ポルトガル。今季初の本格グラベルイベントは約ひと月後の5月20日にスタートする。

<文=ドライバーWeb編集部・青山>


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