【MotoGP】アレックス・マルケス、フランスGPでのマリーニとの接触を説明「見えなかったから、避けることができなかった」

　ル・マンのブガッティ・サーキットで行なわれたMotoGPフランスGPの決勝で、グレシーニのアレックス・マルケスは、VR46のルカ・マリーニとクラッシュし、リタイアすることになった。このクラッシュについてマルケスは、避けることができなかったと振り返った。

　27周で行なわれたフランスGPの6周目、マルケスはマリーニと、結果的には勝者となるマルコ・ベッツェッキのVR46のふたりを追いかけていた。

　マリーニはベッツェッキとポジションを激しく争う中、ターン4で内側の縁石に乗ってしまい、フロントエンドのグリップを失った。マシンの体勢を立て直すことができたように見えたマリーニだったが、一気にスピードを失い、真後ろにいたマルケスは避けきれず追突してしまうことになった。

「恐ろしかったけど、幸いなことに怪我はなかった」

　そうマルケスは語った。

「とてもスムーズに乗れていて、とても良い感じだった。土曜日からいくつかの変更を行ない、ウォームアップのペースもとても良かった」

「レースの6周目だったから、少し待とうとしていたんだ。ただ、その時点でルカは少し苦戦していて、マルコが彼を攻め立てていた。マルコがルカを攻めるなら、僕も追い抜いていこうと思っていた」

「しかし彼（マリーニ）はターン4で縁石を乗り越えるという小さなミスを犯し、フロントのグリップを失いかけた。マルコはうまく接触を避けた」

「僕はマルコの後ろにいて、何も見えなかった。マルコが動いた時、ルカが目の前にいた。あのクラッシュは避けることができなかった」

　マルケスはこの接触で、コースの真ん中で転倒。その彼を避けるように、後続のマシンはレーシングスピードで駆け抜けていった。幸いにも後続のマシンがマルケスに接触することはなかった。

「邪魔にならないよう、場所を移動しようとしたんだけど、滑ってしまって難しかった」

　マルケスはそう当時のことを語った。

　一方のマリーニは、この事故で親指を負傷した。ただそれ以外に大きな怪我を負うことはなく、事故はレーシングインシデントにすぎないと語った。

「今回の事故は、とても刺激的だった。非常に激しかったけど、大きな問題はなかった」

「親指に少し痛みがあるけどね。ぶつかった時、ハンドルバーを握っていたけど、その時に痛みを感じた。そして地面に手を突いた時にも、大きな衝撃があった」

「ターン4で縁石に乗せすぎてしまって、フロントのグリップを失ったけど、バイクを立て直すことはできた」

「人生最高のリカバリーを決めたから、加速し始めていた時は嬉しかったんだ。でも、マルケスが背中からぶつかってきた」

「彼もタイムを失わないように走っていたから、接触を避けるのは難しかったと思う。僕としては、今回のことは単なるレーシングインシデントだと思う」

　マルケスは1周目にもKTMのブラッド・ビンダーと接触。ビンダーは隊列の後方に下がることになった。

　結局マルケスには、次戦イタリアGPで3グリッド降格のペナルティが科されることになった。

「僕はヨハン（ザルコ／プラマック）の後ろにいた。ターン5で、彼はこんなに早くブレーキをかけるとは思っていなかったんだ」

　マルケスはペナルティを受けたことについて、そう語った。

「僕はイン側で彼を避けようとした。僕はある程度ライン上にいたけど、彼らはとても早い段階でラインを閉めた。それで、僕はブラッドに少し接触してしまった。彼はさらに内側にいて、ディフェンスしようとしていたんだ」

「ほんの少し接触しただけだったが、彼がいくつかポジションを失ったのが見えた。彼に当てるつもりはなかったんだけど、申し訳なかった」