もくじ
ー 壊れないから飽きてしまう?
ー パワー以上にすばしっこい
ー ホンダCR-Zの中古車 購入時の注意点
ー 専門家の意見を聞いてみる
ー 知っておくべきこと
ー いくら払うべき?
ー 掘り出し物を発見
実車 マツダ・ロードスター・キャラメルトップ 写真27枚 NA型Vスペと比較
壊れないから飽きてしまう?
「一番気になることは、フロントウインドウの雨水をワイパーで履くと、サイドウインドウに水が流れて残るところです」CR-Zのオーナーが自身のクルマの不満を話す。
2010年から2012年12月までに生産された、前期型のCR-Zの販売数は少なくなかったが、中古車市場にもかなりの台数が流通しているようだ。その理由を、ホンダのメカニックが話してくれた。
「クルマがきちんと走るので、早く飽きてしまうんです」
また、10代の若者の場合は、5年保証の切れてしまった、ニッケル水素バッテリーの寿命を心配するひとも多いだろう。
しかし、実際のクルマの走りは充分評価できるものだった。われわれの2010年の試乗テストでは「特にスポーツモードでは、活気があり楽しい。2代目CR-Xのような、コンパクトなドライバーズカーとはいえないけれど、スタイリッシュで魅力的」と評価している。
それから8年。価格はすっかり手頃になり、もっとも人気だったスポーツグレードのモデルで4500ポンド(64万円)から、最上級モデルのGTでも5500ポンド(79万円)ほどで英国では見つかるようになった。
ちなみに、2010年での新車価格は、アルミホイールにパワーウインドウ、パワーミラー、エアコンを装備した標準モデルとなるSが1万8035ポンド(259万円)。さらにクルーズコントロールとパーキングセンサーを装備したスポーツが1万9095ポンド(274万円)。ヒーター付きのレザーシートにサンルーフとフォグライトを装備したGTが2万1220ポンド(305万円)だった。
パワー以上にすばしっこい
新車当時の価格は、搭載されている技術を考えれば高いとはいえなかったが、1.5ℓの i-VTECガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせた最高出力が、124psだったのは、物足りないものだった。最大トルクは、1500rpmから17.6kg-mを発生させてはいたけれど。決してパワフルとはいえないCR-Zが、これほどすばしっこく感じられるのは不思議だ。
ステアリングホイール側に取り付けられた、ドライビングモードのスイッチにその秘密がある。最も楽しめるのはスポーツモード。ステアリングとスロットルのレスポンスが鋭くなり、計器類の照明が赤色に変化する。ノーマルモードが標準で、やや活発さは弱まる。そして燃費を最優先するエコモードでは、長距離の定速走行なら18.4km/ℓの数字を実現している。
もし興味があって試乗するなら、このドライブモードそれぞれの走りの変化を確認してほしい。また、計器類の照明の色も、ドライブモードにあわせて変化することも見ておきたい。緑がエコ、ターコイズがノーマルで、赤がスポーツモードとなる。
2011年に、スーパーチャージャーを搭載した無限仕様の話があったが、販売はされなかった。しかし、英国のチューナーの中には、スーパーチャージャーを搭載して最高出力を200psほどにまで上げてくれるところもある。
また、2010年後期からは、オプションでアイバッハ社製のローダウン強化サスペンションも選択できていた。
ただし、どのCR-Zを選んでも、ワイパーが履いた雨水はどうにもならないけれど。
ホンダCR-Zの中古車 購入時の注意点
エンジン
CR-Zのガソリンエンジンは、1.5ℓの i-VTECで、エンジンオイルとフィルターの交換は2万kmか1年ごとが推奨されている。
バッテリー
クルマの起動後に、バッテリーの警告灯が消えることを確認する。スポーツ、ノーマル、エコの3種類のドライブモードがそれぞれ機能するかどうかも忘れずに。バッテリーの残量ゲージが100%の時は力強い加速をしてくれる。可能なら、バッテリーの充電状況を確認するため、少し長めの試乗ができると良い。
トランスミッション
マニュアル・トランスミッションは軽く正確で、機械的なフィーリングが良い。過走行のクルマの場合、クラッチのすべりに注意。高いギアを選択し、クラッチを繋いで、エンジンの回転数に合わせてクルマが反応するか、確認しておきたい。
ブレーキ
ブレーキは丈夫だが、ディスクの磨耗は確認しておきたい。
整備記録
整備記録の確認は忘れずに。英国の場合、中にはハイブリットのクルマは定期的な整備が不要だと考えているひともいるようだ。
サスペンション、ホイール、ステアリング
サスペンションのブッシュがへたっていると、異音が出る場合がある。フロントホイールのガタツキや、ドライブシャフトブーツの破れなどを目視。アルミホイールはガリ傷が付きやすい。
ボディ
テールゲートのオープナーが壊れていないかを確認する。
インテリア
パワーウインドウなどすべてのボタンが正常に動くかを確認する。エアコンからは、長時間アイドリングをしていると、温風が出てくる場合があるが、これは正常。
専門家の意見を聞いてみる
サイモン・クラルク(所有者・ホンダサービス所属)
「修理工場には申し訳ないのですが、CR-Zで調子の悪いクルマはほとんどありません。フロントのブレーキパッドとディスクですら、16万kmも保ったという話を聞いたこともあります」
「もちろん、従来式の内燃機関と、先進的な電気モーターの組み合わせだということは、留意しておいてください。メカニックにとっては、整備する際、両方の知識や資格が必要になります」
「IMAバッテリーには、不用意には触れるべきではないでしょう。VTECを搭載したガソリンエンジンは、タイミングチェーン式なので、タイミングベルトの交換を気にするような必要はありません」
知っておくべきこと
新車当時、CR-ZのIMAバッテリーの保証は5年か14万5000kmだった。ホンダのディーラーによると、バッテリーに何かの不具合が生じると、警告灯が点くとのこと。英国の場合、新しいバッテリーに交換する費用は、1000ポンド(15万円弱)ほどを要する。
いくら払うべき?
4500~5495ポンド(64万~79万円)
2010年~2012年式のスポーツが選べるが、ほとんどが個人売買車両。12万km~14万kmの走行距離で、複数オーナー、整備記録は不揃いなものが多い。
5500~5995ポンド(80万~86万円)
2011年~2012年式のGTグレードで、走行距離は13万km程度。また、距離の少ないスポーツグレードも含まれる。
6000~6495ポンド(87万~93万円)
2010年~2013年式のスポーツやGTグレード。走行距離は6万km~12万kmで、ホンダディーラーでの整備記録も揃っている。
6500~7495ポンド(94万~108万円)
ホンダの正規中古車を含む、かなり状態の良い車両になる。例えば、2012年式のスポーツグレードのクルマが、走行距離7万kmで7311ポンド(105万円)で出ていた。
掘り出し物を発見
ホンダCR-Z スポーツ
2012年 11万1000km 4900ポンド(70万円)
新しいフロントタイヤにブレーキ、長い車検に、ホンダのディーラーと系列店での整備記録が揃っている、目を引く1台。出品者によれば、これまで1万6000kmほどの走行での平均燃費は、16.6km/ℓだという。新しい子どもが増え、クルマが手狭になったことが売却理由だそうだ。
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